2020年04月01日

20200401 Ciaccona

 「引きこもりの美学」・・・私は毎朝NHK-FMの「古楽の楽しみ」という番組で目覚めるのだが、去年の一月に・・・私の耳は別の生き物で、よく番組の興味深いフレーズを聞き分けて私を叩き起こす。今朝は「シャコンヌ、あるいはチャッコーナは、ペルーの卑猥な踊りの音楽に起源を持つ」という衝撃的なフレーズに叩き起こされた・・・と書いた。ここんとこずっと、6年ほど録りためてきた音源の整理をしているのだが、ようやくこの2019.01.25の録音までたどり着いた。改めてその曲を聴きかえす・・・これは・・・ちょっとペルーの都市音楽をかじった人なら歴然とわかる「Festijo」ではないか・・・「Chaccona」をキーワードに、YouTubeでさらに音源を漁ると、出るわ出るわ、イタリアやイベリア半島で流行りまくったというChacconaの復元演奏のかずかず・・・さらに文献にも行き当たり、オンライン翻訳機能を使いながらたどたどしく意味を探っていくと、いわゆる「ハチロク」・・・6/8拍子で踊ることに喜びを感じるようになった始まり、さらにその二小節目の第二拍を最も強く響かせるようになった経緯・・・これすなわち、ブラジルのSambaのスルドゥの強拍が、なぜあれほどSambaにとって重要かという謎の証でもある。クラシック音楽という不慣れな世界で、世界の音楽につながる発見に喜ぶ日々・・・


20200330 志村けんさん死去 新型コロナウィルス (2020.04.20追記)

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20200401 Joseph Sudek

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もう何十年も前、仕事で大和高田の渋滞する道路脇の古本屋のワゴンに、窓越しにこの本を見つけた。Joseph Sudekの作品集は、フランスの写真叢書Photo Pocheで持っていたが、この版の大型なのに驚いて車を止めてその店へ走った。なんと数百円で購入した覚えがある。それは新書サイズで印刷も粗いPhoto Pocheの版とは比べ物にならないほど精緻なものだった。モノクロ写真の暗室作業を志してはいたものの、仕事でなかなかまとまった時間を取れなかったのを、いったん退職して数ヶ月暗室作業に没頭するきっかけを与えてくれた。表紙を飾るこの作品は、ナチス政権下のチェコで、写真家が風景写真の撮影を禁じられるなかで、自らのスタジオの窓から見える風景のみで構成した「スタジオの窓より」という作品集の代表作である。Joseph Sudekは、第一次世界大戦中に出兵した先で負傷して、若くして右腕を失っている。左手一本で、しかも外出の自由を失われながら、いかにしてこれほどの作品を生み出したか・・・つくづくながめ、黒の中の黒、白の中の白。切り立ったエッジに、身を研ぎ澄まされる思いがする。もう何十年も放置した暗室用品、今年はなんとか再開させたいものだ。




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