兵庫県のイカナゴ漁が解禁され、朝網で上がったものを早速炊いてみた。初物にしては非常に大きく、5cm近くある (\1,580/kg) 。なかには銀色に光っているものもあり、例年だと3月中旬頃の大きさである。私は、イカナゴの釘煮は2cm未満の小さなものを好む。春のほんわかした柔らかな風味が生きているからだ。しかしこの時期のイカナゴは成長が早く、数日で大きくなり、5cm近くになると、独特のエグ味が出る。それはそれで良いのだが、やはり初物は澄んだ味わいが良い。ちなみに香川県沖などでは、兵庫県より10日ばかり早く解禁され、私好みの小さな状態のものが得られる。しかし香川から兵庫に送るとなると半日近くかかるだろうし、香川へ行って炊くことも出来ない。香川では釘煮にする習慣はなく、水揚げ直後に釜揚げにされるので、「新子ちりめん」として兵庫県でも手に入るのだが、その小ささを見てうらやましく思うのだ。しかし選択の余地はない。躊躇している暇もない。買ったらすぐ炊く。イカナゴは、静かに水洗いする。ボウルに水を貼り、ザルを沈めて、その中へイカナゴを流し込む。手を入れてはいけない。上の写真のように、ボウルとザルの間に水流を差し込むと、ゴミやアクが表面張力で引っ張られて流れ出る。漁船によっては規定以上の濃度で消毒していることがあるので、洗剤のような泡に気をつけながらザルを引き上げてボウルの水を換え、水洗を繰り返す。
大きくなってしまっているので、えぐ味に負けないように濃いめの味付けにした。イカナゴ1kgに対して、濃口醤油220cc・ざらめ250g・酒100cc・味醂70cc・ショウガ50g・柚子の皮少々。ショウガと柚子以外を鍋に入れて吹き上がるほどに煮立て、短冊に切ったショウガを先に入れる。再度煮立ったときにイカナゴを1kg全量を静かに流し込む。煮汁の温度が一気に下がるが、少しずつ入れるよりも結果的に温度の復元が早いのである。初めは強火にしておき、煮汁が少なくなってから、アルミ箔の落とし蓋をして、蒸発の行き過ぎを防ぐ。香りのものは、ある程度煮汁が残っているうちに入れるのだが、早く入れ過ぎない方が良い。鍋肌からの吹き上がりがなくなってきたら、鍋をゆすって煮汁を回す。今年のイカナゴは大きい。大きいからと思って、味醂を多くしたのだが、これがよくなかった。ことつら体ばかり大きくて、中身は淡泊なのであった。結果、甘味のしつこい釘煮に仕上がってしまった・・・今年はもうこれ以上炊かない。
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