2011年10月27日

20111001 吉備真備

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 人に喚ばれて岡山まで日帰りの小旅行である。トコトコと電車で行く。最寄り駅は、神戸電鉄の道場南口駅である。やって来た電車は、古き良き関西の私鉄の面影を色濃く残す1100系であった。好きなんよね、この雰囲気。


 


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 窓の感じも、今風に言うとレトロであり、風景も極めて農村。かつて阪急電車の3058Fが次に廃車になる候補だろうと書いたことがあったが、その通り9月に廃車になってしまった。そういうスケジュールを事前に知っているファンもいて、多く写真や動画におさめて記録に残してくれているのはありがたいことですな。なかでもあの車輌の雰囲気を正しく伝えているサイトがあったので、ひとつご紹介しておきたい。


 


 http://blog.goo.ne.jp/bussa100/e/80039da012676d732a448da48b61812c


 


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 で、旅の方は谷上で神戸市営地下鉄に乗り込み、新幹線で岡山へ・・・時間があればローカル線で参りたいところだったが、地球に優しいスロー・ライフは、ニンゲンにとっては過酷な過密スケジュールを強いられるのである。


 


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 岡山駅で目にした、京阪神では珍しくなった所謂「東海型」、114-115系の瀬戸内ー広島地区仕様の3000-3500番台ですな。この辺の車輌は膨大に量産された上に、長寿命の間に地域の特色に応じて改造されているので、系統を追いかけるのはマニアにまかせときますわ。好きなんですけどね・・・


 


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 そして伯備線のホームへ行ってびっくり。キハ40系が今も現役で国鉄色を纏っているではないか !! 見よこの質実剛健たるゆゆしき勇姿。チビルほどかっこええですね。みなもの全てが軽く優しいデザインに満たされて行く中、動くもの、機械というものは本来武骨であって、それを人間が動かすことは手強く危険なものというあり方が外面にまでにじみ出ている。オートマチックで扱いやすくて安全装置に守られた機械に囲まれていると、その機械を扱う人の危機意識の方が退化してしまって、ちょっとミスしたら気づかぬままにいきなり地獄に叩き込まれてる・・・なんてことが往々にしてありませんかね。スピード感の感じられない快適な車に乗っていると、事故が起こる予感が鈍ってしまって、しかし事故は起こりうるから、起きたときにとんでもない現実に叩き込まれる。それも予期せず突然に。しかし私のように危うい車を操っていると、常に危機意識を持って運転しているから、起こるかもしれない事故を予知する感覚は研ぎすまされて、結果的に事故は起こりにくくなる。国やメーカーにとっては、こんな儲からない考え方よりも、運転者を迷妄のぬるま湯に浸けておいて、付加価値でつり上げた車を売りつけ、自己の責任はユーザーに押し付けた方が、多少の人命は犠牲になったとしても、トータル・バランスとして経済効果が期待出来る。ことほど左様に、今の工業製品は、だいたいそのような考え方で製造されているから、なんか常にままならぬものに騙されているような感じがして、ときめく魅力というものが感じられないのでしょうな。


 


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 日本のローカル線の旅はええのう。ちょうど下校時間帯で、地方へ行くほど都会志向に過激な風貌を強調する高校生の男女がね、縄張りはってにらみ合いながら電車を待ってたり、その緊張感を維持しつつ一定の距離をとりながら、乗り込んで来たり足広げたりたむろしたりしよんのね。でもね、ワンマン車輌の出入り口ひとつんとこツッパリ合って出入りすんのも毎日大変なことやろなあ、心中お察し申し上げますわ。ご苦労はんなこって・・・


 


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 総社の街には古い街道が通っていて、岡山から備中高梁へ至る「松山街道」という。総社は古来より穀倉地帯である吉備の国の領有を巡ってイロイロあって・・・、まあそんなことはよいのだが、特に私の本家のある周辺は古い町並みがよく保存されていて、なかでも異彩を放つこの建物は「まちかど郷土館」という明治洋風建築で、国の登録有形文化財になっている。


 


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 ここは備中の薬売りの里であり、私の家の家系も、一説によると伊丹の居城を追われて散り散りになった後、岡山に隠れ住んだうちの一派が糊口をしのぐために薬売りに身を転じ、後に仕官して専門家としてテクノクラートの仲間入りをしたとのことである。我が家はその岡山一家の中の傍系であろうと思われるが、一族に医療関係者が多いのは、この流れを汲んだものかもしれぬ。またこの地方は良いイグサの産地であって、館内にはその栽培方法や加工の実際を機械とともに展示してある。


 


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 その異国情緒に溢れたサロンから街道の西を望むと、どん突きに見える茶色い瓦の家が本家、かつての「伊丹醫院」であって、その職を継いだ者はいないが、私を含め従兄弟たちには独特の職人気質が今も受け継がれている。


 


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 ご近所さんのほとんどはしもた屋空き家、あるところはこのように若い人が移り住んで楽しいこともやっちょるみたいやけん、ちょっとは遊んでくれるかもしれん。


 


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 吉備といえば備中国分寺、総社へ里帰りすればこの風景を見ずにはおられない。街道から外れれば、延々と農地が続くのである。私も、農地や道具が確保出来さえすれば、自由気侭に作らせてもらえることを条件にこちらへ移住しても良いかなと思いつつ・・・あ・・・喚ばれた用件ね・・・コレですわ・・・


 


 http://blog.omolabo.com/?eid=131


 


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posted by jakiswede at 08:07| Comment(0) | 鉄道少年の夢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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