2015年06月18日

20150616 畔塗り

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 くどいようだが、田で力を出す者のことを男というのである。「畔塗り」という作業は、恐らく百姓仕事の中で最もきついもののひとつに数えられるであろう。手作業で田んぼを作ることの殆どなくなった今、このプロセスは廃れてしまったが、古い資料を調べてみると、ひとつひとつの手順に名前が付けられ、作業を切り分けて理解を共有出来るように配慮されている。これらはネットでは殆ど見ることがないので、やる人間が残して伝えていく必要がある。あくまで私の解釈であるので、また違った方法などあればご教示願いたい。

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 畔の際に予め土寄せをし、時々水を入れてはこれを踏み固めておく。幅は、塗り畔にしたい幅の2倍程度にしておく。これを「縣 (あがた) とり」という。畔際に水を入れて、寄せ土の半分を切って水の中で踏む。

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 このとき団粒状の乾いた土では水に溶けて泥水になってしまうので、予め寄せ土は踏みならしておくのである。合わせる水を加減して、ちょうどモルタル程度の粘性を出せれば理想である。

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 これを切り残した半分の上に乗せる。

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 私は畔豆のために塗り畔の幅を広く採りたいので鋤簾を使っているが、通常は上げ鍬を使う。鍬の背で乗せた泥を塗り付ける。

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 側面も塗る。更に水に隠れた底面も塗る。これは代掻きをするかしないか、不耕起であるかないかにかかわらず、畔の内側には本来必要な作業である。現在の殆どの田んぼは、コンクリートで遮蔽されているのでこの必要はない。

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posted by jakiswede at 01:00| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2015 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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