2011年04月19日

20110419 farminhosの今後について

 Farminhos各位

 

 桜の季節も終わり、夏に向けて米と野菜作りが本格化致します。さて、今回はご相談がありまして皆様にお知らせさせていただきます。単刀直入に申し上げます。これまで友達のよしみで私の畑仕事を無償で手伝ってくださり誠に有り難く思っております。しかしながら、これを誠に僭越ながら有料にしようと思うのです。ただでさえ安くない交通費と時間を費やして来ていただいて、ほとんど何のおもてなしも出来ずにお帰し申し上げているにもかかわらず、さらにカネを盗ろうというのです。これについては賛否両論あろう事は重々承知しておりますが、このままでは私の生活も立ち行かず、私の取り組みも広がる余地が生まれません。生活苦の為に仕事を探し、それに忙殺されるうちに農業がおろそかになる事は、誰の目にも明らかです。私が農業に踏みとどまるには、農作業とそれにまつわる生活のあり方そのものに付加価値を付けて、そこに新しい生活様式のあり方を見いだそうと考えている人が、しかるべき対価を支払って体験を共有できるあり方が望ましいと思います。ことほど左様に、機械や薬を使わない手作り農業だけで生活を成り立たせる事は、現在の社会では非常に困難なのであります。

 以下のように企画しました。これについては、私が転身した当初以来ご協力いただいた皆様からの、忌憚のないご意見をお待ち申し上げております。未だ決定したわけではありませんが、下記に述べますように、これからある程度メンバーを募る範囲を広げて参ろうと考えておりますので、新規に情宣する場合から順次適用して参りたいと思います。

 その内容です。会費を設け月額\2,000とします。年間割引価格は\20,000です。入会や退会は自由とします。会費をお支払いくださった会員の皆様には、メーリング・リストあるいはブログによって、農作業や食品加工の予定や詳細をお知らせします。私は最低でも月1回以上、\2,000の月会費に見合う情報量を持ったイベントを行う事とします。会員の皆様は、私の在宅中であれば、事前連絡の上いつ来ていただいても農作業に参加でき、畑から野菜を採ってともに食事をし、屋敷の母屋で寛いでいただけるものとします。ただし採り尽くした場合は、その期間の月会費の徴収を取りやめます。年会費としてお支払いくださった会員の方には、当該期間の月会費を返金します。つまり理念としては、労力の不足分を手伝っていただいているというスタンスから、カネを盗るに見合うだけの内容ある農業にすることで自己研鑽に励み、その姿を見て生活様式の軸足を考え直す機会にしていただこうというものです。

 さて私の取り組んでいる農業のあり方について、少し書いておきたいと思います。私のやり方は、多分奈良の赤目で自然農法の普及を目指しておられる川口氏の提唱しておられる「自然農法」とほとんど同じだと思います。化学物質由来の農薬や肥料はいっさい使わず、害虫の防除は手や足で、雑草は作物の生長を阻害しそうな場合のみ、抜かずに刈り取ってマルチングに使います。作物を収穫するという事は、土の養分を収奪している事に他ならないので、養分の補充という意味で、収穫残滓は出来る限り醗酵腐食させたうえで土に戻しています。具体的には、刈り取った雑草や、稲藁・籾殻・米ヌカなどから完熟堆肥を作っています。あとは、時を観る判断力と集中力です。種を蒔いて水をやれば、作物は育ちます。人の手は、そんなに必要ではありません。この方法で既に5年以上、野菜については継続的に良い結果が出ました。しかし稲の栽培は今年3年目なので、未だなんともいえません。

