もしかしたらこんな風景に出会えるかなと思ってこの場所を予め調べておいたのであるが、あいにく気象条件が合わず目論見は失敗した。
http://www.tsuwano.net/www/contents/1374467843868/index.html
https://www.facebook.com/pages/津和野時間-T-time/204024466277582?fref=ts
気を取り直して車内の空気を入れ替える。ちなみに左端にちょっとだけ見えている黄色い車の主は、これまた車中泊一人旅の美女であった。
津和野は谷あいの街であるが、盆地は結構広くて平坦である。観光地であり、隠れキリシタン縁の地であり、また人口減に悩む町である。山の斜面がやや緩やかなところは棚田が広がり、随所から町を見下ろす事が出来る。実に美しい景観だ。町へ降りると、旅行者を受け容れてきた歴史の息づく独特の解放感と安心感が漂っている。ムラ特有の排他的な緊張感はない。
まだ朝早く町は「支度中」状態なので、先に城跡に登る。登り口の公園の脇にあった住宅、このような質素な住まいが良い。
街と森が近い。しかも、街には気品と格調があり文化が息づいている。森は城跡である。歴史が肌を通して染み込んでくる。
なにより、このようなセンスが巷に成り立っている事、「津和野時間」という冊子を作った人たちのセンスが、行政によってバック・アップ出来る環境が、素晴らしいと思う。なぜなら、プロジェクトというものは、一人の力によっては成し得ないが、才能ある一人のセンスによって研ぎ澄まされていなければ、訴求力が落ちてしまうからである。行政がそこに口出ししない事こそが、公たるものの嗜みといえないだろうか、この街はそれが実現されているのか・・・
旧の代官所を保存した町役場で移住について担当者にお時間を頂く。この街の自由な空気は、行政の姿勢にも現れていた。津和野町も人口の減少が深刻であるが、例えば農業での移住希望者に「後継者」としての役割を求めていないことが、非常に大きな特色である。過疎に悩む自治体では、どこも手厚い優遇策を以て移住希望者を迎えてくれるのだが、ほぼ共通するのが、担い手を求めているという姿勢である。たとえば水菜の生産地であれば、空き農家を紹介する代わりに、その農家が担ってきた水菜の栽培を継承する事が条件になる。しかし移住者は、必ずしも水菜を栽培したくて移住してくるわけではない。そこに両者のギャップが生じ、やがてそれは抜き差しならぬほどに広がって、終には移住者が村を去る。私も数多く見てきた事である。だから、津和野町はそういう意味での担い手は求めないのだという。自由にやってもらって、出来たものをどうするかを考えるのが、行政の仕事だと・・・これですよ。津和野町は移住候補地として良いと思います。
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