2016年04月08日

20160404 一億総一反百姓社会

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 場所はまだ言えないのだが、今住まわせてもらってるところから車で30分ほどのちょっとした山あいの村に、独り住いをするには最適な小さな土地を紹介された。ここでは集落との関係その他でまあいろいろあって、かねてから移住先を探しているのだが、私は斜面に生まれ育っているので、今住んでいる盆地のようなくぼみが体に合わない。しかも建物の周囲は囲まれていて、眺望は全くのゼロ。日本の古い農家の造りが私の感覚に合わず、何をするにもその違和感との戦いから出発しなければならないことに、最近正直いって疲れてきた。私も今年で56、このままここに居候して人生を終わらせるわけにはいかない。たとえ崖ッ縁゜であろうが、広々と解放された空間で、のびのびと思う存分人生を開花させて終わりたい。かといってカネはない。ここに全くおあつらえ向きの空き地がある。しかも遠くない。また、手入れが行き届かないのを処分したがっているので、価格も驚くほど安い。これはやるしかないでしょ・・・


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 25歳で人生を棒に振ってから、人生ウラ街道ひたすら自分の好きなことだけをやってきた。社会からドロップ・アウトした身、人並みのことはなにひとつやらなかった。だから当然、家を持つなんて考えてもいない。もちろん夢としては持ち続けていた。たかが野郎一匹、雨風をしのぎ煮炊きをするのに大した設備はいらぬ。アウトローの身の丈に合ったシンプルな家のイメージも、常にある。しかし夢は夢。あくまで夢としての設計図を、空想の中で改良していくのは楽しいことだ。家の建て方を実地に学ぶのも、また楽しいことだ。しかしそれが突然、実現可能な範囲にぶらさがってきた。ちょっとジャンプすれば届きそうなところに人参がぶら下がっていて、まだまだ棺桶に突っ込むには元気すぎる足を活用しないウマはおらんだろう。


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 何を考えているのかというと、極端な話だから8割がた差し引いて読んでもらいたいのだが、私は、持続可能な社会を目指すには不都合な真実を受け入れて、極めて厳しい生活に立ち戻らざるをえないと考えている。それは一億総一反百姓社会だ。それしか生き残る道はない。なぜなら、人間が出しうる体力以上のものは、いずれ化石燃料であれ夢のエネルギーであれ、いずれ手に入らなくなるからだ。人間の体力以上のことは、人間にはできない。これが真実だ。では人間の体力だけで、どれだけの土地から恵みをいただけるかというと、一反が最初のハードルである。機械やケミカルは一切なし、原始的な道具だけで、健康な男が管理できる田畑の広さが一反。それを十全に活用してまかなえる食が、まあ4人分、嫁さんと子供2人である。それが確実にできれば、もはや政府などいらないし、資本主義ともおさらばできる。それができなければ、人は大樹の陰に寄らざるをえず、大樹は暴走して覇権主義へ向かわざるをえない。それを止めようと思うならば、そう思う全ての人が、この生活を貫徹する勇気と覚悟を持たなければならない。今の日本は解体されて一億総一反百姓が自給する国に生まれ変わらざるをえない。好むと好まざるとにかかわらず、我々の次の世代には必然的にそうなってしまう。いまから軟着陸の可能性を真剣に検討するのか、墜落して乗員乗客全員死亡を覚悟の上で飛行し続けるのか、目を背けることは単なる欺瞞だ。


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 だから農村を解体する。現在の農村は、元来大所帯で営農していたことを、長男あるいは養子一人に押し付けることによって次男以下と分家を排除し、排除された者たちを都市へ流出させることによって資本主義を実現し、機械とケミカルを売りつけることによって一人大規模営農を可能とし、農村と都市の共存関係を維持してきた。この共存関係を崩さないために、農村の既存の集落と家制度を温存する必要があって、大所帯で営農していた田畑を分割することを、様々に入り組んだ法律によって禁じている。これがすなわち農村の排他性の根拠である。これが解体されない限り、一億総一反百姓社会は実現できない。すなわち持続可能な社会を実現することもできない。具体的には、都市計画法のなかの市街化調整区域に関する規制を緩和して、一反単位でそこで営農することを条件に宅地開発を認めること。そこから始めなければならない。今回紹介された土地は、そのテストケースになりうるのである。一軒の農家で一反の農地を、完全に自給し得ること、自己完結した形として提示すること、それに足りうる必要十分な家屋とは、果たしてどんな形と設備を持っているのか・・・そこには現行の建築基準法の規制も関わってくる。しかし、あくまで持続可能な生活を模索するという観点から、それに適した住宅のデザインを考えてみても良いのではなかろうか。どうかみなさん、これをプロジェクトに育ててみませんか ??


posted by jakiswede at 01:23| Comment(0) | 移住計画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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