2011年01月27日

20100314 Eala

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 Mbandakaで見ておきたかったものをひとつ忘れてた。植物園である。リンガラ音楽にイカレてKinshasaへ初めて来た当初の私のこの国に対する印象は、がさつ・ばんから・混沌であった。つきあってきたのは、経済的に貧しいこの国の中でも、最も底辺に近い部分で生きるや死ぬやの暮らしをしているミュージシャンたち、貧しいからこそ一攫千金を狙う、ギラギラ・ドロドロ・エロエロしたドス黒い念のうずまくヤバい連中。そんな奴らが、どこから手に入れて来たのか解らないほど身分不相応な服を着て、出来るだけ邪魔になるように通りを歩く・・・そんな奴らがうじゃうじゃいる街・・・というのがKinshasaであり、ザイール・コンゴの印象であった。しかし、「第三の旅」のお預けを食らって20年、行きたい気持ちは知りたい気持ちに振り向けられ、この国に何があるのか、どこにどんなものがあって、どんな人たちがどんな事をしているのか、そういうことを調べまくったのである。こんなにヤバい国にも・・・と言っては本当に失礼なのだが、こんなに不安定な国にも植物園がある。内戦の荒廃を乗り越え、赤道直下の植物を集め、育て、絶やさないように努力する人たちがいる。

 植物園Jardin Botanique d'Ealaは、都心からtolekaで片道FC1,500。それに値する労働である。若者は、小柄ながらもくじけずに、汗を滝のように垂らしながらも懸命にこいだ。街外れまで止まらずにやって来て、最後の分かれ道のところで一服の涼を路傍の家に求めた。そこは見かけは何の変哲もない家だったが、どうやらtolekaの若者たちに人気の溜まり場のようだ。我々のために木陰に椅子を運んでくれ、良く冷えた果物を切って皿に盛って出してくれ、皿に手と口を洗うための水を井戸から汲んで来てくれた。これでFC100である。たったFC100である。おなじMbandakaでも、都心では食事に数千FC使う。FC500を何枚も出さなければ買い物も出来ない。しかし、同じ街にもこのようなアンバランスがあって、おそらくこの金銭感覚で生活している市民もたくさんいるのであろう。分かれ道を左にとって更に行くと、やがて植物園の門が見えて来た。門番がいて、親切に切符を切ってくれたのだが、特にパンフレットなどはない。tolekaの自転車持ち込みと二人分の入場料でFC1,500だった。私は門から歩けると思っていたのだが、上の写真である。おとなしくtolekaの荷台に座る。

 

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 さて植物園というと、手入れされた庭や温室などを思い浮かべるが、ここはコンゴ、非常に大味で、悪く言うと殺風景である。Inongoからここまで飽きるほど見て来たジャングルの風景と全く変わらない。やがて赤煉瓦作りの美しい建物がある。園内の美しい風景は、このリンクの後半をご覧下さい。

 

 http://web.mac.com/jakiswede/iWeb/3e_mobembo/Equateur.html

 

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 しばし散策していると、ガイドが現れた。ここに勤務するエコロジストで、若くて聡明な印象を受ける。彼の案内で園内を一周し、川を取り巻く自然と樹木の解説、資料館の入館と案内・・・標本が臭い !! ・・・それに川べりのカフェで桃に似た果物を食べての寛ぎのひとときと園内写真撮影許可で、FC6,000・・・まあしゃあないな。

 

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 コンゴでは、竹はこのように生える。赤道直下でも必ず日陰が出来るので重宝される。

 

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 ひとり園内を散策していると、木の上から声がした。見上げると、男がひとり木の手入れをしている。「これ食ったことあるか ?? 」見た事のない果物である。momboyaという。なんと直火にくべて食す。真っ黒になるまで焼いて、地面に激しく叩き付けると割れる。なかは真っ白な実で、栗のようにほくほくとした食感で淡白な味わいであった。これにピリピリ・ペーストがまた合うんや・・・

 

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 川にピローグが着いてmongousseを売りに来た。そこでカフェのおばちゃんとそこにいた職員や我々の他の客も含めて、大きいのを2匹買って料理してみんなで食べる事になった。なんとものどかな話である。こうしてMbandaka最後の日は、和やかにゆっくりと過ぎて行った。

 

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posted by jakiswede at 15:55| Comment(0) | ザイール・ヤ・バココ第三の旅2010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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