2011年11月14日

20111108 バジル・ペースト作り

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 さて麦の種子を水に浸している間に、先週延期した最後のバジル摘みとペースト作りをする。花が盛んになって香りは最盛期を過ぎているが、枯れ落ちた枝の代わりに腋芽も伸びはじめており、それらは初々しい葉をつけている。これをいただく。バジル・ペースト・・・呼び方はいろいろあるようだし、レシピも様々であるが、私はイタリアを旅したときの印象をもとに味をみながら作っているので、計量という事をしたことがない。バジルの葉は、品種や年によって、また同じ株でも時期によって香りの強さが異なるし、使うオリーブ・オイルやチーズの味も全く異なるので、自分の舌で確かめるより他にない。南イタリアから地中海沿いを北上し、ままならぬローカル列車の乗り継ぎの合間に空腹を満たす貧乏旅行中に、道ばたで売られていたピザやパスタに絡み付いていたソースの味をもとにしている訳なので、本格的な味であるはずがない。しかし私は、この味がないと生きてゆけない。インディカ米や羊の肉と同様に・・・


 


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 30cmほどの大きなザルにふたつばかり、だいたいの目安であるが、これにニンニク半株分位、生松の実80g弱、Parmigiano Reggianoというイタリアのチーズ100g程度、Extra Virgin Olive Oil 500ml程度、塩大さじ2程度を使う。もちろん味をみながらであるので、これは大まかな目安であって、しかも少し多めに見積もってある。余るのは良いが、足りないのは良くないので、作る人は多めに用意されるが良い。100cc程度の保存瓶5本程度も忘れずに。


 


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 生松の実は煎る。そして必ず常温まで放冷しておく。バジル・ペーストに熱は絶対禁物である。


 


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 バジルの葉は拭く。私は洗わない。せっかくの香りが飛ぶし、水気はチーズを多く含んだペーストを傷めるし、洗った葉を拭ききれるものではないからである。このとき汚れた葉や虫や雑草や土などを、細心の注意を払って取り除く。


 


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 ニンニクとチーズを掏り下ろし、分量の塩や冷えた松の実、オリーブ・オイルを並べて用意する。要するにこれらをミキサーにかけて、味をみながら程よいペースト状になれば良いのである。では「ほどよい」とはどういう状態であるか ?? そこがすべてである。日本で市販されているものや、「イタ飯屋」とやらで出て来るものは、ほとんど日本人の味覚に合わせてあるから、全てが眠たくてやってられない。本場Genova Principeの駅前の一本裏通りにあったしけたピザ屋のGenoveseなんやらいうたピザにかかっていた濃い緑色のドロドロは強烈であった。がつんと来てツーンと抜けてどろっと残る。それが極薄のピザ生地に・・・うううっ、たまらんで。私の目指す「ほどよい」はそこにあるので、上の分量を調合すると、そこらのニホンジンにはエグ過ぎて食えんかも知れん。そない大量に食べるもんでないのでこれでええのよ。仁丹を腹一杯食うひとはおらんでしょ ?? 


 


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 上の半量を入れた段階でこの程度になる。たったこれだけの嵩になる。私の経験上、チーズとオリーブ・オイルを先に入れてミキシングしてしまうと、マヨネーズ化してミキサーの刃の切っ先が鈍り、後から入れるバジルの葉がなかなか破砕されない。さきにも言うたようにバジルに熱は厳禁なので、ミキシングも手早く済ませる必要がある。この点だけは要注意。この間に保存瓶を煮沸消毒し、放冷しておく。味としては、バジルの香りがむわぁぁぁっ、ニンニクがガツーン、オリーブ・オイルがネバァぁぁっ、松の実がどしーん・・・それに塩っ気がしっかり対峙している感じが良い。油が多いンとちゃうかて ?? 多いですよ。瓶の上に油の層がしっかり被って、それで中のペーストを空気から遮断するんですもん。常温で置いた場合、その表面に白カビが浮くのは当たり前。それを削り捨てて中身を食べるのです。塩っ気が多すぎるて ?? 多いですよ。パスタやボッキーニの素揚げにつけ合わせる場合、ほんのちょっとで効くのが良い。あんまりドロドロさせるもんとちゃいまっせ。醤油をごくごく飲む人おらんでしょ ?? 使う量で加減するもんです。今年はバジルの穫り遅れで、大小併せて15本程度しか出来ませんでした。ちょっとだけ売るけど、上の通り元手がかかってるので、\1,000/100cc、\2,000/250ccです。高いよ。完全消毒出来るもんとちゃうから、品質保証は出来ません。NC/NRでお願いします。


 


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posted by jakiswede at 00:12| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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