気を取り直して、とりあえず真空管を購入した先へ、恥を忍んで訊いてみた。なにしろこっちはシロウトなんだから。幸いにして、バイアスの過電圧程度では、ヒューズは飛ぶものの、回路も真空管も破損することはほとんどないが、ねんのため真空管を全部外してから、電源を入れてみて、何か変な匂い、音がするかしないかを見る。修理記録と回路図を出してきて、電源側から順に所定の電圧が出ているかをチェクする。トランスが逝かれているか、逝かれていないかは、2次側が所定の電圧に近いかどうかで判断。B電圧は高いし、電流値も大きいので、感電しないように充分に注意、悪くすりゃ一発であの世行き、まあ間違っても天国には行かんやろけどな、真空管が刺さっていないぶん高めに出るから衝撃も強烈やろ。次に、入力管というか、電圧増幅管だけを差してみて、点灯するか、また所定の電圧であるかを見る。匂い、音も要チェック。それから、出力管を差してみて、点灯するか否か。少し時間をかけると赤熱するようであれば、過電圧がかかっているのかも。命をすり減らす思いで、ほぼ1日がかりで全回路のチェックは終えた。とりあえず現状では大丈夫そうや。
で、あらためてバイアス調整ボリュームを右に回しきってから、例の部分の測定を始めた。バイアスを最大にかけた状態では、プレート電流検出用の抵抗器の両端には電圧はほとんど現れない。徐々に左に回していくと、わずかずつ電圧が測定されたが、約45°あたりの狭い範囲で0.1V〜1Vへと急上昇する。0.5Vに合わせるのが非常に難しい。また、時間が経つと値も変わるので、さらに難しくなる。なんとか適正なポイントを見つけ出して暫定的に良しとし、入力をつないで音を出してみた。いや実に素晴らしい音であった。先のロシア製の真空管とは比べ物にならない。とりあえず音が出たことを報告し、各部の電圧確認の結果も良しとした。破損に至らないダメージはあり得る、それが徐々に広がる可能性を否定できない。いつ飛ぶかとひやひやしながら音楽を聴く状態は変わらない、やっぱりやめときゃよかった・・・
結論としては、真空管アンプの基礎を学ぶしかない。それは大変困難なことであろうが、別に全てのアンプを修理できるようになるのではない。このアンプをメンテできれば良いのである。何も知らないでは済まされない。右か左かの間違いに、「そんなこともわからないのですか」と言われるのを恐れ、真空管のフィラメントの明るさにばらつきがあるというと、「そんなもんです」と言われて唖然とし、「各部の電圧は、だいたい一割くらい多めに出るものです。大雑把なものです」と言われながらその気でいたら、0.5Vの調整が指の震えで大きくブレるほど繊細なものと知る。その脇を流れる400Vの高圧を針先でショートさせればあの世行き、調整用ボリュームの可動範囲だと思ってタカをくくっていると、最大値ではパーツを破損させることもありうる、という設計になっている・・・もう、なにがなんだかわからない。これではいかんのだ。落ち着いて取り組むしかない。
とりあえず今回の経験での教訓、右か左かわからない場合は、真空管を全て外し、そのボリュームのアース側と真ん中から出ている端子との間を測って、どちらへ回せば電圧が上がるか下がるかを確認する事である。というのは、可変抵抗器というものにはX・Y・Zの3本の端子があって、X-Z間は固定抵抗で、その中間をYが移動する事により、X-Y間とY-Z間の抵抗値が変えられる。これを通常、X(入力側)・Y(出力側)・Z(アース) とする事によって、Y点がZ点に最も近い位置でX-Y間の抵抗値最大、X点に最も近い位置で抵抗値最小になる。これを通常のプラス電源では、左から右に回す事によって、すなわちYがZからY点がZ点に最も近い位置からX点に最も近い位置へ移動する事によって、電圧が最小から最大へ変化するように作られている。例えば音量調整ならば、右に回すと音が大きくなる。従って同じ配線にマイナス電圧をかけた場合、抵抗値が大きければ大きいほど、つまり左に回せば回すほど、マイナス電圧が抑えられる、つまり電圧は高くなる。逆に右に回せば抵抗値は低くなるので、マイナス電圧が最大限かかり、相対的に電圧は低くなる。バイアス調整は、プレート電流をどこまで流すのが適切かを制御するものであるから、右に回しきって左へ戻しながら電圧を測るのが正しい。ただし、配線が逆になっていれば操作も逆になる。だから真空管を外して、バイアス調整用のボリュームのアース側と真ん中から出ている端子との間を測って、どちらへ回せば電圧が上がるか下がるかを確認するのである。Q-3535の場合、右へ回しきった状態で-70V前後であった。
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