どちらかというと、同窓会なんかこっぱずかしくて参加しなかったのだが、仲の良い友に誘われた。中学と高校の六年間も一緒にすごした友との40年ぶりの再会であった。
まあねえ、あのころ美少年であったあいつもこいつも還暦前となっては見る影もないのは、私も同様でお互い様なのだが、そうか、あのかおつきがこうなるのか・・・と、なかなか面白く興味深く、面影を見出すとともに懐かしく、次第に40年の時を遡る。
当時、ブイブイ鳴らしてたやつもいじめられてたやつも、現在、功成り名を遂げたりそうならなかったりしたことが紹介されたものの、やがて40年前の力関係に戻り、それぞれが当時の役柄をつい演じてしまう。そうか、俺はこうやって人間形成をしてきたのだ。あいつとあいつとこうつきあって、いじめられたりいじめられたりしたかもしれないが、そこからこう向き合って、または相手を変えたり、別な流れに巻き込まれたり、自分に勝ったり破れたり、まあいろいろあったなあと・・・
おそらく参加した全ての友が、それぞれの紆余曲折の人生、詳しくは訊かずとも、その顔に刻まれた複雑な表情が、お互いに察し会われて、心和やかに許し合うひととき。そのなかに40年前と全く変わらぬ声や口調や仕草を見出して、現在の立場や身分を越えて笑い合うこの幸せ。友よ、ありがとう。このような会を用意してくれた皆様に感謝します。ご苦労様。