2011年07月10日

20110629 阪急3000系の現在

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 なんで毎日こない忙しいんやろ。細かいバイトばっかり増やしすぎたせいや。ひとつのバイトなら連続して決まった日時に仕事があるが、適当な仕事がないので個別の小さい仕事を増やしてしまうと、ひとつが変更になった場合にほかとの融通が難しくなったり余裕がなくなったり効率が悪くなったり二度手間三度手間になったりする。今までじたばたしても仕方がないとふんぞり返っていたのが、いよいよ水底が見えはじめたところへカリーナちゃん救出の大散財をいてこましたもんやさけできる仕事を全部引き請けてたらこんなことになってもた。移動時間ばかり増えて農作業は思うようにはかどらず、絶好の日和の日に限って一日中バイト、それもあっちでちょっとこっちでちょっと、やっと手が空いたと思ったら土砂降りの雨、仕方なく他の用事を片付けはじめると急に晴れ渡り、ならばと思って野良着に着替えるとザァァァッ・・・天気と仕事に振り回されて疲れ果て、食事をする時間もないので弁当を作って移動中の電車の中で食おうと思っても弁当を膝に乗せたまま寝てしまう。乗り換えてから食おうと思っても、座ったら寝てしまうほど疲れていて食う元気がない。仕方なく乗り換えの階段の上り下りやホームで待つ間に立って食っていると流石に怪訝な顔で見られるのだが、時間はないわ腹は減るわで、こればかりは他人目など気にしていられない。ちょっと食っては走り、走っては食う毎日である。

 さて今日は、久しぶりに流通業界からの仕事の依頼でメーカーとの打ち合わせである。スーツ着用の面接であって、それでも梅を早く処理してしまわんと傷むから早起きしてそれやって、ほかに片付けとかんなん作業もあって直前まで泥だらけであったので、弁当を作ってJRから阪急に乗り換える陸橋を走りながら弁当をかき込んでいたのであるが、ふと駆け上がると、阪急電車はええのう !! やっぱり阪急電車はええ。なにがええというて品格やね。こんな上品な電車世界中旅したけどないよホンマ。阪急沿線のおハイソな山の手に生まれ育ったボクとしては、やっぱりこの品格が最も相応しいね。今日は面接の前に2時間ほど時間が空いたので、お芦屋のサロンで髪の毛を切ってもらって、その足で大阪へ出て面接をすませてからさらにバイトが2件続くのである。お芦屋のサロンは結構とんがった店なのだが、担当してくれている子が三田の店にいたのを芦屋の店に替わったので追いかけた訳であるが、ボクみたいな洗練された孤高の詩人をおもしろがって、いろいろと遊んでくれるのである。いまのところ髪をのばしたいだけ伸ばしておいて、やがてワンレンのリリカルでバイ・セクシャルなキモ中年不良親父を演出してくれるらしい。歳とともに巻きが強くなる天然パーマの流れを上手く生かしてスタイルを作ってくれて、なおかつ陳腐に堕さないところが良い。

 それにしても阪急電車はええのう !! 阪急電車の3000系と3100系は、1964年に登場した通勤型量産車で、ボクの幼稚園時代「新車」と呼び習わしていて、ひとつ前の2000系・2100系の重々しさとは一風変わった軽やかさを放っていた。その後冷房化・表示幕取り付けと改造が進んで原型の良さは失われてしまったが、幼稚園に通っていた頃に試運転で清荒神の駅に停車した車両が、いまでも8輌編成で神戸本戦で現役で走っているのを見ると不思議にうれしくなる。それは3003を下り先頭とする編成で、もちろん増結によって中身は入れ替わってはいるが、今でも特急運用に就いているのを見かける。さてこの3058Fの編成は阪急電車では絶滅寸前、今津線では唯一の非表示幕編成であって、車齢としてはこれより古い京都線の2300系の残存7輌x4編成が表示幕改造されて残っていることから見ても、次に廃車される可能性の最も高い編成であると言える。この角度から見ると、ほぼ原型のままの姿を見届けることができる。

