2016年04月22日

20160421 稲の種下ろし

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 穀雨。稲の種を下ろそうと思い、今日の雨を集める。今年の稲作は、うるち米は「豊里」とインディカの「サリー・クイーン」、糯米は黒が「朝紫」・赤が「神丹穂」・緑が「みどり糯」とした。「タイの香り米」は、栽培はよくできるのだが、味がもひとつなので今季とりやめ。以上5種類、余裕のある苗代に下ろすので、籾がだいぶ余ると思うから、欲しいひとは早めに連絡ください。苗代の準備ができないひともご相談に応じます。


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 苗代は、冬期湛水による雑草防除の目論見は効果覿面。代掻きをすると周囲とこれだけ違う。それともうひとつ気がついたことがある。「神丹穂」と「みどり糯」は種籾が手に入ったのだが、塩水選をしてみてはっきり自家採種のものと品質が違うことがわかる。自家採種のものは塩水に浮く確率が高いが、さすが種籾として販売されているものは、すべてが合格。


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 「豊里」は、まだ良いが、「サリー・クイーン」は軽くてほとんど浮いてしまう。糯米並みに1.08まで下げてようやく沈みはじめる程度。塩水選とは、充実した籾を種とするための選別方法で、糯米の場合、比重1.08から、うるち米の場合、比重1.13の塩水を作ってその中に籾を入れ、沈んだものだけを合格とする方法である。専門の種子販売業者では取り扱いのない品種は自家採取するしかないのだが、種が更新できないと、年を追うごとに合格とする割合が減っていく。作柄にも影響が出る。これ以上歩留まりが落ちるならば、塩水選を収穫直後に行って、種籾を先に確保せざるを得ないかもしれない。


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 さて塩水選の方法だが、これも比重で論じられていて、濃度ではない。だいたいの目安としては、例えば、水1ℓに対して塩300gを溶かせば、だいたい比重1.13に近くなる。厳密には比重計で計る必要があるが、生卵が水面に顔を出す程度とされている。濃度としては23%を超えるので熱湯に溶かさねばならず、これを必ず冷却してからでないと籾を浸けることはできない。また、溶かすのに高温が必要なので、まず23%程度の濃い食塩水を作っておき、これでうるち米をテストしてから、徐々に水を混ぜて濃度を下げ、軽い品種の選別に移る方が良い。なぜなら、薄い塩水を濃くしようとすると、もう一度温度を上げなければならなず、籾の選別分岐点がわからなくなるからである。


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 塩水選を終えた籾は、速やかに真水で洗って塩分を落とし、水切りをして乾燥させ、その後温湯消毒をする。


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posted by jakiswede at 01:04| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2016 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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