2011年01月27日

20100310 Patience

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 Inongoを出て以来、世話をしてくれた人に対する謝礼にはUSDを使ったし、他に買うものもなく現地通貨を使う場面が少なかったので、10日間も両替することなく来たのだが、さすがにここへ来て手持ちが寂しくなって来たので久しぶりに両替してみた。やはり田舎町である。20年前のように、USD100を出すとうろたえる。市場で一人の両替商に頼んだのだが、彼一人では現地通貨が足りず、あちこち借りまくってようやくそろえてくれた。しかもFC500では揃わなかったので、FC100やFC50、FC20もまぜこぜにして、ようやくFC91,000を積み上げると、こうなってしまった。

 

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 これを鞄に入れるとこうなる。これを下げて街をうろつく訳だが、もう既に面が割れてしまっているので、却ってみんなが心配そうに見ているから安全である。本題のロコレであるが、午前9時に、昨日約束した場所ヘ行ってみたものの、案の定ロコレを持って来た者は一人もいなかった。コンゴ人がリンガラ語の未来時制で話すことは、日本人が日本語の未来時制で聞くことよりも、その実現の可能性は極めて低いとみなければならない。それはもちろんわかってはいたが、一人くらい来るやろ、ゼロはないんちゃうん・・・という顔をしていたら、隣の八百屋のおばちゃんが哀れに思ってか、リンゴとバナナをくれた。まるで子供である。しかしそんなことをして市場でぶらぶらしていると、昨日市場で最後に何人か「私はロコレを作れる人を知っている」と言った数人の若者のうちの一人に会った。狭い路地になった向かいどうしの服地屋と雑貨屋をそれぞれ経営する二人の若者のうちの一人で、なんでも夕方になったら彼のバンドの練習があるから遊びに来いやと言う。雑貨屋の若者の方の親父がロコレ職人だと言うのである。「ロコレを作ってくれるかもしれんぞ。」

 

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 というわけで、今日は一日「待ち」である。気を鎮めて時を待つことの大切さを、この国に来ると痛感する。私は、短期でイラチでいかん。飯である。米の飯が出るのは大変喜ばしい。時計回りに、クワンガ・マデス (豆)・鶏肉・野菜、標準的なコンゴの食事である。毎朝ミサにも出、三度の食事の前には感謝の気持ちを込めてお祈りを捧げる。奥地の苦しい旅路の間、クワンガを主食としていたが、これは日本の餅のようなもので、重くて大変腹にもたれ、便が硬くなる。米が食えると体調が元に戻って、本当に助かるのである。便通が軽いとイライラも収まり、待つことが苦でなくなる。あとは冷たい飲み物が欲しいところであるが、ここも自家発電が夕方から数時間しか稼働しないので、飲み物はたいして冷たくない。

 限られた日限の間に、知らぬ場所で欲しいものを捜したり作ってもらったりするには、ある程度のリスクと忍耐と賭けが必要である。だから、複数の可能性を同時進行させざるを得ないのであるが、それが全部おじゃんになる可能性もあれば、全部かなう可能性もある。おじゃんになれば、この旅の目的の半分はかなわずに帰ることになるが、かなったらかなったで、それを運ぶ算段をしなくてはならない。いけるところまでいくのみ。そういう事情につけ込んで来る奴も当然のようにあって、さういうのは、たいてい前金でないと作ってくれないなどとほざきよるし、話しに行くから交通費をくれと言ってそのままドロンする奴もいる。どうせ私は何日かしか滞在できないのだから、私がここにいる間だけ、どこかに行ってれば良い訳で、そういう奴らは、初から話の持って来方が胡散臭いのでほっておく。で、ある程度具体的に話す奴と、相手の目を見て隠し事のなさそうな奴からの話だけを選り分けて聞く。安心するが良い。神父に「気をつけろ」とアドバイスされるまでもなく、ここコンゴの奥地でも、「モノを見てからでないと支払わない」と言う論法は通用する。そういう観点からみると、King Joeは若干胡散臭い、かといって神父の話も頼りない、今日の若者の話もあるかどうか解らず、「持っている」という奴は一人も来なかった。というわけで、現時点で最も可能性の高い前二者に期待をかけるより仕方がないのであった。

 さて夕方までゆっくり休んで市場へ出かける。くだんの若者たちは店で待っていた。にこやかな笑顔で屈託がない。彼らと連れ立って村の方へ入って行った。村の縁にある家の裏庭に若者が集まっていて、ギターや、例のローカル・ドラム・キットなどを準備して、いまから練習が始まる気配である。コンゴの慣習通り、そこに居合わせた全員に晩飯が振る舞われ、酒も回った後で練習開始となった。その内容であるが、まあそこそこのもんである。EquateurなのでこってりとしたSwede Swedeなどを期待したが、そこはやはり若者、そんな20年も前に流行ったスタイルなぞとっくのむかしに捨ててしまって、今はラップ混じりの軽快なSoukous Funkである。まあそれはそれで活き活きしてて良かった。

 


posted by jakiswede at 15:37| Comment(0) | ザイール・ヤ・バココ第三の旅2010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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