「大谷茶屋」のモーニング営業でお出ししている手作りパンについて説明しよう。私は自家製小麦粉による手作りパンをお出しする事を目指しているのであるが、パン用小麦粉という物は挽きたてではなく、実は1ヶ月以上寝かせるのがよいそうなので、現在お出ししている手作りパンは、一部のみ自家製小麦粉で仕込んでおります。まずは玄麦の掃除から・・・一粒一粒目で確認するしかありません。
これを製粉機で挽きます。
この製粉機はドイツ製で、セラミックの石臼、非常に精密、手入れも簡単である。知り合いのパン工房のおっさんの話によると、日本製の金属臼の物は農機具メーカーが作っていて、凡そ食文化の異なるパンやケーキには向かないそうなので、悩まずにその話を信用した。
もちろん玄麦全部を挽くのだから、ふすまも混じって出てくる。これを篩で取り除く。
干しブドウから起こした酵母である。干しぶどうは、オイルコーティングされていない物を必ず用い、ぶどう : グラニュ糖 : ぬるま湯 = 1 : 0.5 : 2 の割合で混ぜ、毎日朝夕撹拌して泡立ちを観察し、全体が浮いて来て泡に包まれた頃を目安として、最終的にはにおいで判断する。アルコール発酵が始まる直前を見極める。もちろん見極めるには、一度は度を超さなくてはならない。
自家製小麦の含有量の異なる3つのパン生地を仕込んでみる。実験であるので、シンプルに粉と酵母と塩だけのパンである。
生地300gに対して酵母20ccを含んだぬるま湯225ccが私の基本的な水加減である。
これをざっくり合わせて、しばらく木ジャクシで切ったり搗いたり回したりして混ぜて、全体が一体化したらボウルに入れてラップし、しばらく置く。この「置く」ということを教わったのは、さきのウズベキスタン旅行であった。サマルカンドのとある小さなナン工房で、生地をこねてから焼くまでの過程をつぶさに見せてもらっているときに、水加減をしてから、普通はこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねてこねまわすのを、「置いて」いるのを訝しく思ったので訊いてみると、なかの英語の出来る若いのが、「いやいや触るな置いておけ」と言うのである。
30分も置いておくと、このように生地全体がじわっとなめらかになってくる。
そこで、カードでこのように生地を一方の端から他方の端へ引き伸ばす。ボウルを回しながら全方向まんべんなく3回転ほど同じ動作で引き延ばす。そしてまた「置く」のである。
現在夏場なので、30℃の室温で14時間程度醗酵させる。写真を撮り忘れたが、これを先と同じ動作で引き延ばしてみると、粗い気泡の入った生地が形成されている。
まな板にとって成形する。打ち粉をして全体を引き延ばし、3等分にたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでたたみつつ丸く成形する。これもウズベキスタンの別のナン工房で焼く前に生地をたたんでたたんでたたんでたたんでたたんでいるのを見て思いついたアイディアである。
これをクッキング・ペーパーに乗せてボウルに入れてラップし、1時間醗酵させる。
焼成の直前に、茶こしで粉をまんべんなく振りかけ、様々なアイディアを授けてくれたウズベキスタンに敬意を表して、ナンの真ん中に押す型押しでクープを入れる。型押しにも必ず粉をつけておかないと、水分の多い生地なので生地がへばりつく。
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