Batacumbele: Con Un Poco de Songo (LP, Tierrazo Records, TLP 008, 1981, Puerto Rico)
Se Le Ve (Cumbele)
La Jibarita (Jibaro Funk)
A La I Olé (Songo)
Yerbabuena (Cumbele)
La Piyé (Batacumba)
Danzaón Don Vázquez (Danzaón)
Batacumbele (Batacumbele)
地味な色調、ナイジェリア起源の両面太鼓バタ・ドラムをあしらった地味なジャケット、裏を返すとナットで締めるモダン・タイプではなく、ロープで締めるナイジェリア・スタイルのバタを膝に乗せたうちのひつりの顔つきが日系と思わせる、まんなかの一人のかぶった帽子の上にオウムがとまっている、視覚的なイメージからして音楽の内容を想像すると、ナイジェリアからキューバに伝わったアフリカ起源の伝統的な宗教音楽を基にした、素朴なフォルクロールの一種かと思いきや、その予想は完全に裏切られる。冒頭に現れる曲は、イントロこそ打楽器とコーラスを中心にしたシンプルなものだが、ブレイクからの展開で世界が一変する。極めてモダンで、転調の多い、ベースが柔軟に曲調を操り、フルートが舞いピアノが踊る、スピード感あふれるSongoの世界。めまぐるしく展開する楽章のブリッジにキメとして効果的に使われるバタ・ドラム、アディショナルで現れるドラム・セットのリズムもバタのそれを踏襲して、やがて気がつくと分厚いグルーヴに巻き込まれている。全編、これ変化とスピード、意外性と迫力の連続、隠れた名作です。
上のリストで曲名の次はリズム名、四国の半分ほどの小さな島に、数え切れないほどの音楽スタイル、プエルト・リコは音楽の宝庫である。Batacumbeleは大まかに「Songo」とくくれば良いとは思うのだが、そんな枠のことはこの際どうでも良い。バタのリズムからサルサの新しい展開に寄与してできた「Songo」という新しい感覚のリズムは、その後のサルサの味わいにまたひとつキレと核と、絶妙なタイミングで入る重みをもたらした。ニューヨークという最先端にありながら、常にプエルト・リコとの間でセッションが繰り返されてきたおかげで、その伝統が洗練のなかで新風を吹き込む結果となった。Bata・Cumbele・Jivaro・Songo・Plena・・・これらはニューヨークという最先端の都会にあってはなんとも田舎くさいものなのに、それが有能なミュージシャンの手で料理されると、なんというノリだろう、このまま天国へ昇っていけそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=E-_YwWwdDSQ
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