2011年04月09日

20100409 Savall Istanbul

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 上の写真は、彼女の住むマンション近くの風景。庶民的な街で親しみやすい。もうすぐお別れ。名残を惜しんで街のカフェで朝食にする。トルコはパンが非常においしいのである。生地はフランス・パンに良く似ているが、それよりも遥かにもちもちしていて、表はカリッと香ばしい。通りでおっさんがワゴンで売っているものも、そこらのスタンドで労働者がそそくさと食べているものも、今回の旅行中で最もおいしいパンであった。間違いなくフランスやイタリアの普通のパンよりは旨い。彼女が行きつけにしている、ちょっと上品なカフェの朝のパンがこれまた旨かった。その店手作りのもので、未だ中はほんのり温かい。パンに、果物の砂糖漬け・サラダ・ハムと濃いトルコ紅茶の組み合わせが絶品。その後、馴染みの自然食品店で、紅茶やドライ・フルーツなど、重荷にならないトルコ土産選びにまでつきあってくれて、メトロ・バスの駅まで出た。

 

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 Istanbulは夜遊び天国である。中心部の繁華街からは、都心を囲む半環状道路の主要な交差点に向けてシェア・タクシーまたはdolmuşと呼ばれるミニ・バスが走る。半環状道路には、中央に「メトロ・バス」専用レーンがあって、30分間隔で終夜運転している。上の写真はその駅、「D100/ E-5 Karayolu」と呼ばれ自動車専用道路の中央部のメトロ・バス・レーン、まさに日本のニュータウンにある鉄道駅のような構造である。走ってくるのは、二両連結のバスだったりする。その外側に自動車専用の幹線道路、左の側道にdolmuşが客待ちしているのが見える。この駅で、彼女は西に私は東に別れた。バカンスは終わった。彼女は空港へ勤務に発って行き、私は都心へ向かう。最後のフライトは4/12の関西空港行きである。あと4日・・・旅の締めくくりだ。

 

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 一人旅に戻ろう。荷物を担いでメトロバスに乗り込み、メトロに乗り換えてTaksimへ赴く。景色の良いホテルで旅を締めくくりたいと思い、Taksimから西斜面にあたる繁華街の高い建物に的を絞った。結果、海は見えなかったが、まあまあ見晴らしの良い安い部屋を見つけた。ちょうど前の客が出た直後で、清掃に入るところだったのが良く、角部屋のツインだったが、ベッドのひとつが傷んでいるということで、シングル料金にしてくれた。

 

 http://www.asotelbeyoglu.com/

 

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 音楽散策の再開である。観光ルートのIstiklal通りを歩きはじめて出会った若者グループ。ギター・カーヌーンにカホンで、トルコ風「T-Pops」て感じの、伝統的な空気感を残した軽めの演奏であった。左手で低音、右足で高音を出す組み合わせは、ドラマーである私にとっては生理的に無理なところだが、ペダルを使ってカホンと組み合わせるところまでは良く気がついた。誉めてつかわす。もちろんこのあと彼とペダル・カホン談義に花が咲き、良いシンバルを捜していると言うと、Galata塔の脇の坂道を散策するが良いと奨められた。

 

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 Istanbulへ楽器を捜しに行くミュージシャン諸氏に告ぐ。Galata塔の西をGalata橋まで降りてくるGalip Dede通りという急な坂道の両側とちょい裏通りには楽器屋がひしめいている。相場はCairoよりかなり高いが、アラブ系の音楽に使われる楽器は、ほとんど手に入るであろう。質も良いものがきちんと置いてあるし、店員は親切だ。さて、なかでもシンバルを捜しに行かれるドラマー諸氏に告ぐ。この坂の中腹にあるIstanbul MehmetのDrumClubShopを訊ねて行かれるが良い。Istanbul市内の楽器屋はくまなく回ったが、シンバルについて正しい知見を持ち、誠意を持って対応してくれたのはここのスタッフだけであった。

 

 http://www.drumclubshop.com

 http://www.cymbalsfromistanbul.com/

 

 その店で散々に試奏させてもらったあげく、Nostalgiaシリーズの新しいモデルのハイハットを予約した。この新しいモデルは未だ日本には入っておらず、前のモデルの音色とはかなり印象が異なる。デザインもシンプルになり、あのゴテゴテしたロゴやサインはほとんどない。もともとのIstanbulシンバルの良さ、柔らかさ、倍音の豊かさが際立っている。1970年代の頃の暖かみと言おうか。しかし私の欲しかった14インチのハイハットは既に売約済みで、店には15インチの在庫しかなく、15インチでは大きすぎるのである。生産量が限られているので、かなり入手が難しいようだ。

 

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 その夜、Jordi SavallのコンサートがIstanbulの大きなコンベンション・ホールであるLütfi Kırdar Uluslararası Kongreで行われた。TaksimからHotel IntercontinentalのあるCumhyurieti通り沿いにあるきわめてハイソサエティな空気これでもかのエリアである。盛装した客層の中で私が浮きまくったことは言うまでもない。さて、演奏は、前年の2009年に発表された最新アルバム「Istanbul」にクレジットされたHesperion XXIではなく、客演メンバーをも含めた特別オーケストラで、なんといいますかね・・・クラシックの生演奏を聴くことは稀であるので、必ずしも適切に表現できないと思いますが、戸惑いましたですね。もちろん電気的には増幅されてない生音の響きで、真ん中のちょっと前という、結構よい席を確保してくれていたので、音が手に取るように解るし、古楽の世界では大御所であり、日本ではまず見られないものだっただけに、非常にゾクゾクするほど好きな音が真っ正面から突き刺さってくるような感じ。弦の響きがビンビン来た。余韻を壊さないように終演後そのまま帰って寝た。

 

 http://www.jordisavall.es/

 http://www.icec.org/

posted by jakiswede at 01:38| Comment(0) | ザイール・ヤ・バココ第三の旅2010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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