2015年04月03日

20150309 Gwo Ka

KIF_3995.JPG

Anzala Dolor Vélo: Tumbélé (LP, Celini Disques, RCG 10 007, 1972?, FR)

L'Auto Là
Crabe Qui Déclaré
Tifi La Ou Té Madam'
Cécile

Renélia
Soulagé
Dit Bonsoir
Chauffeur

 Guadeloupeへ参りましょう。Martiniqueと同じくフランスの海外県です。Gwoka Musicといわれる太鼓と歌を中心とした音楽で、ここではサックスや、一部ベースも使われている。おもにGuadeloupeに伝わる音楽で、ルーツはGuinéeやCongoにあるといわれ、最低、大 (boula) 小 (maké←リンガラ語の「moke」か? ) の二つのずんどうの片面太鼓で伴奏される。大きいものは写真左のように台座を使って横向けにして、胴の上に触って叩く。太鼓の形は同じで大きさが違うだけである。その形状からして、もとは打ち捨てられてあった樽を胴にして作られたことは確実である。打面には薄い皮が使われていて、縁を叩くと強烈な倍音が発せられ、テンションはかなり高い。皮を支えるリングが太く、縄で縛ってあるのは、リムの補強と緩み止めの役割を兼ねている。音色も奏法もジェンベに近いことが、西アフリカの影響を強く窺わせる。しかし形がゴブレット型でないので、ジェンベほど胴鳴りが強くない。むしろコンガを短く、或いは太くしたような形状であることが、コンゴのルーツを感じさせられ、特に低音を担当する奏者にコンゴ風の奏法が見られる。カーニバルや儀式に多く用いられ、歌とコーラスに多数のシェケレ、スリット・ドラムなどがつく。また伴奏、というか賑やかしに管楽器が用いられることもある。
 さてこのジャケット、涙が出るほど素晴らしくダサい。中途半端で絶妙な背景色、センターも合わせてない杜撰なまでに見事な構図、特に左端をトリミングせずに出してしまうぞんざいな自信、そして三人三様のボーズ・・・左はマエストロたる風格を具現した毅然たる静止、この掌を見よ。これが大口径の太鼓の打面を叩く正しい掌の形ぞ。掌が平面でありながら、完全に脱力した一枚の板のような状態。その心の状態も全く平らかである。かたや右を見よ。これこそがタイコタタキの心意気である。照れ隠しなのかそのまんまなのかわからん動態、その決定的瞬間に思わずシャッターを切ってしまったカメラマンに、真ん中の人が「お・・・おい、ちょっ・・・待・・・」と戸惑いをカメラ目線で隠したはいいがポケットが裏返ってる・・・もう最高。Yvon Anzala・Dolor Méliot・Marcel Lollia (Vélo)・・・なかでも最後のVéloは、GuadeloupeにおいてGwoka Masterと称せられ、像も建っているほどの人物で、そのパーカッション・アンサンブルは、Gwokaの伝統にしっかりと根ざした確たるものが感じられた。



















posted by jakiswede at 01:08| Comment(0) | 変態的音楽遍歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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