 地元宝塚を走っていたこともあり、ボクは阪急電車というと、この3000系と3100系に特に思い入れが深い。その非表示幕車両は、いまでは混成されて今津線・伊丹線・箕面線に残っているが、伊丹線と箕面線は全て4輌編成で、伊丹線の1編成を除いて全て非表示幕車両であり、なかでも3159Fの下り側先頭車3109は、阪神淡路大震災のときに伊丹駅で被災した3109の代わりに、震災で落橋した国道171号線の跨道橋に危うく押しつぶされかけた今津線の3072Fから3022を抜いて3100系に電装変更して改番して急場をしのいだものである。で、6輌編成の真ん中を抜かれた3072Fには、やはりこれも急場しのぎに、当時解体寸前の中間電動車なんと2842を充てて異彩を放ったのだが、何年かして2000系の中間付随車2171号車が3000系に電装変更されて2代目の3022となり、完全な中間付随車を種車とする3000系の制御車の番号をもつ車両が現れた。つまり、阪急電車の3000系以降の番号系列では、百の位が5未満のものは運転台付きの制御車、5以上のものは中間車、十の位が5未満のものは電動車、5以上のものは付随車という鉄則がある。しかしこの2代目の3022には運転台がなく、この鉄則に反するため、変わり種としてボクのような鉄道少年の胸をときめかせるのである。しかもこの3072Fは、制御車以外は旧の2000系の中間付随車で編成された寄せ集め的なものであったので、6輌編成中3両までが元2000系、しかも一輌が変わり種ていう鉄道ファンに取っては垂涎の的であったのだ。もちろん当時の私は生活の再建にそれこそ忙殺されていてまったく今を上回る忙しさであって、ほとんど3人のボクが同時に複数の場所で走り回っていたほどであったので、この変遷に胸をときめかせながらも、その姿を写真に収める余裕などは全然なかった。辛くも難を逃れたこの2編成のうち、3072Fはたしか2008年頃に廃車されたのに対して、3159Fは今も現役で伊丹線を走っている。これも震災の生き証人である。

 震災のごたごたのうちに姿を消してしまって写真を取り損ねた最も無念なものは、なんといっても2800系であって・・・あかん、きりがないからやめとこ。しかしこれだけは書いておきたいのだ。実はこの2800系は編成が消滅したあとも2305Fとして2300系に組み込まれて3両だけ生き残っていて、その編成は、2305-2831-2377=2327-2841-2885-2378と、恰も3000系以降の編成の鉄則を守ったかのような遊び心のあふれるものであり、やはり当時の鉄道ファンの胸をきゅんと締め付けたのであるが、実はあまり話題にならないがこの2800系は、阪急京都線の特急専用車が、京阪の3000系テレビ・カーや、国鉄の急行専用車が設備そのままで格下げされた新快速と比べて遜色が著しくなったために、新設計の6300系に置き換わりはじめた当初から、余剰車輌は分割されて5000系や5200系に組み込まれ、神戸線と今津線を走っていたのである。特急専用車として華々しくデビューした2800系は、ボクの子供の頃の憧れの的だった。月に一度、母に連れられて大阪へ買い物に行くことがあり、その際に梅田ー十三間の三複線に行き交うたくさんの電車を見るのが大好きだった。まだ木造車輌が多く残る時代、2800系の京都線特急は最も輝かしい存在だった。その2800系は、しかし特急運用された期間は意外に短く、5年から15年であった。その後2800系は3扉のロング・シートに改造されて、普通から急行への運用に使われたが、分割され余剰となったものは他線へ出たり解体されたりした。もともと2扉クロス・シートで設計された車輌であり、特急専用車という性格上累積走行距離が格段に長く、早くから車輌の傷みが出たため改造も行われずに、1995年までに上の2305Fに組み込まれた3輌を残して順次廃車、その3輌も2001年に廃車になった。同時期に製造された2300系が現在でも保守され運用されているのとは全く対照的で、悲運な系列といえる。いまでもときどき1970年代頃の京都線を行き交う2800系特急の映像などを見ると涙が出るのである。

 さて廃車といえば、3000系と3100系は、京都線に残った2300系の次に順番がくるであろう。神戸線の5000系は改装されてデザインも一新された。ボクは大嫌いだが、6000系以降のあの白いおかっぱ頭になってもた。品格を欠く色使いである。残された品格ある3000系と3100系のなかでも、3050Fすなわちトップ・ナンバーの3000を含む6輌編成が今津線に残っているなど、竣工当初の車輌が今も編成として残ってはいるものの、支線運用のものは、上にも述べたように両系列が混成されている。本線運用は全て3000系主体の8輌編成で、神戸線に2本、宝塚線に5本残っている。そのうち宝塚線に残る3066Fは、後ろから2輌目に現存する唯一の2000系車輌である2093が組み込まれていて、これは実は元々宝塚専線用の2100系の付随車で、それを神戸線にも使えるようにしたときに改番されて・・・やめとこもう時間ない。要するに何が言いたいかというと、わが心の3000系と3100系は、付随していた2000系などとともに4編成が廃車になって、そのうち1編成は能勢電に譲渡されて3120Fになっている。能勢電へ行けば、往年の2000系の独特のモーター音や窓枠処理などを見聞できるということが言いたかったのよ。


posted by jakiswede at 23:09| Comment(0) | 鉄道少年の夢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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