2015年10月16日

20151007 せやからいうてるやんか

 マイナンバー制度について充分調べたつもりだが、依然解らないことがいくつかあったので、内閣官房と厚生労働省の、それぞれ管轄するサポート・ダイヤルに電話して訊いてみた。
 ひとつは、マイナンバーに付随するとみられる個人情報が、どのようにどこで管理されるのかという点と、それにアクセスするのにどのような安全対策が採られているのかという点。私は、個人情報というものが、マイナンバーに付随する一連のデータとして一本化され、どこかに集約管理されるものと思っていたが、そうではなく、現在それぞれの行政機関に分かれて保存されている個人情報を、呼び出す時のキーワードがマイナンバーということであり、個人情報そのものは今までと同様各機関に保存され、アクセス権の仕組みも今までと変わらないという。つまり分散管理を原則としていて、データそのものが統一され集約されるという計画はないとのこと。
 もうひとつは、事業者はマイナンバーを適切に管理する義務があるとされているが、それが充分に適切であるかどうかは、誰がどのように判断するのか、あるいはそれを検証する第三者機関、または充分に検証された安全管理のための組織などがあるのかという点。これについては、現在のところ「特定個人情報保護委員会」という組織が「特定個人情報の適正な取扱に関するガイドライン」というものを定めていて、各事業者はこれに従うべきものとされている。それ以外にこれを検証する仕組みはない。で、事故が起ってから、その原因が事業者がこのガイドラインを守らなかったことによると認められた場合には、様々な罰則規定による処罰を受けるということになる。従って、従業員が事前に、自分を雇用している事業者が、特定個人情報の適正な取扱いをするかどうかを検証する手段はない。これに付随して、勤務先からマイナンバーを使って社員の労務管理を一元化させたいので年内に速やかに提出するように求められているが、これはマイナンバーの目的外の使用に該当し違反ではないかと問い合わせたが、これは明白な違反であって事実とすれば処罰対象になる。しかしそれを従業員が検証する手段はない。事前準備のために、早期に提出を求めることは認められているので、速やかな提出を求めることが違反とはいえない。あくまで事故が起ってからの対応になる。
 最後に、従業員は事業者にマイナンバーを提出する際に、事前に特定個人情報の適正な取扱について説明を受けることが出来るかどうかという点。これについては管轄が異なり、厚生労働省であって、各地域の「綜合労働相談コーナー」が対応してくれる。それによると、残念ながら、事業者が従業員に対して、事前にそれを説明する義務はない。やはり、あくまで問題が起ってからの対応である。苦情の相談先は、上の「コーナー」で良い。またそれに付随して、労働契約を更新する時に契約条項の中にマイナンバーの提出を求める条項を入れる事は違法ではなく、また正社員の服務規律の中にこれを追加することも違法ではない。しかも、それについて事業者は従業員に充分な説明をすることは求められているが、その義務があるとまでは定められていない。
 以上、何れにせよ、制度の全体が不透明な状態での見切り発車であることは否めないので、マイナンバーの提供に際しては、事業者に対して充分な説明を求める権利は最大限行使して主張し、納得いかなければ保留する (拒否ではなく) という態度で臨まざるを得ない。ただし、労働者には法律上その権利は保障されておらず、事業者にも説明責任を果たす義務がないことは欠点であると思う。現時点で、私の勤務先では、マイナンバーに対する準備は全くなされていない。また、マイナンバーの提出にあたって従業員が守るべき項目については詳細に掲示してあったが、勤務先がしてくれることには一切言及されていない。それについて質問しても回答はなく、示されたのは労働契約内容にマイナンバーの提出義務を追加するということだけだった。つまり、こちらからは何も知り得ず、向こうの知りたいことは黙って出せ、いやなら辞めろということだ。東証一部上場企業でありながら実態はこれである。
 さて、年内にこの問題についてトラブルになった場合、私は上の欠点について全国的な闘争を呼びかけることにする。労使はあくまで平等でなければならない。このような片務的な法制度が改善されるべきなのは、全く当然のことであると思うが如何 ??
posted by jakiswede at 12:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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