2017年06月27日

20170625 さなぶり

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 去る6/25 () は村の「さなぶり」であった。「さなぶり」は農村特有の風習で、田植えが無事終わったことを田の神に感謝して祝う行事のことである。私の住む村では、水利組合が管轄する田んぼを見て「終わったな」と思ったら、回覧をまわしてこれを触れる。特に行事らしいものはないが、近在の村ではイベントをやるところもある。といっても公民館に子供達を集めて餅を振舞ったりカラオケ大会をやったりするくらいで、特に厳かなものではない。田植えを共同でやっていた時代には、手伝ってもらった田んぼの家ごとに「さなぶり」が行われ、なかなか盛大な宴会が催されたという。伝統的には、田の神に感謝して田の取水口に苗を供える。

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 例年、「さなぶり」の触れは、私が田植えをしている最中にやって来る。水利組合には「私は見ての通りの変わり者だから私のことは気にせず決めてくれ」と言ってあるので、そのとおり地域特産の「山田錦」を植え終わった次の日曜日が「さなぶり」となる。今年は、その翌日にようやく田植えを始めることができた。ちなみに田植えを始める前に神に感謝する風習のことを「さおり」という。私は例年、「さおり」か「さなぶり」かわからんが、とにかく神には感謝しておこうと思って、田んぼの水口に「神丹穂」の紅白の苗を植えて祈ることにしている。
 田植えを始めた。なかなか良い苗が育っとる。セルトレイの型押し苗代作戦は大成功で、実に見事な等間隔を保っとる。それを鍬で土ごと剥がして、水の中で慎重に苗取りをするのだが、この時間が、おそらくすべての農作業の中で最も好きだ。30cmほどに育った苗はすでに分蘖が始まっており、幹を持つとぐっと力がみなぎっている。

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 ひと区画ごとに苗を取り、取った分だけ植えていく。この写真を見て、これを田んぼと思う人はまずいないだろう。「刈敷」といって、肥料のない時代に、そこらじゅうの草を刈り取って敷き詰め、これが徐々に腐植していくことによって肥料分とした。したがって、苗は敷草の厚み以上に大きく育っていなければならず、しかも枯草の醗酵熱によって根が焼けない程度に丈夫でなければならない。だから苗代で大きくなるまで育て、田植えを遅く設定するのである。この敷き藁は、茅葺の仕事で出た古茅、田植えが遅れたのは、実は遊び呆けていたからだ。とりあえず田植えが終わるまで、息を詰めて走るような毎日が続く。

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posted by jakiswede at 00:00| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2017 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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