麦の栽培の目的は、自家製小麦によるパン作りである。酵母については、冬中エロエロ・・・失礼、いろいろ試した結果、最もオーソドックスな干しブドウから起こす事に落ち着いた。玄麦の掃除も出来たので、いよいよこれを粉に挽いてパンを焼いてみる。製粉機については、これもエロエロ・・・しつこいな、いろいろ悩んだあげく、日本製の鉄の臼のものではなく、セラミックの臼を持つドイツ製にした。私が全幅の信頼を置いているパン職人で過激派の「アルムリーノ」のおっさん曰く、金属臼はカネっ気が出て臭うて食えんらしいので、これを信用して最も安い代理店を見つけて購入した。
最近は野菜も多く採れるので、もっぱら手間のかからないタジンである。パン用酵母は、オイル・コーティングされていない干しぶどう100gに対して、グラニュ糖50g、ぬるま湯200gをよく撹拌して30℃程度で保温し、毎日2回ずつ撹拌しながら様子を見て、全体が泡に包まれそうになった頃に、溶液を搾り取って冷蔵保存する。
醗酵を待つ間、収穫物の掃除をする。これはコリアンダーの実。パン生地と酵母の配合割合は、だいたい10対1、私の場合の水分の割合は、ベイカーズ・パーセンテージすなわちパン生地に対して約72%としている。醗酵時間は塩分濃度にもよるが、30℃の室温で約16時間を要する。この間、生地を合わせた直後と8時間後くらいに、様子を見つつ生地を何重にも畳み込んで引き伸ばし、重ねて空気を抜き、全体が絶頂期を迎えたあとわずかにへこみはじめる頃を見計らって整形して焼成している。温度は200℃、時間は25分である。
ちょっとブレてしまった。向こうの白いものが市販の小麦粉によるちょっと粗い目に仕上げた生地、タジンやシチューのスープによく合う。そして手前がこのたび収穫した玄麦を丸ごと挽いた全粒粉100%のパンである。やはり市販のものとは全然違う。まず味は穀物の力強さが感じられ、これを食えば力がわいて来そうに感じられるほどである。香りは強い麦の香りがする。これは挽きたてだからであろうか・・・さて、この間エロエロ・・・もうええて、いろいろ調べてわかった事だが、まず、小麦粉というものは、挽きたてではなく1ヶ月ほど寝かしてから使うものだという意外な自室である。おっさん曰く、ふくらみ加減が全然違うらしい。まあ1ヶ月後のcafeminhosに期待しといてもらおか。それから食してみてわかる事は、玄麦のゴミそうじの際、完全には土塊を除去出来ておらず・・・というかかなり残っていて、時折明らかな鉱物の匂いとともにじゃりじゃりと不快な歯ごたえを感じる。やはり土塊も一緒に粉になってしまうのである。ううむ・・・これは難題。それから、玄麦を掃除し終えて重量を量ってみると、約3畝から収穫出来た玄麦が、約15kgである。これを製粉して仮にふすまを取り除いたとすると、歩留まりが約60%といわれているので、たったの9kgの小麦粉になる。上の写真のパンを作るのに300gの粉を要するので、都合30個分、私は自家消費とcafeminhosで週に4個、1.2kgの小麦粉を使うから、2ヶ月で底をつくことになる。いやあちょっと少ないですな。これを1年分作ろうと思ったら、この6倍すなわち2反弱の麦畑が必要になり、栽培はまあなんとかなるとして、収穫してからの作業が田植えの準備期と重なり、特に干す場所の確保、貯蔵場所の確保が大きな問題として残る。・・・ううむ・・・ううむ・・・
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