2014年01月28日

20140128 農水省への質問状

 農業を取り巻く制度について、農業委員会にいくら問い合わせても全く要領を得ないので、農水省へ問い合わせてみることにしました。以下の文面を考えましたが、字数制限があったので一部を割愛しました。回答が得られればご報告します。

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 はじめまして。匿名で失礼します。53歳独身男性です。都市生活者が農業で生きるための法的要件についてお伺いしたく思います。よろしくお願い申し上げます。相談内容の眼目を簡潔に申し上げると以下の三点になりますが、いささか状況説明が必要と思われますので、眼目を箇条書きにしたあと説明に移りたいと思います。

  1. 第一種農地において、肥育管理を農地利用の条件から外してほしい。
  2. 効率的で集約的な農地利用を推進する余り、個人の自給的な農業のあり方を排除しないでほしい。
  3. 農家登録の必要条件を緩和してほしい。

 私は、10年前から農業を志し、都市部から近郊農家の空き農地を借りて、通いで野菜を作りはじめました。当初面積は2畝でした。その後、地主様と心安くなり、空いていた持ち家を貸していただけることになって7年前に移住し、農地も1反、2反と貸していただけるようになりました。当時は農業関連の法規を全く知らず、「住んでも良い」「使っても良い」と言う地主様のお約束の許に、空き農家に住み、空き農地を耕作して参りました。それが、このほど地区の農業委員会より行政指導を受け、私の志すようなやり方では、ここではやっていけないとされました。このことについての相談です。


 もともと私は都市部で食品業界で生計を立てており、恐らく商品の開発時に使用される添加物や油などが原因で舌癌を患い、舌を部分切除したことが、農業を志すきっかけになりました。従って、私の志すようなやり方と申しましたが、それは自分自身に対して絶対安全な食物を自分で作るということです。当初は私は鍬や鎌の持ち方さえ知らず、地主様や近隣農家の見様見まねでやっておりましたが、化学肥料や農薬は使いたくなかったので苦労しましたがどうにか作物を頂けるようになり、やがて次第に除草のしかたも加減し、現在は耕すことも止めて不耕起栽培に至りました。おかげで草刈機以外の機械は一切使用しなくてよくなりました。現況、私の農地の状態は、近隣農家のように「草一本生えていないキレイな田畑」ではないけれども、自分なりに草や虫と共存した豊かな田畑になっていると思います。私はこの状態を、地力が甦ったとみております。機械や農薬や化学肥料に依存しない土に戻ったと思います。収穫量は少ないのですが、穀物と野菜は完全自給しており、ここへ来てからの7年間は体調も良く、風邪ひとつひきません。都市部よりも生活環境は厳しく、虚弱体質であった過去の私が嘘のようです。余剰農産物や、もともと保存や加工を前提として栽培したものは、家族や友人に個人的に販売して、年収にして50-70万円ほどの収入があり、統計資料によりますと、これは日本の平均的な農家の反当たり農業収入よりも多いそうです。しかしこれでは足りませんので、これにアルバイトを加えて生計を立てております。


 次に私の外的な活動についてですが、私が安全な食を求めて田舎暮らしを始めたことには、私の多くの友人が賛同しており、たびたび私のところを訪れて共に作業したり考えを出しあったりしております。彼らには必ず最寄り駅まで電車で来てもらい、私が送迎しておりますので、近隣からの駐車車両の苦情はありません。近隣農家との人間関係、自治会、隣保組合、水利組合とも良好な関係を保っており、特に台風などがあった後には当番でなくても水路を見回り、平時でも共同作業を欠席したことはなく、高齢の農夫の手伝いも積極的に行っています。現在では自治会長の補佐役も務めています。


 一昨年の田植え前に、農会長と地主を通じて農業委員会から行政指導がありました。その内容は、無許可で農地を使っている実態を改善するようにとのことでした。そこで私は農業関連法規を調べ、私に農家登録がないことが原因と知り、そのための手続きを進めました。しかし地主から「農地の利用権の設定」を拒否され、農家登録の手続きは完了しませんでした。そのシーズンは、いわば「モグリ」の状態で耕作を続けましたが、昨年の田植え前に再び同じ指導がありました。私は市役所に出向いて農業委員会に実情を相談しましたが、結局のところ解決策は見当たりませんでした。農業委員会が言うには、「農民」でない者が、「農家」に居住すること、「農地」を生産手段として使用すること、「農地」をまた貸しすること、「農地」から得た収穫を利用すること、「農地」の維持以外の行動をとることなどは、全て違法行為であるということでした。しかし、具体的な法的根拠や守るべき基準については、何度問い詰めても曖昧に話をぼかされました。家屋と農地を貸して下さっていた地主様も、農業委員会を敵に回せないということで、暗にここからの退去を求めてきています。また、農業委員会いわく、行政指導は三回重なると行政処分となり、不服を申し立てれば裁判になるとのことでした。


 全てがはっきりしないので、各種法律相談にも問い合わせてみましたが、いずれも農業関連は担当外とのことで相談そのものを拒否されました。仕方なく自力で法律を調べ、また全国の同じ悩みや経験を持つ人たちと情報交換する中で、だいたい以下のような根拠と解釈で私は行政指導されたのかなと思うようになりました。すなわち、私の借りている農地は圃場整備の行き届いた「第一種農地」であり、そこを非効率的で非集約的な利用のしかたをしていること、慣行農法で肥育管理された周囲の田畑と状態が異なること、すなわち雑草が多く出荷出来る状態の作物が少ないこと、などを誰かに通報されたことが原因で農業委員会が実態を確認しに来た。その結果、実態は通報の通りであると判断され、さらに農民である地主が直接指導しているのではなく、非農民である私が友人たちとともに農作業している実態があって、それは農地のまた貸しにあたると解釈された。農地から収穫されたものを流通経路に出荷せず、加工したり調理したりして直接私的な収入を上げたことは、国の食料生産手段としての農地の私物化であり、不適正な利用にあたると判断された。農作業や食品加工の詳細について、また農法について情報交換したり広報したりという一連の行動が、一件の農地に対して一件の農家登録しか認めない制度に反して、地主とは別個の行動であると判断された。


 そこで相談の内容なのですが、はたして上のような解釈で法律が運用されるものなのでしょうか ? そうでないとすれば、どのような要件で私は行政指導され、法律を守るには私はどうすれば良いのでしょうか ? 例えば、農薬や化学肥料と機械を使わずに手作りで自給したいと考える私のような生き方をするためにはどうすればよろしいのでしょうか ? 農業への関心が高まっているといいますが、その動機は安全な食を確保したいということに尽きます。ならば、農薬や化学肥料と機械を使う肥育管理というものを農地使用の条件にするのは、実態に即していないとお考えにはなりませんか ? 中学校の社会科の教科書にも、化石燃料の枯渇が現実のものとして紹介されています。効率的で集約的な農地利用というものが、化石燃料の存在を前提としているものならば、それは近い将来行き詰まらざるを得ない。ならば、一人一反程度の自給農民が、その意思さえあれば持続的な農業のあり方について実践したり検証したりする余地を残すべきとはお考えになりませんか ? 現実は、明らかに個人の手作り農家を潰す方向に向かっている。最後に、農家登録の必要条件を緩和してほしい。農家登録がありながら農業に関心のない農民の所有する空き農家や空き農地を、現状農家登録のない農業に意欲的な非農民に開放すべきと考えますが、いかがですか ? 以上、長くなりましたがお答えいただければ幸いです。

 

 

posted by jakiswede at 03:08| Comment(0) | farminhos | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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