Angel Canales: Ya es tiempo (It’s time) (LP, Selanac, LP-8884, 1985, US)
Angel Canales Theme Song
No Te Asombres
He Tratado De Olvidarte
Aguacate Perfumado
Una Buena Mujer Para Compañera
Quisquella
Dilema De Amor
もうついでにいっちゃいましょ、年代としてはSelanac最後の作品となるが番号が若いのを見ても分かる通り、演奏の感じからしてちょっと前の録音と思われる。前3作と比べてジャケットに独特の派手さがなく音の分離もちょっと悪いので、幾分地味な印象があるが、どうせ盤は手に入らんからmp3で落としてエンハンサーにかければかなり改善する。このLPに収録されている演奏は、他の作品と比べて楽曲も演奏も渋い。めまぐるしく展開する曲調、節操なく取り入れられる様々な音楽スタイル、それらのブリッジに使われるエグいキメはそのままだが、楽曲そのものがじっくり聞かせる感じに仕上がっている。彼特有のエグさにちょっと疲れたら、疲れますよね普通、ちょっと違う彼のバンドの演奏の繊細な醍醐味が聴きどころ。もちろんVictor Perezは随所に踏んではりますが、むしろそれは音楽の屋台骨を支えることをきちんとわきまえていて、それはオープニングのインストによく表れている。Selanac設立以前にも4枚のLPがあって何れも傑作だが、入手がかなり困難で価格も高騰しているので、まあネットで落として聴いてください。いずれもSelanac時代ほどの派手さはない、どちらかというときちんと形式を踏んで曲を進める正調サルサだが、随所ににじみ出るかのように味わえるカナレス節が聞き応え十分。もう全部すき。
また、調べていてわかったことだが、3作目と認識していた”Angel Canales: Mas Sabor (LP, Alegre Records, ASLP-6007, 1977, US)” は、もともとAngel Canalesの作品ではなく、Mark DimondまたはMarkonito Diamondというピアニストの作品”Mark Dimond: Brujeria (LP, Vaya Records, VS-2, 1972,US)”のヴォーカルにAngel Canalesが参加したものだったことが分かった。つまり彼のデビュー1975年より3年も前にリリースされていたことになる。主役がピアニストなのだが、その演奏はかなり地味、サルサによくある華麗なソロはなく、丁寧に引かれた出汁のような、音空間を下支えするような弾き方である。Angel Canalesがメイン・ヴォーカルだが、確かに後の彼らしい節回しが聞かれるものの、きちんと形式に則って歌っていて、全然「らしさ」が出てない変なアルバムだなと以前から思っていた。ジャケットの絵も浮かない顔してるしね。でもピアニストのリーダー・アルバムだと思って聞けば、なかなか味わいのある作品である。聞き直してよかった。ほな次回から大御所Faniaへ参りましょか・・・
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