某エスニック・ショップで、インド製の14インチのチューニングも出来るフレーム・ドラムが安く売られていたので、これを買ってきてタンバリンに改造することにした。なんとなれば、市販のタンバリンはほとんど10インチ止まりで小さいので、低く伸びる音が出るものは皆無に近い。しかも、真鍮製のダークなトーンのジングルを持つものとなると、おそらく一点ものの手作り楽器を大枚はたいて買うか、現地に飛んで捜すしかないであろう。水飲み百姓はなんでも作るに越したことはない。今回のものは、ダブル・ジングルの本格的な大型タンバリンである。台風による大雨で避難勧告まで出ていたのだが、昼過ぎには晴れてきた。
フレームの加工は前回と同じ要領だが、フレームの厚みが7センチもあるので、片手で持ちやすいように切り込みを入れた。
ジングルの作り方についてもう少し詳しくという声があったので説明する。手作りであるので、仕上がりのばらつきを楽しむくらいの気持でやるのが良い。コンパスの円に対して慎重に鋏を入れていけば、ぱっと見て違和感のない程度の円形には仕上がる。また、真円にこだわって切ったとしても、ハンマリングを入れる際に崩れるので意味がない。先ず、私はこれをシンバルのカップの裏に貼り付けて軽く叩いて曲面を出し、中心をワインの瓶の口において、ドラム・スティックの尻の丸い部分で叩いてカップを出した。その上で、エッジを凸面の側から叩いて反りを出していったのである。もちろんシンバルの裏やワインの口でなくても、有り合わせの道具や材料で加工すれば良い。
14インチであるので、かなり深い伸びのある低音が出る。ヘッドやリングや金具の形状は、パンデイロと同じなので、14インチの枠付き羊皮ヘッドがそのまま使える。
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