Roland Pierre-Charles: Bal Boutché, Accordéon des Antilles (CD, Hibiscus Records, 082 060 WM321, 2002, FR)
La Guadeloupéenne (A. Beauregard)
Félicia (P. Rossin)
Cé filon (F. Vinduc)
Manicou volant (V. Coridon)
Patio belasso (D.R)
Enfants du pirée (D.R)
Grand tomobile (Folklore)
Ti citron (Folklore)
Ya ya (Folklore)
Pou ki langue (Folklore)
Vlopé moin doudou (Folklore)
Rue fleurie (Stellio)
Fok ni Tché (A. Théodose)
Post colon (R. Pierre Charles)
Complainte (Valse, Stéllio)
「アンティル諸島のアコーディオン」という副題の通り、形式としてはBeguineやValseを中心にアンティル諸島のいろいろな音楽をアコーディオンをソロにしたアンサンブルで聴かせてくれる、全曲インストゥルメンタルの、非常に上質なイージー・リスニング・アルバムである。Rolland Pierre-Charlesという人は、長いキャリアを持つMartinique出身のアコーディオン奏者で、本国の他、Compas Direct成立期のHaïtiやCubaで、その後ParisやNew Yorkでフレンチ・カリビアンのミュージシャンの作品などに多くの録音を残しているが、割愛するがCadence界の重要なアーティスト & グループである「Simon Jurad & Opération 78」で、キーボードとシンセサイザーを担当したのが最も長い「定職」であった。基本的にはスタジオ・ミュージシャンで、現在までに200枚を超えるアルバムに参加しているが、自身のリーダー・アルバムは、たぶんこれ1枚である。ミュージシャンの極意は最良の伴奏者たること、と常々思っているのであるが、彼のアコーディオンは、奇をてらうでなくでしゃばるでなく、かといって流れ過ぎない確たる品性を感じる。素朴でありながら深い。喩えていえば、万感を読み尽くした古書店の主人の穏やかな笑みとでもいえばよいか・・・アンサンブルも極めて質素で、必要最小限の伴奏で録音されている。おそらく1980年前後、後半の数曲は少し録音状態が違うので、それらは新しく追加されたものかも知れない。出典はFolkloreが多く収録されており、ほかにも往年のBeguineのピアニストであるAlexandre Stéllioの曲が2曲、綴りは少し異なるがP. Rossin・・・これがPaulo Rosineだとすれば、伴奏は「Malavoi」か ?? 同じHibiscus Recordsのひとつ前の番号は「Malavoi」の1975から数年の録音、ホーン・セクションが入った頃の珍しい彼等の音姿を記録した名盤があるので先ず間違いないだろう。ともあれ、フレンチ・カリビアンの伝統的な曲を集めた、良質のトロピカル音楽集として傑作である。
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