出国の日である。N'djili空港13:35発の飛行機である。予約してあったNgunzaさんを頼んで、9時にDHLに駆けつける。Maguyちゃんはすぐに来てくれた。私は予めVictoireのProcreditでUSD1,000を引き出していた。彼は書類に全ての印鑑をそろえて10時過ぎに到着した。手続きにかかる。もう一度荷物を開けると言うので抗議したが、却って事務を長引かせるかもしれないので折れた。中身を再度改めるのに時間がかかり、二度も開けられたために段ボールはかなり傷んでしまった。そのため、係の者はこれから木箱を作ると言い出した。私は気が遠くなった。この事務手続きの非能率な国で、国際線の飛行機に乗るのだから、どんなに遅くとも11:30には空港に着いておきたい。あそこを突破して出国するのは大変な面倒がかかることが解っているからだ。それを、これから箱を作るやと ?? もうええ、ほな俺カネ払うてくるから作って送っといてくれと言ったが、箱に全部入れてから計量しないと料金が解らんと言い出した。それはわかるが俺は急いどるんぢゃ・・・と言うてもあかんよなあ。とにかく早よしてくれ・・・と、あらあら、見てる間に箱は出来上がった。さすが木の国ロコレの国や、こーゆーことはものすごい手際エエやん。再計量したらさっと伝票出してくれたんで、さっとカウンター行ったら、一昨日の上司のとこさっと案内された。木箱にしたために6kg増えていた。彼女は、私の飛行機の時刻を訊いて、やりかけていた手をさっと止め、私の仕事をさっと先にしてくれた。6kg増えるとUSD200も料金が上がるので、梱包を開いたのは自分たちだからと言って、2kg軽くなった時の料金との真ん中をとってさっと伝票を書いてくれた。感謝の気持ちを表そうとすると「早く !! 」と言われたので、伝票をさっと持って下のカウンターにさっと走った。カード支払いは今日も出来ないと言う。オイ !! ・・・もおええわ。一番近いProcreditのATMどこやと訊いたら、若い職員が一緒に走ってくれた。一番近かった一台は故障中、大使館の近くの本店のATMで引き出そうとしたが、「本日の引き出し限度額を超えてます」・・・・うわぁぁぁぁ・・・・今朝USD1,000引き出したからや。昨日やっときゃ良かった・・・目の前がまっ暗になった。取り乱していく思考回路を冷却し、落ち着いて腹巻きの中をさぐると手つかずのEURが残っていたことを思い出した。「EURの現金ならあるのだが・・・」と言うと「アホ、それ先言わんかい」DHLへ取って返してカウンター脇の銀行窓口でEURからUSDに両替して過不足を清算して無事終了。11:30や。うわぁぁぁぁ、Maguyちゃんも彼氏もありがとね、DHLのみんなもありがとね。他のお客さんお騒がせしてごめんね、ほな行くわ。・・・というわけで、荷物は発送され、Gabon, Lagos, Brusselles, Leiptig, Hongkongを経由して、なんと一週間後に今回の旅の全ての荷物を受け取って下さっている叔父の家に無事到着したのでした。素晴らしい、協力してくれたKinshasaの皆さんに心から感謝 !! ほんまにありがとう。
ついでに宣伝・・・心から尊敬する私の叔父です !!
