くどいようだが、田で力を出す者のことを男というのである。「畔塗り」という作業は、恐らく百姓仕事の中で最もきついもののひとつに数えられるであろう。手作業で田んぼを作ることの殆どなくなった今、このプロセスは廃れてしまったが、古い資料を調べてみると、ひとつひとつの手順に名前が付けられ、作業を切り分けて理解を共有出来るように配慮されている。これらはネットでは殆ど見ることがないので、やる人間が残して伝えていく必要がある。あくまで私の解釈であるので、また違った方法などあればご教示願いたい。
畔の際に予め土寄せをし、時々水を入れてはこれを踏み固めておく。幅は、塗り畔にしたい幅の2倍程度にしておく。これを「縣 (あがた) とり」という。畔際に水を入れて、寄せ土の半分を切って水の中で踏む。
このとき団粒状の乾いた土では水に溶けて泥水になってしまうので、予め寄せ土は踏みならしておくのである。合わせる水を加減して、ちょうどモルタル程度の粘性を出せれば理想である。
これを切り残した半分の上に乗せる。
私は畔豆のために塗り畔の幅を広く採りたいので鋤簾を使っているが、通常は上げ鍬を使う。鍬の背で乗せた泥を塗り付ける。
側面も塗る。更に水に隠れた底面も塗る。これは代掻きをするかしないか、不耕起であるかないかにかかわらず、畔の内側には本来必要な作業である。現在の殆どの田んぼは、コンクリートで遮蔽されているのでこの必要はない。
【関連する記事】
- 20151223 今シーズン総括
- 20151214 丹波黒大豆全滅
- 20151210 畔シート外し
- 20151210 麦踏み
- 20151209 冬の出荷
- 20151209 丹波黒大豆収穫
- 20151209 マイナンバー郵便
- 20151206 caboclinhos
- 20151205 干し柿リベンジ
- 20151130 豊里脱穀籾摺
- 20151129 芒あっての神丹穂
- 20151127 待望の氷点下
- 20151126 わりとフツーの・・・
- 20151125 麦の播き足し稲藁敷き
- 20151123 インディカ籾摺
- 20151122 インディカ米脱穀
- 20151120 冬越豆とタマネギの定植
- 20151117 稲刈終了
- 20151113 神丹穂・豊里稲刈
- 20151110 干柿・水走変更