Uyghur-Pamir 2017.05.18.2 Passu
旅は一変した。なんという素晴らしい風景、雄大な、心研ぎ澄まされる、空に吸い込まれるような、山・山・山・・・筆舌に尽くしがたい感動、片時も目が離せない興奮・・・山登りにも、山岳写真にも、何の興味もない私だったが、ただ暇つぶしに、中国とパキスタンの陸路国境越を興味本位でやってみようと思い立っただけなのだが、途中フンザも通るし、パキスタンを半分縦断できるなんて・・・と面白半分の思いつきだったのだが・・・なんという風景、なんという人々の笑顔が私を出迎えてくれたのだろう・・・それまでの予備知識や、一夜漬けの旅情報なんて、一瞬にして消し飛んだ。中国の複雑な現状や、印パ両国の事実上の紛争地であることなど、この自然の前に、一体どんな意味があるというのだ。私のような、不純で取るに足りない旅行者を、こんな天国が迎えてくれるなんて・・・大げさではない。かつて、なぜこの地に、カシミール・カラコルム・パミール・ヒンドゥークシからアフガニスタン北部にかけて紛争が絶えないのかわからなかったが、いまはっきりとわかった。あまりにも素晴らしい場所だからだ。パワー・スポットなんて、聖地なんて、所詮人が考えたことだ。この自然、地球に生まれて本当に良かった。何もかもが報われた。感謝の感動に包み込まれた。この地のためになら死んでも良いとさえ思った。