2016年09月03日

20160903 estate ...

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 過ぎ行く夏へ・・・

 生活の困窮から、年末までに何らかの打開策が見出せなければ、一旦百姓から撤退して地獄の沙汰もカネ次第と閻魔大王様に魂預けて守銭奴に成り下がろうかと思いつめていたのだが、残すところ3ヶ月という土壇場になって、まったくおあつらえ向きの仕事にありついた。月10日稼働・直行直帰・自家用車持込・経費全額支給・車両手当・走行距離手当・みなし時給・・・業種は守秘義務の関係で明らかにできないが、職種は営業、つまり昔取った杵柄である。手触りも握り具合も酸いも甘いもよぉぉぉぉっく覚えとる。しかも担当エリアは得意中の得意の播州。時間制限がうまい具合に噛み合って現在のバイトを辞めなくて済むのだが、百姓入れてなんとトリプル・ワーク・・・しかしそれでもやらにゃ生きては行けん・・・

 これで毎日の仕事探しの徒労から解放された。まったく先の見えない不安、苦痛と焦りの連続、少しでも脈のありそうな情報には全てエントリーした。当然のことながら夜のバイトを終えた深夜にパソコンに向かって毎日何時間も過ごす。夜半過ぎにエントリーしたのに、数分後には断りのメールが来る。つまり登録情報で自動的に選り分けられていることがわかる。返事をくれるのはまだ良い。半数以上は梨の礫。疲れ果てて失意のうちに眠る。それでも数ヶ月に一度くらい手応えがある。そのうちの何分の一かの確率でさらに返事が来る。一喜一憂。書類選考を通過して面接に及ぶ。もちろん「誠に残念ですが・・・」という、わかった話もある。しかし書類選考を通しておきながら、「いままでなにやってきたんですか」と面白半分に突っ込んでくる面接官もいる。全部履歴書に書いてあるやろ採る気がないなら呼ぶなこの忙しいのに、と何度叫び声を噛み殺したことか。こんな無駄な努力を、いったい何年、毎日毎日繰り返してきたことか・・・それがために、楽しいはずの生活が台無しになり、余裕がなくなり、できるはずのことを諦めて仕事さがしに振り向ける。なんという無駄、そしてなんという自分の弱さだろう。できるはず、できるはず、といくら自分に言い聞かせても、下り落ちる速さは増し、駆け上がる速さは鈍るばかり。これが、身の程も顧みず、きちんとした計画性もなしに、勢いだけで飛び込んでしまった今の生活10年の成れの果て。生活保護を受けるために、できるだけ無駄なものをカネに替えようと身辺整理を始めていた矢先だった。
 現金なものとは私の今の心境である。最前までの暗い追い詰められた過激思想はどこかへ飛んでしまい、貧しさゆえに封印してきた様々なことを始めたい意欲が湧いてくる。楽器をセッティングして一人リハーサルなんてやってみる。自分の演奏する動画を撮って、手元の動きを注視して、弱点を克服しようと考える。つくづく、人間は社会的な生き物だと思う。自給自足なんて、本当にそれだけで生きていけるのなら、簡単なことだ。生きていけないから難しい。私は「食品の裏側」を舐めつくした反省から今の生活を選んだ。しかし、いまこの仕事にありついたということは、以前の生活に戻ることを意味する。そうしなければ社会生活が成り立たないという現実は、そのまま現代社会を象徴しているようだ。これでやっと、生活を立て直すことができる、という安堵が半分、しかし再び「裏側」を舐めて生きていくことになるのかという、自分に対するやり切れなさが半分、結局、その矛盾を色々な刺激で解消していこうとする自分の悲しさから目を背け、紛らわし、ごまかして俺は生きていくんだな、という諦めに満ちた酔いのような・・・

posted by jakiswede at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする