2013年12月08日

20131014 森のめぐみ

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 毎年楽しみにしている「フルグラ・森のめぐみ」が今年は発売されなかった。この件についてのプレスリリースはなかったようだが、カルビーのサイトを見ても「森のめぐみ」はないので、どうやら発売中止らしい。「森のめぐみ」は、「フルグラ」の秋から冬にかけて販売される季節商品である・・・いや、であった。季節商品にはこの他に、春から夏にかけて販売される「南国トロピカル」があった。写真のものは今年の春に、「南国トロピカル」が配荷されはじめたときに流通在庫として残っていたものを買い集めたもので、もう賞味期限は切れている。しかし、これが最後の一袋・・・カルビーも早まったものだ。シリアル市場は、今や「グラノラ戦争」と呼ばれ、カルビーは日本の加工食品メーカーとしては、閃光のような商品を開発した。それまで私の味覚に合ったシリアルがなく、カルフールが輸入したフランス製のオーガニックなグラノラが辛うじてユーラシアの麦の香りを届けてくれていたが、この「グラノラ」は、それを遙かに凌駕した。もちろん定番の「フルーツ・グラノラ」は、まだ日本人の舌に阿ったところがある。しかし「森のめぐみ」は、そこへメープル・シロップを加えることで一線を超えた。一方、「南国トロピカル」は、ココナッツ風味を効かせることで、反対方向への一線を超えた。これらの季節商品は、発売当初は表記通り「期間限定」であったが、やがて売れ行きが伸びるとともに、半年ずつどちらかが通年存在するようになった。各社、「グラノラ戦争」に乗り遅れまいと、新商品を投入してきたが、いずれも切先が鈍かったり脇が甘かったり大衆に迎合したりしていて、カルビーの敵ではなかった。この3商品は、シリアルの本家「ケロッグ」なみに高かったが、それでも良く売れた。それは、3種類のバリエイションがあってこその売れ行きだった。今年、たぶんなんの予告もなく、カルビーは商品を一本化した。おそらくはコスト削減のためだろう。しかし主役というものは、名脇役があってこそ引き立つのである。カルビーが「フルグラ」を一本化したことにより、バリエイションを楽しんでいた顧客は失望し、他の商品を試すだろう。しかしそこに満足はない。人は「フルグラ」を食べなければ死ぬわけではないから、彼らは他の味覚を求めて離れていくだろう。また、別の顧客は「フルグラ」だけでは飽きてしまい、やはり他社のものに流れる。そこにはかなりの価格差があって、いわば盲目的習慣的に「フルグラ」に手を伸ばしてきた客は、安いPBを買うようになるだろう。ここに「フルグラ」の孤高の神話は崩れ、価格競争が泥沼化する。やがてカルビーはさらなるコスト削減を迫られて「フルグラ」の品質を落とさざるを得なくなる。そうすると、客の「フルグラ」離れに一層の拍車がかかり、せっかく築き上げた牙城を、自らの手で崩してしまうことになるだろう。食品業界で20年近く新規商品の販促で生きてきた眼から見るとそう見える。


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 気を取り直して、行く夏来る秋畑の野菜の天ぷら定食でランチ、夕食は豚段バラと豚足たっぷりのこってりフェイジョアへアヘ・・・・


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posted by jakiswede at 23:41| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2013 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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