今日は、神戸市役所に農業委員会を訪ねて行ってきた。亀岡市農業委員会で、農地を何らかの形で使用したいのであれば、先ず現住地できちんとした農業経営が出来ている事を証明してもらい、農家として登録した上で、その資格を持って相談に来てもらえれば、我々としても耕作放棄地を抱えている農家と折衝しやすいのだが・・・とアドバイスされたからである。もっともだ。私が現在管理している広さは1反5畝。農地法でいう農地取得の「下限面積」の5反に届かないにしても、それを手作りで管理出来ている事だけでも証明してくれれば、棚田を持て余している農家に対してなら説得材料になるかも知れない。ものは相談である。成るか成らぬかは為してみなければわからん。ところが、神戸市農業委員会で相談を進めていて驚いた。なんと、2009年には、農地法の定める「下限面積」が、5反から1反に引き下げられていたからである。なんだ、1反が管理出来ていれば、農家として認証してもらえるではないか、しかも、既に家主の元で7年以上耕作し、機械も殆ど使わず農薬と化学肥料は全く使わない状態で、収穫量はそれらを多用する家主を凌いでいる。つまりこのことは、認証の条件である「実務経験」を充分にクリアしている事になる。
http://www.city.kobe.lg.jp/information/committee/industry/agriculture/sub1.html
これはどういう事かというと、私は現在、農地法の枠外で勝手に、いわば違法に農地を使用して収穫を得、それを加工するなどして収益を上げているのである。微々たるものだけれども、法律というものは収益の大きさを問うていないから、厳密には違法である。それがわかっているから、家主も私も「お手伝い」とか「管理人」とかいってごまかしているわけである。行政の方も、別に迷惑行為を行っていない限りは黙認の構えであったはずだ。なぜなら10年前、私がここへ移住してきた当初は、正式に「農地」を借りようと思えば5反を耕作しなければならないという制度であったから、当然、機械・農薬・化学肥料を使う「農場経営」でなければ耕作すら出来ない。どこで訊いても同じ説明であり、従って君のように手作りで・・・なんてのは「貸し農園」でも借りてちまちまやんなさい、という制度で、いくら安全な食品の重要性などを説いても「ままごと」としか受け取ってもらえなかった。つまり相手にされなかったのである。だから仕方なく、今の家主に出会ったとき、双方合意の上で、農地については「暗黙の貸し借り」をし、この屋敷に住まう事については、売買や賃貸は農地法の制限により、私には資格がないから「住み込みの管理人」という事でお茶を濁さざるを得なかったのである。
もちろん2009年に施行された「改正農地法」については詳細に調べたつもりである。しかし、私はそれを農協に訊ねたのであった。その時受けた説明では、改正農地法で農地取得の下限面積が緩和されたのは、いわば「限界集落」に近い僻地の話であって、兵庫県南部地域には適用されていないというものだったと記憶する。しかしそれは間違っていた。農協という組織は、良く考えてみたら行政機関ではなく、いわば旧来の農家の既得権益の保全を図ろうとする組織であるから、それを危うくしかねない「改正」については、消極的な対応になる事は、今から思えば想像に難くない。日本はれっきとした法治国家であるとはいいながら、農業を取り巻く組織というものは、このように論理的に物事が動かない。私は、別に農地を買い取る意思もなく、家を買う予算もなかったので、暗黙であれ現状維持出来れば問題なしとして、それ以上深く考えなかったのだが、それはちょっと甘かった。そして3年ほどが過ぎた。
http://jakiswede.seesaa.net/article/305245991.html
この記事をご記憶の方もあろう。そうなのだ。農地法の定める「下限面積」が、5反から1反に引き下げられていたのであれば、何故私は農業委員会から行政指導を受けて「farminhos」の看板を下ろさざるを得なかったのか ?? これについて率直に訪ねてみて、また驚いた。とんでもなく驚いた。このエピソードは「farminhos」に関係する事なので、事実関係は別に述べようと思うのだが、要するに、結果として、そんな「行政指導」を、農業委員会として行なった事実がなかったのである。なんということだ。私は認証農家となるための書類をもらい、手続きの進め方を詳細に確認して市役所を出た。
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