2017年05月11日

20170511 和田 (Hotan)

Uyghur-Pamir 2017.05.11.2 Hotan

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 ホータンは中国語で「和田」と書いてHétiánと読む。ウイグル語では「خوتەن」と書いて「ホーテン」というくらいに読む。もちろん「玉」を産出することで有名で、巨大な滑らかな白い玉は一億円くらいするというので見せてもらったことがある。ただの石にしか見えなかったが・・・

 ホータン空港は一日数便しか発着がなく、乗降客は目の届く人数なので、出発も到着もひとつの建物でさばいている。到着後資料収集でもしようと思って建物の中を見回してみたが、本当に何もない。ボヤボヤしてたら出口の鍵を締められてしまって、鍵を持った兵士に開けてもらわねばならなかった。

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 ホータン空港から市街へのアクセスはタクシーによるしかない。台数も限られているので選択の余地はない。かなりふっかけてくるが、目測10km程度なので交渉して40元で手を打った。それでも高いくらいだ。ホータンのタクシーはメーター制ではなく、大雑把に行き先が決まっていて、客の行きたい方角や乗客の降りたい場所とが折り合えば乗せてもらえる。世界中によくある乗合白タクである。乗客は私を含めて3人であった。私は今日中に次の目的地である于田 (Kerya) へ移動してしまいたかったのと、明後日の目的地である (Yerkent) と、その翌日の移動となる喀什 (Kashgar) への鉄道切符を購入しておきたかったのとで、乗客と筆談しながらこの運転手に40元で全部回らせようと企んだ。ところが、なんか様子がおかしい。「客站」・「火票」・「団結広場」など、ごくごく基本的な中国語を書いて示しても反応が悪いのである。仕方がないので、これらを英語からいろいろに崩した発音で試してみたり、あるいはトルコを旅行中に聞き覚えた言葉に置き換えてみたりしたがなかなか通じず、結局市の中心部である「団結広場」でほぼ強制的に降ろされた。このとき私は気付くべきだった。多くのウイグル人は漢字が読めないということを・・・しかしそれはもはや手遅れだ。私は中国語で会話ができないし、アラビア文字の読み書きができない。ウイグル人は、中国語の会話はできても、漢字とローマ字の読み書きができない。盲点だった。これは今回の旅の準備不足のなかでも最も深刻なものだった。

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 ホータンの街は殺気立っていた。柵で封鎖され立ち入ることもできない広大な団結広場の中心には、ウイグル人の老人と故毛沢東主席が握手している像が小さく見える。この老人は尔班 (Kurban) おじさんとして知られていて、いわば中国共産党による民族宥和政策の象徴である。その周囲をパトカーや装甲車などの警察車両が取り囲み、それらは常にサイレンや、時折アジテイションを鳴らし続けていた。どうやらこの象徴は、ただの象徴にすぎないようだ。

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 事前に調べておいた旅行代理店は全て存在しないか開店休業状態で全く要領が得られなかった。のみならず多くのビルは封鎖されていた。なぜ代理店を頼んだかというと、中国では鉄道や長距離バスの切符が取りにくく、事務の不手際から長時間待たされると聞いていたから、多少の手数料を払ってでも時間を節約したかったのである。しかしどうやら現状はそんな穏やかなものではなさそあーうだ。仕方なく通りへ出てタクシーを捕まえ、「和田站 (ホータン駅) 」と紙に書いて見せると運転手は大きく頷いたのでそれに乗り、まずは明後日以降の移動手段の確保にかかった。

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 ホータン駅は、無駄に広い駅前広場があって、敷地に入る時と広場に入る時、さらに建物に入る時の三回も保安検査がある。駅舎は立派なのに一日数本しか発着がない。建物の中ほどに、左上に上がる階段を上がってすぐに入口があるが、これは第一次改札のようなもので、切符売り場は階段の反対側の別室にある。何も表示がないので、誰かに訊かなければわからない。

 窓口での中国語のやりとりに不安があったので、出発日・便名・目的地・座席の種類・購入数を書いたメモをあらかじめ用意して窓口に出した。すると、窓口の漢人のねーちゃんはとっても親切な子で、私の書いたメモに最近の改正で変更になった部分を訂正し、料金を計算した上で、目で「これでいい ? 」と合図してくれた。そのメモの下部には、「発車30分前に駅に来れば良いか ? 」と中国語で書いておいたのだが、それを「60分」に訂正して目配せしてくれる気の利かせようだった。大変気持ちの良い対応で感動した。こうして、結構難関と言われる中国での鉄道切符の購入は簡単に終わった。中国の鉄道運賃は強烈に安い。和田ーが普通列車でたったの18.5元 (約340円) 、莎ー喀什が特別快速で28.5元 (約530円) いずれも3~4時間もの長距離移動である。

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駅の敷地から出て、外にたむろしているタクシーに「東郊客站」と書いたメモを見せて回ると、そのうちの一人が「わかった」と手を挙げたのでそれに乗り、バスターミナルへ向かった。「東郊客站」は、ホータンから東方面へ向かう長距離バスのターミナルである。そこはウイグル人でごった返していた。切符売り場「售票処」は長蛇の列・・・というか、ずいずいと腕っ節で窓口に詰め寄っていくのだが、こういうときは荷物の軽い貧乏旅行者に若干の分がある。65元でチケット入手・・・と思いきや、保安検査を通過して引っ張っていかれた先に待っていたのはタクシーだった。しかも4人集まるのを待って発車、あーもすーもなく私が4人目で、押し込まれて出発。まあ良い。とりあえず計画通りに事は進んでいるのだから・・・あわただしくホータンを後にし、今回の旅の第一目的地のケリヤへ向かう。いよいよ旅の本番。


posted by jakiswede at 00:00| Comment(0) | Uyghur-Pamir 2017 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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