 そんな私が何故カネを盗るのか、あの日本を代表する自然農法家の川口氏のところでも、数十年の経験に裏付けられた全ての講習が無料で受けられるというのに、何故お前はカネを盗ろうというのだ ?? ごもっともです。上に述べた事だけでは、この会費が妥当なものかどうか、他に判断材料がない。自然農法家の多くの農場は、無料で見学と受講が出来ます。問題は、そこには受講希望者が集まりすぎて、自分で考えて判断して行くだけの十分な農地が確保できない事と、その農法家の考え方を忠実に実践する事が求められているという事実です。農業が簡単なものでない事は確かですが、このような上意下達のやり方では、気候や風土の異なる環境での判断力が培えるとは考えにくい。私のところでは、全てのノウハウは共有財産であり、とにかくまずは広い農地に対して素手と素足で立ち向かう事によって、農作業の現状を知る事にあります。そのうえでさらに探求したければ、いくらでも農地は確保できます。ただ、現状私の近隣の農地は薬漬けになっていて、すぐに安全な農産物が得られる状態にはない。しかし日本全国が同じ状態であって、ここを救済できなければ問題の解決にはならないと思います。これはひとつの取り組みです。カリスマ的な農法家の先生のところで学ばせていただく事も有意義だとは思いますが、都市生活から抜け出した一人の身近な男の取り組みから、新しい生活様式が開けるかもしれないと考えれば、会費は決して高くないと思います。

 イベントは、主に旬の野菜を収穫して調理して食すること、音楽や講演、味噌や漬け物作りなどの講座とします。内容は、主に日本の暦の上の「二十四節気」を順に追って行く事により、伝統的な暮らしのあり方についてともに考えようとするアプローチです。具体的には、二十四節気に合わせて概ね下記のような作業が適期となりますが、実際には天候や曜日によって変わります。また、下記の日付も自体も、暦によって変わります。作付けは、もっと多品種に渡ります。

 

立春 (02/04) 田んぼの天地返し (前日が節分)

雨水 (02/19) キノコ菌打ち・大根炊き・味噌の切返し

啓蟄 (03/06) 田起こし・乾代掻き・イカナゴの釘煮

春分 (03/21) キャベツ他日常野菜種蒔き・味噌の切返し・醤油麹の育成 (03/24春社日・豊穣祈願)

清明 (04/05) ジャガイモの植付け・醤油もろみ漬け・菜の花づくし (04/17春土用)

穀雨 (04/20) 田の補修・畦きり・畦打ち・コシヒカリ浸水・瓜科野菜種蒔き (菜種梅雨)

立夏 (05/06) 田の入水・代掻き・苗代作り・ナス科野菜種蒔き・ソラマメとエンドウ収穫開始 (05/02 八十八夜) 

小満 (05/21) 田の雑草対策・第2回代掻き・晩稲浸水・ジャガイモの土寄せ・イチゴ収穫開始・ハーブ類種蒔き

芒種 (06/06) コシヒカリ田植え・インゲンと丹波の黒豆種蒔き・サツマイモ植え付け・麦収穫 (06/11入梅)

夏至 (06/21) 晩稲田植え・田の除草・丹波の黒豆植付け・青梅シロップ漬け・漬梅とらっきょう下漬け

小暑 (07/07) コシヒカリ中干し・田の除草・ニンニクとジャガイモ収穫 (半夏生・ 07/20夏土用・そろそろ梅雨明け)

大暑 (07/23) 晩稲中干し・梅干し

立秋 (08/07) コシヒカリ出穂・バジルペースト作り

処暑 (08/23) 大根白菜種蒔き・晩稲出穂・赤シソジュース作り

白露 (09/08) コシヒカリ稲刈り・赤米倒伏対策 (09/20秋社日・収穫感謝)

秋分 (09/23) コシヒカリ脱穀・梅ジャム作り・タマネギ種蒔き

寒露 (10/08) ニンニク植付け・丹波の黒豆枝豆とインゲン収穫開始 (10/21秋土用)

霜降 (10/23) 晩稲稲刈り・サツマイモ収穫・冬の日常野菜種蒔き

立冬 (11/07) 晩稲脱穀・田の鋤上げ・麦の浸水

小雪 (11/22) イチゴ植替え・タマネギ植付け・白菜その他浅漬け・麦の種蒔き

大雪 (12/07) エンドウ・ソラマメの植付け

冬至 (12/22) 味噌の漬込み・麦踏み

小寒 (01/05) キノコのホダ木用原木の切出し・山遊び (01/17冬土用)