http://homepage1.nifty.com/ModernJazzNavigator/
その息子です !! ・・・Oh, Yeah (^^v
空港へは12時過ぎに着いた。Ngunzaさんは外の駐車場に止めた。我々は敷地に入り、中の駐車場を横切って建物へ、入り口にポリが頑張っている。「Go Passを買え」とつっけんどんに言って右手を顎でしゃくった。ううむ・・・制度が変わったのか、初めてのことだ。そこでNgunzaさんと別れた。「あとは一人でやる。ありがとう。さようなら」その方が早いのだ。Go PassはUSD50だった。高い !! これは想定外、USD現金が残っていて本当に良かった。
そこからが例によって大変だった。普通の空港であれば、本来は、ロビーに入ればすぐにカウンターでチェック・インである。左手に各航空会社のカウンターがあるのは見えている。しかしそこまでの空間が、人で埋め尽くされていて騒然となっているのだ。これは20年前と全く変わらない。カウンターへ辿り着く前に、何人もの係官らしき人物に止められる。パスポートを見せろ、航空券を見せろ、荷物を置け・・・ 彼らは取り入ろうとしているだけなのは解ってはいるのだが、なかに制服を着たやつもいて、もしかして捕まって事態を長引かせてはと、慎重にならざるを得ない。「持ち込み検査だ」と移動式コンベヤの前で制服の男が言った。どうやらこれは本物らしい。もう大切なものは全てDHLで送ってしまったから、別にここで身ぐるみ剥がされても悔いはない。あれはなんだこれはなんだといちゃもんが始まったので、USD10握らせて「もう時間がない」と言うと、すんなり通された。ようやくカウンターに辿り着いたときには12:30になっていた。
South Africa Airwaysの制服を着た現地採用のムカつくコンゴねーちゃんが「もう仕事は終わった。明日来い」などとぬかしよる。「ふざけんなこのボケ !! あと一時間あるやないか、仕事せんかい仕事を !! 」・・・とまでは怒鳴ってへんねんけどね、周りの客たちも怒ってる。ねーちゃんはフテくされて足を組み、こっちを見ようともせず、頭上に吊ってあった「South Africa Airways」のボードを外してしまった。
カウンターの奥から息せき切って若い男がやって来た。英語で話しかけられたので、こいつは南アフリカ人の社員のようだ。そこに並んでいた数人の客が「早よせんかい」と怒鳴っている。まあこれだけ怒鳴る人がおったら任しとこ。社員はいそいそと順番に航空券、パスポートをチェックし、機内預けの荷物を計量したりBaggage Claimを切ったり、それを巻き付けたりしている。ねーちゃんどもはそれを鼻でせせら笑って手伝おうともしない。社員もあきらめの境地で一人仕事をこなしている。3人分済んだとき、その3人をなんとカウンターの中に入れた。そして次の3人・・・その中に私も入っていたが・・・の手続きを始めた。
私の機内預け荷物は、「間違わんといてよ、Johannesburg経由Cairo行きやで」、そう、私はJNBでは降りず、そのままEgyptairに乗り換えてCairoに行くのである。社員の手が、はたと止まった。そうなのだ。ここが意外に落とし穴かな思ってた。この非能率な空港で、チェック・インした航空会社とは別の航空会社の便にトランジットで乗り換える場合の、機内預けの荷物の扱いがどうなるのか・・・その場合を想定して、荷物は機内持ち込みに出来るサイズに抑さえてある。「無理なら持ち込むよ」と言いかけた瞬間、彼は得心が行ったように端末を叩いてBaggage Claimを出力した。半券には、きちんと私の乗り継ぐ便名が明記されていた。この3人もカウンターの中に入った。
チェック・インは私が最後だった。離陸予定時刻まで、あと30分。やはり国際線は国内線とは違う。とりあえず、社員は先の3人を連れて出国ロビーへの入り口に消えた。待たされること10分程度で、再び現れ、他に乗客が来ていないことを、あっちむいてくっちゃべっとるねーちゃんには訊かずに自分の目で確かめて、われわれ3人を連れて走った。出国審査である。ほかの2人は問題なかったが、私が止められた。例のVISAの有効期限問題である。何度もした同じ説明を繰り返す。社員も私のVISAを見て私と同じ説明をする。役人は納得せず、別室へ連れて行こうとする。社員はマジで焦りはじめたので、仕方なくUSD10で黙らせる。次はイエロー・カードだ。これはスルー。機内持ち込みの荷物検査、年代物のレントゲン検査機である。ここではSouth Africa Airwaysの機内でもらった携帯用の歯ブラシをライターと見誤った係員に止められた。せっかく大きな声で「Good job !! 」と誉めてやったのに荷物を開けさせられ、USD現金をどうのこうのと言いはじめたんで、社員と二人同時に「おまえらええかげんに・・・」と英語でやったらおとなしなりよった。そうや、今頃気がついた。英語でやったら良かったんや。なまじリンガラ語でやるから足許見られんねん。もう遅いけど・・・
待合室を走り抜けてバスに乗った。タラップの下でまた止められた。Go Passと航空券と搭乗券とパスポートのチェックである。なんべんやったら・・・厳重なこって恐れ入ります。乗ろうとするとまた止められた。機内預けの荷物を職員が持っている。「返してほしければ・・・」むらむらむらむらむらぁぁっと怒りが込み上げて、その顔面のど真ん中にストレート・パンチを食らわすべく、瞬間湯沸かし器で煮えくり返った血が背中から脳髄の許可を得て上腕二頭筋へどっと流れ込み、今まさに拳が弧を描こうとした時、「ご自分でお積みください」・・・周りを見ると、みんな押し黙って自分のケースを機体の腹の下に止まっているリフトに運ぼうとしている。厳重なこって恐れ入ります。タラップを上がる・・・もう二度と来んからな、このダボらが・・・
コンゴはこれで三回目や、もうこんぐらいにしといてえな・・・
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