
The Ornette Coleman Double Quartet: Free Jazz (LP, Atlantic, SD1364, 1961, US)
Free Jazz (Part 1)
Free Jazz (Part 2)
Left Channel;
Alto Saxophone – Ornette Coleman
Bass – Scott LaFaro
Trumpet [Pocket] – Don Cherry
Drums – Billy Higgins
Right Channel;
Bass Clarinet – Eric Dolphy
Trumpet – Freddie Hubbard
Bass – Charlie Haden
Drums – Ed Blackwell
Engineer [Recording] – Tom Dowd
Recorded December 21th., 1960, in NYC
Design [Album] – Loring Eutemey
Supervised By – Nesuhi Ertegun
Inner Photo ≪ White Light ≫ by Jackson Pollock
もとい、もちっとまじめにこのレコードについて書いておかなければならない。この録音は、上の通り二つのカルテットが同時に演奏したもので、LP両面に分割して収録されている。まったくフリーに別々に演奏したわけではなく、リズムとモードは共通、インプロヴィゼイションも基本的にソロで、登場する順序も決められていた。試みとしては斬新であり、演奏自体も独特の型破りな緊張感を持っているが、極めて偶発的なセンスに依存しているため、演奏の核をなす部分が曖昧にならざるをえず、またその緊張感を長時間持続、あるいは録音するために反復して再現することなどが非常に困難だったことから、左右別々に同時に演奏するという試みの斬新性の割には、結果として中途半端な仕上がりになった印象は否めない。しかし、演奏内容のそれぞれをよく聞いてみると、その場その場における周囲の演奏の呼びかけに呼応して、ときにはチャンネルを越えて呼応しているのがよくわかり、しかもその演奏がその場の予定調和性を突き崩そうと試みている不断の努力を垣間聞けるのである。そいうい点で、この録音はまさにジャズにおけるFree Jazzの初めての試みといえ、既成の型を打ち破ろうとしたエネルギーの迸りを聞くことができる。しかしそれがOrnette Coleman彼独特の、魂をかきむしられるようでありながら、慟哭する直接的な肉声すなわち実際の泣き声、ではなく、別の次元への昇華を図った・・・それがまさにジャズであると私は考えているのだが・・・別な形での叫びに似た音声に求められた価値観をこの演奏に求められるかというと、少し困難があるように感じられる。私は何度も繰り返しこの録音を聴いていたので、そこに現れては消えていくエモーションの移り変わりを見るのが好きだ。
posted by jakiswede at 14:48|
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変態的音楽遍歴
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