2015年05月14日

20150427 「豊里」浸水

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 「豊里」浸水。全くの自然農の考え方で栽培するのであれば、稲の種蒔きは「穀雨」の節 (2015年の場合4月20日) に苗代に直播きすべきであるが、なかなかそこまで自然に依拠する勇気がないので、私は催芽処理ということをやっている。慣行農法では、稲の栽培計画は、その開花予想日からの逆算で行うものである。例えば「コケヒカリ」の場合、ここ兵庫県神戸市北区のちょっと内陸部では、開花するのはだいたい8/09であるので、その60日前すなわち6/11頃が田植えの適期、ただしこれは5葉といって成苗の状態での計算結果なので、機械植えする今の主流では幼苗を植えるので田植えは5月になる。従って、田植えをいつやるかは、手で植えるのか機械で植えるのか、どの程度育った苗を植えるのかで適期に1ヶ月程度の幅がある。それより大切なのは、種籾をいつ水に浸けるのかの判断であって、つまり発芽してから開花するまでの日数の計算、発芽するまでの日数の計算がより重要である。「コケヒカリ」の場合8/09が開花標準日、5葉に生長するのが6/11、それまでの育苗にかかる標準的な日数が45日なので、発芽予想日が4/28である。さてこの頃は気候が不安定で気温が乱高下する。稲の発芽を予想する尺度として、積算水温100℃sという考え方があって、これは種籾をつけた水の一日の平均温度を測っておいて、それをたし算してゆき、だいたい100℃になったら発芽するという尺度である。つまり一日の平均水温が20℃の日が続けば5日後には発芽するということである。実際には、この時期の水温はこれよりかなり低いので、もっと日数がかかる。しかしあまり長い間水に浸けておくと醗酵してしまうので、だいたい一週間で発芽させるために温度管理をする。従って「コケヒカリ」の場合、4/20頃に水に浸けることになる。
 これを基準に物事を考えることにしている。まずは「豊里」は晩稲中の晩稲である。開花日は去年の記録によると9/15頃である。ちなみに「タイの香り米」9/08、赤米の「紅吉兆」とインディカ米の「サリー・クイーン」が9/03とある。数年以上の記録があるのは「紅吉兆」と「サリー・クイーン」のみで、あとは去年が初めての栽培である。「豊里」と似た性格を持つ「ハッピー・ヒル」は、発芽に16日もかかっていて、積算温度は解らないが200℃を軽く越える。種を貰った人から聞いた話と実際とが全く違っており、栽培経過も大きく違ったので、手当がちぐはぐとなり苗作りは失敗した。従って、今回は自分なりの尺度でやってみる。「紅吉兆」と「サリー・クイーン」を含む晩稲は「コケヒカリ」の2週間遅れの日程でうまくいくことは立証済であるので、これらはそれに従う。「豊里」は発芽に倍近くの時間がかかることと、長期間浸水し過ぎたために苗作りに失敗したことの中を取って、本日浸水と判断した。4/20と5/04の中間というわけだ。さてどう出るか・・・
posted by jakiswede at 20:02| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2015 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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