大寒 (01/20) キムチの漬込み・来年用キムチ薬念醤漬込み・味噌の切返し

 

 また、これに合わせて試験的にGW期間中、芦屋からの六甲山への登山口「高座の滝」前で毎週土日に行われている日替わりマスター制の「六甲山カフェ」にて、7:00-11:00「cafeminhos」を営業します。メニューは以下の通りで、自家製パンと朝がゆが中心です。店で利益を得ようとする事よりも、山に興味ある人たちという、ちょっと都市生活から離れた時間を楽しむ人たちと話す事によって、農作業を中心に据えたライフスタイルを都市生活者に提案しつつ、対価として少しだけお金を頂こう、あわよくばその際に、上に申し上げた会員制の「半農半X」的グループfarminhosへの勧誘をもして行きたい。安全な食品作りというコンセプトに共感できる限定的なメンバーによる小さな経済ネットワークの模索です。そしてゆくゆくは、そういう人たちと組んで、私の住む六甲山北麓で「里カフェ」プロジェクト実現を夢見ています。私にとっては、自分が作った農産物を料理として提供する事が出来、作物の有効利用が図られる他、お客様にとっては、都市から田舎暮らしを始めた独りの男と直に対面して、自給的生活の可能性について考える事が出来る訳です。その費用対効果が対価として妥当なものかどうかは、参加者の判断を待ちたいと思います。GW期間中の結果を見て、私が取り組めそうだと判断し、他の日替わりマスター諸氏の賛同が得られれば、10月頃まで毎週開店する事も考えています。これもまたひとつの取り組みです。

 

「cafeminhos @ 六甲山カフェ」4/29-5/05 7:00-11:00 BGMは中世〜ルネサンス期の古楽

モーニング・セット \400

café espresso \350

café cortado \350

café capuchino \400

café capuchinoモーニング・セット \450

朝がゆセット \400 farminhosコシヒカリと季節の付け合わせ6種

cafeminhos天然酵母パン \100/100g量り売り

farminhosコシヒカリ2010 \250/500g

farminhos丹波の黒豆2010 \500/250g

farminhosドクダミ茶 \100/50g

farminhosスギナ茶 \100/50g

 

 さてこれらの取り組みが上手くいくかいかないかは、カフェでどれだけ上がりが取れるか、皆様からどれだけ会費を盗れるかにかかっています。賛同者が増え、カフェで物販がそれなりに売れて行けば輪が広がり、農業に取り組む人が増えれば農地が荒れて行く事を防ぐ事が出来、安全な米や野菜の収量が増えて、少しずつ第三者に供給する事が出来るようになるかもしれません。そうすれば、大阪にほど近いこの場所が、ユニークな産地になります。自然農法的な考え方ではほとんど手作業で作るので、一人が生み出せる農産物は年間で約5人分です。ここを産地とし、ある程度の供給量を確保しようと思えば、どうしても数十人規模での就農者が必要になります。これをかりに日本全国に拡大するとすれば、国民の5人に一人が就農しなければならない計算になります。そんなことは確かに絵空事ですが、例えば化石燃料が手に入らなくなったとしたら、今の日本の農業は壊滅します。そのときに、たとえ一人5人分でも作り方を知っている人間がいれば、生き延びられる人が増えるのではないか、そこにしか持続可能な生活のあり方の答えは見いだせないという悲痛な想いで、私はこのやり方で一年間持ちこたえてみようと思っています。来シーズン無一文になっていたら、さっさと自分一人でまかないきれる規模に縮小して、バイトに出ざるを得ません。では皆様からのご意見をお待ち申し上げております。

posted by jakiswede at 17:08| Comment(0) | farminhos | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: