Boysun Crafts Centerでは、手作りのジャンダ織りなどを買い込んでSalim Akaの家へ戻り、早々に出発。タクシー乗り場では、さすがに地方都市とあってすぐには客が集まりそうにないので、元締めが、Karshiまで4人で14万Cymのところ、2人で10万Cymにするがどうかというので、多少エロ・・・失礼、イロをつけてもらって妥結。南ウズベキスタンの静かなたたずまいに後ろ髪を引かれる思いでBoysunをあとにする。
来た道を逆にとって北上する。中央アジアの南部からアフガニスタンにかけての山岳地帯の景観に思いを馳せる。
厳しい自然条件の中での、人々の質素な暮らしを垣間みる。しかし車をチャーターした訳でもなく、悪路続きということもあって、ゆっくりと風景を楽しんでいる心と肉体の余裕はない。さらに、南下してきたときは、検問所はすべてフリー・パスだったのに、今回はことごとく止められた。外国人であるので、当然のことながら別室ご案内となるが、応対は至って紳士的で今回の旅で官憲から不愉快な思いをさせられたことはない。
山岳地帯を抜けると、赤土と灌木の果てしない荒野が広がる。あちこちに油田があり、その間を鉄道が縫うように通じている。極めて質実剛健な電気機関車が、地平線の向こうまで続くかと思われるほど長大な貨物列車を牽いている。
Karshiの市域に入ったようだ。ウズベキスタンには、このように殺風景な景色を多く目にする。
無論どこをどう走ったかは全くわからないが、Karshiは結構大きな町で、往路に立ち寄ったバス・ターミナルではなく、Samarkand方面行きのバスやシェア・タクシーが発着するこのターミナルまで案内してくれた。旅人にとっては、こういうところがありがたいものである。ほどなく4人集まり、4人で16万CymでSamarkandへ出発。
Samarkandへの道は、ひたすらこのように平坦な舗装道路であった。時折なだらかな丘を越えたりカーブしたりはするものの、風景はほとんど変わらない。Samarkandの市域が近づくと雪になった。Registon広場までで良いというのに、この親切なドライバーは、慣れない外国人のために右の客と相談してわざわざ安B&Bまで横付けしてくれた。確かにホテル探しを楽しめるような状況ではなさそうだ。中央アジアの遺跡の都市、憧れのSamarkandとの出会いは、寒くてぬかるんで雪だった。