2016年09月19日

20160821 Song For Chè

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Charlie Haden: Liberation Music Orchestra (LP, impulse!, AS-9183, 1970, US)


The Introduction / Song Of The United Front

El Quinto Regimento (The Fifth Regiment)

 Los Cuatro Generales (The Four Generals)

 Viva La Quince Brigada (Long Live The Fifteenth Brigade)

The Ending To The First Side


Song For Chè

War Orphans

The Interlude (Drinking Music)

Circus '68 '69

We Shall Overcome


Ornette Colemanのオリジナル・トリオやカルテットのほとんどでベースを担当してきたCharlie Hadenは、ジャズ・ファンク路線への転向後もオリジナル・コンセプトでの演奏によく参加していたのだが、それと並行してCarla Bleyを中心とした、のちのJazz Composers Orchestra Asociation (JCOA) を形成するメンバーとのセッションを盛んに繰り返していた。このアルバムが発売された1970年当時、Ornette Colemanは、アルバム「Crisis」の時期で、参加メンバーも重複している。前者が、よりコアでエモーショナルな演奏であるのに対して、こちらは次世代らしい軽快さと、進取の気迫がフリー・ジャズに込められている。

 A面は全体で一つの組曲を構成しており、スペイン市民戦争の時期に替え歌として市民の間で歌われていた歌にインスパイアされている。行進曲風の憂いを帯びた荘重なテーマを繰り返しながら、その情感を損なわずにフリー・フォームに崩していく様は、まさに彼らならではの持ち味。演奏へのモチュベーション、集中力、反応の鋭さ、音の臨場感、全体の緊張感、バックグラウンドに忍び寄る戦争・・・どれを取っても研ぎ澄まされた刃が放つ一瞬の閃きのような、宝物のような音空間。素晴らしいの一言。

 B面はCharlie Hadenの曲で、Ornette Colemanのアルバム「Crisis」にも収録されたErnesto Chè Guevarraへの讃歌で始まる。前者がエモーショナルな発露の連続として演奏が維持されているのに対して、こちらは実験的要素が強い。途中でCarlos Puebraの作曲でキューバの国家的名曲である"Hasta Siempre ≫が挿入されている。次の曲はOrnette Colemanの曲だが、以下要所要所の作曲とアレンジをCarla Bleyが締めることによって、そのコミカルなテイストが生かされ、全体として明確な反戦コンセプト・アルバムであるにもかかわらず、重苦しくなりすぎないトータルな仕上がりとなっている。このアルバムも、ジャズ史上に確実に残るゼッタイオススメの名盤中の名盤 (^^; 。

posted by jakiswede at 16:01| Comment(0) | 変態的音楽遍歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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