Exile One: Exile One Greatest Hits (Revised) Volume 1 (LP, Barclay, 80.657, 1977, FR)
Jumbolo
Reggae Medley
One Favor
Pot Pourri Creole
Music Is Revolution
Gardez Derier
Don't Bite The Hand
Which One Is Me Home
Exile Oneのリーダーは、Gordon Hendersonといって、その英国風の名前が示すように、小アンティル諸島にある旧英国領であった「ドミニカ国 (Commonwealth of Dominica) 」出身である。ハイチと国土を約1:2で分割するイスパニョーラ島のドミニカ共和国República Dominicanaではない。Gordon Hendersonは、地元で音楽活動を試みていたが、設備や環境の面で思うに任せず、「Les Vikings」の中心人物として活躍していたPierre-Edouard Décimusを頼ってGuadeloupeへ出た。そして1970年に「Exile One」を結成し、私の知る限り1974-76年にかけて5枚のLPと6枚のEPを発売、さらにフレンチ・カリビアン音楽の綜合プロデューサーとしてのし上がっていたHenri Debsを頼って1975年に渡仏し、翌年までにBarclayから2枚のLPと2枚のEPを発売している。このアルバムはBarclayからの3枚目のLPになるが、内容は、その副題が示す通りベスト盤で、Guadeloupe時代に録音された曲から選んでParisで再録したものである。
Gordon Hendersonは、Cadence界のGodfatherまたはSoulと呼ばれ、英語話者であることもあってか、この世界では特異な存在である。そこがまた良いのだ。曲目紹介では細かいタイトルを省略しているが、うち何曲かはメドレーの形で旧い曲が取り上げられている。しかしなんといっても彼等の看板曲は一曲目"Jumbolo"であろう。これを初めて聴いた時は大変驚いた。分厚いホーンの入ったテーマ、cadance特有のねじれたリズム、そして「ダッセェェェェェッ、ジャンボロ !! イェェェェェェッ、ジャンボロ !! 」という含蓄のカケラもない歌詞が何度も繰り返されたあと、テーマに戻って曲が終って了うのである。たったそれだけ。はっきり言って「勢い」だけです。しかも他の曲も全編その調子、もちろんレゲエであったりファンクであったり、スタイルの違いはあるけれども、含蓄のカケラもないという点では同じ。そしてさらに、出た頃に買ってから気付いたことだが、Barclayから発売されたこれ以前の2枚のLPも、収録曲の半分はダブり、裏ジャケットの写真まで同じ服装の別カットという、これで悟りました。フランス植民地からの移民 (アフリカも含めて) の仕事はこういうもんだと・・・いやしかし、しかし、当時CompasもCadenceも知らなかった我々、いやこれらの音楽が「ニュー・アフロ」とか「アフリカン・ルーツ」とかいうフレーズで売り出されていた文字をまともに受けて、アフリカ音楽だとさえ思い込んでいた我々は、この楽しくて単純で勢い一発のリズムを指して、ほかに呼びようがないので「ジャンボロ・リズム」と呼んでいたほほ笑ましくも懐かしい時代があったことよのうと、しみじみ思い起こされる・・・まあ要するに個人的思い入れだけで紹介したので、知らなかった人はスルーしてもろてOKです。
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