The Upsetters: Scratch and the Company, Chapter 1 (LP, Clock Tower Records, LPCT 0114, 1981, USA)
The Upsetters: Scratch The Dub Organizer
Johnny Lover & The Towerchanters: Who You Gonna Run To
Lee Perry & The Blue Bell: Tighten Up
Val Bennett & The Upsetters: Serious Joke
Brad Osbourne & The Towerchanters: Little Flute Chant
Devon Irons: When Jah Comes
The Upsetters: Stratch Walking
Lee Perry & The Black Arks: The Come Along
Bunny & Ricky: Bush Weed Corn Trash
The Upsetters: Curly Dub
レゲエの母国ジャマイカですわ。ジャマイカのレゲエもレコードほとんど失ってしまってるんで、紹介出来るのはごく数枚になりますが、初めはLee Perryです。写真のどこを見ても「Lee Perry」とは書いてないんやが、これはLee Perryの作品。真ん中の青い帽子被ってるおっさんがそれで、まあ要するに面白がりで変態で酒とドラッグが好きでカネ勘定はどうでもよくて、奇想天外で猪突猛進で・・・まあご機嫌な今はじいさん。
本来ジャマイカのレゲエを紹介するならば、当然Bob Marlyについて語らなければならない筈なのだが、正直言って、私は世間が評価するほど彼の音楽が好きでない。ライブは確かにすごかった。歌の内容も共感した。しかし、音楽の情感がどうも合わなかったので、彼の作品はほとんど持っていない。そのかわり良く聴いたのがダブだった。
Lee Perry・・・King Koba, King Scratch, Lee Scratch Perry, Rainford Perry, The Upsetter・・・などなどクレジット表記はたくさんあり過ぎて、果たして自分で名義の管理が出来てたのかどうか、まあ恐らくそんなことが原因で金銭トラブルも絶えず、レーベルともめて出ていったり、メンバーともめて脱退したり、自宅に建設したスタジオが全焼したり・・・しかし何を隠そう、ボブ・マーリーをこの道に引きずり込んでウェイラーズを結成させた仕掛け人こそ彼自身。つまり彼がいなかったらボブ・マーリーも、いやレゲエ・ミュージックも、こんなに世界に認知されることはなかった・・・ことはないと思うけれども、彼はそんなことはどこ吹く風で飄々と生きる。しかし全焼した彼のスタジオから生み出されたミックスやダブは、大手のレコード会社の巨大なシステムを使って放り出されたどんなうんこよりも芳香を放っていたという伝説は確かだった。たった4トラックのシステムでここまで作り上げられたのを見て、いや聴いて、われわれは当時普及の端緒についたばかりのカセットによる4トラック・マルチ・レコーダーを購入して、果敢にも、自分たちにも出来る筈だと信じて、ひたすら誰に聞かせるでもない演奏を録音し、ミックスし、加工し、その音楽風景とはほど遠い、障子の破れた四畳半に閉じ籠っていたのであった。システムは大差ないものだから、確かに音は悪い。しかも明らかなミス・フェイドがあって音がクリップして飛ぶところが沢山あるけれども、やはり彼の音作りのセンスは突出している。この作品と、ゴリラのジャケットの「The Upsetters: Super Ape (LP, Island, ILPS 9417, 1976, US」がオススメ。
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