ここ数日、急に暖かくなったので、周りの農家ではそろそろ「田起し」にかかっている。これは昨秋に稲刈りの済んだままにしてあった田んぼの土を耕して空気を入れ、活性化させる目的で行われている。「啓蟄」の声を聞いたら田んぼを起せていわれている。でも今年は私は不耕起に取り組んでみる・・・というか、ちょっとマジでカネ稼がんとヤバい状態なもんで、半分手抜きを目論んで「自然農法」に転換 (^^;
やっぱし京都はええのう !! 「田起し」に忙しい近隣農家を尻目に、私は京都へ来た。なぜというに、京都府の新規就農者の定住促進事業の説明会があるからだ。この冬は、ゆっくり閉じこもって思索に耽るはずだったのが、全く予期せぬ立ち退きの打診という事態となって、あわてて田舎暮らし情報をあさってみたり、新規就農者の移住説明会に並んでみたりしているのであるが、回を重ねるごとにエロエロ・・・失礼、いろいろな事がわかってきた。
新規就農希望者説明会は、集団就職の面接会のようでもあり、新商品発表展示商談会のようでもある。ブースの中にいるのが農業法人である場合、その前に座る私は就職面接を受ける「失業者」の立場となり、地方自治体の「Iターン」定住促進担当者の場合は、こちらは「お客様」の立場になる。農業法人の話はだいたいどれも同じである。その法人が主力とする作物の栽培から流通までを一貫して研修し、即戦力として働くかわりに、待遇としてはこれこれこういうことになっている・・・と。一方、地方自治体の場合は、そこが抱える集落の過疎化の度合いや限界度の深刻さに応じて対応が分かれてくる。つまり、「まだいける」と思っている自治体は、「体験農場」と「農家民泊」がセットになった「エコ・ツアー」に力を入れていて、定住促進の話はしない。要するに、カネは落として行って欲しいが、地域の中に入られては困るという思惑が見える。それが都市部から離れた地域になればなるほど、そんな悠長な事も言ってられなくなり、定住促進の話に熱意と具体性が加わってくる。辺境まで行くと、国が支援している「青年就農給付金」制度の年齢制限を独自予算で拡張しているところもある。
この制度については、説明会で国の担当者から概要を聞いて大変驚いた。昨年の秋から始まったらしいのだが、なんと、農業をしたいという意思表示さえあって、種々の条件さえ整えば、就農して定着し軌道に乗るまでの足掛け7年間、毎年150万円ずつ、合計1,050万円も「くれる」のだ。なんと、私は、田舎暮らしを決意して方々で百姓に騙された揚句、ようやくこの地に定住して足掛け7年で、ほぼ1,000万円を使い尽くした。それを「くれる」のだ。「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ。なんということだ。「くれる」のだよ。しかし、もちろんこれには厳しい条件が付けられていて、特に決定的なのは「青年」の二文字ですな。すなわち原則45歳未満。ええか45歳未満の諸君、国の気が変わらんうちに「農業したいんです!! 」と大声で叫べ。ほな、い・・・いっせんまんえんも・・・ええか、い・・・いっせんまんえんやぞ、い・・・いっせんまんえんも、「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ「くれる」のだ。「くれる」のだよ君。こんなええ話がありますかいな「くれる」んでっせ。流石に52歳をサバ読んで45歳にするわけいかんけ、もうちょい辺鄙な方へ行って訊ねてみると、年齢制限を自治体の予算で緩和している。「概ね50歳」ほっほう・・・「概ね・・・てどんなけ幅あんの ?? 」「プラス 1 歳です」「52歳なんですけど」「残念ですが・・・」「どうしても ?? 」「申し訳ございません」・・・
あのな、その、い・・・いっせんまんえんがあってみいや。わしに遣わしたらお前、先の記事の写真のような上品なログ・ハウス建ててやな、棚田で自然農法展開して思う存分に米や麦や野菜を作ってやな、それを加工してパンにしたり、漬物・味噌・醤油・バジルペーストやさまざまな乾物が生産出来るんや。それでもって家からは毎日上品なブラジル音楽とか、威勢のええアフリカ音楽とかが集落に鳴り響いてやな、さらにたくさんの楽器があるから人が集ってそこに文化の花が開いて、その、なんぼやて ?? い・・・いっせんまんか ?? い・・・いっせんまんがお前、ただのいっせんまん以上の効果となって地域を潤すことになるやろう。それがわからんかな、アンタらシトを見る目がないね。かわいそうに。
まあそんなことで、とりあえず制度の支援を受けて移住出来る可能性というものは、ほとんどないものと思い知らされましたのでした。
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