2019年11月12日

20191112 Mpondu

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 さて先日いただいたコンゴ料理の中に「Mpondu」というものがあって、これはコンゴでは「おふくろの味」である。かつて「cafeminhos」で出していた「赤と緑のアフリカン・シチュー」の緑の部分のもとである。キャッサバ芋の葉を収穫して木の臼と杵で搗いて搗いて搗きまくって繊維を崩し柔らかくしたものを、干し魚でとったスープとピーナッツ・ペーストで味付けする野菜の煮物である。似たような料理は、原料や味付けは異なるもののアフリカ中にある。どれも地味ながら味わい深いアフリカのおふくろの味である。

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この「搗く」という動作をリンガラ語で「kotuta」という。これに一人称の語頭と「してあげる」という語尾がついて「あなた」を目的語にとると、「nakotutela yo」となる。これが実はコンゴ女性の男性に対する愛の告白の言葉であって、日本ではさしづめ「あなたのために味噌汁を作ってあげるわ」くらいの意味になるだろう。ところが、一般的やや内気な日本人男性が典型的タイプと想像する女性に期待する情緒とは幾分異なって、この言葉はその響きが強く、また長い杵を持って搗く動作を交えながら「コトゥテラヨォ、ガハハハハハ」とやられるので、かなり戸惑うのだが、この搗いている様子は、アフリカのイメージとして定着していることからみても、アフリカでは女性の色気の一つと考えられていることもうなづける。

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で、かねてから私はこの「Mpondu」という料理をなんとか日本でも再現したいと思っていて、エロエロと・・・いや、いろいろと試行錯誤したのであるが、サツマイモの葉っぱがかなり近いことに気がついた。しかし作シーズンは時間がなくてできないうちに枯れてしまったので、間も無く気温が急激に下がる前にと思って、このクソ忙しいのにこれを収穫して潰すところまではやっておき、これを冷凍保存しておいて一部を料理してみた。

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まったく料理するために百姓をしているのに、百姓仕事が忙しすぎて料理する暇もないのである。コンゴの良い出汁の取れる「Ndakala」という川魚の代わりに乾物の鱈のすき身を使い、ピーナッツ・ペーストは、何を隠そう我らが神戸市が世界に誇る有馬芳香堂の塩砂糖無添加のものを使ってやってみた。たいていこの「Mpondu」という料理は単独では供されず、肉や魚料理の付け合わせとして添えられることが多いので、赤魚のコンゴ風ソテーをメインにしてみた。もちろん現地のものとはかなり異なるものの、これはこれで美味い。

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コンゴ民主共和国Equateur州Mbandaka近郊の村で純日本式田んぼを作っていた百姓、ちなみにその田んぼの作り方は日本人技術者が教えたそうだが、その奥さんが身重なので代わりにキャッサバの葉を搗いてやってる心優しい旦那の姿。

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20191112 稲糀病

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 さて、私は稲はハングリーな状態で育てる方が良いと思う。新しく借りた圃場では、前作の借り手がかなりの肥料を投入していたと見え、「神丹穂」は草丈2メートルを超え、茎の強いはずの「緑糯」さえ風に倒れた。そして黒米の「紫黒苑」には「稲糀病」が多発した。これは出穂期の低温、日照不足と多雨、土壌養分の過多すなわち多肥が影響して起こる稲の病気である。他の品種で発生しなかったところを見ると、この品種は九州の出身であるので、相対的に近畿中部では寒かったのかもしれない。この「稲糀病」は「糀」の名があるが、これはカビの一種であるがコウジカビとは全く別物の常在菌であって、人体に有毒であり、罹患した籾は精米すれば影響ないとはいえ、中身がスカスカになっている。またこれが発生した圃場には胞子が飛散していて、翌年以降も発生する可能性が高く、同一過程で処理した他の稲わらや籾にも付着して、これを広げてしまう。無農薬でこれを防除するに有効な手段はなく、輪作するか気象条件をよく予測して、出穂期以降の降雨を避けるようにするくらいが対策となる。よくこれを利用して発酵食品を作る話が都市伝説のように広まっているが、毒を持っているので絶対にやらない方が良い。成功事例もよく読んでみると、自然界に常在するコウジカビなどの菌の混入が十分に考えられる状況のものがほとんどで、稲糀病の菌が作用したものとは考えにくいものである。

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