ジャガイモの植え付けなんて数分で終わっちまうので、貴重な残り時間、過ぎ行く冬の面影を追って散策に出た。新名神が開通して一週間、子供の頃からの私の庭であった野山を破壊して造成されたので複雑な思いはある。しかし世の中の流れは、おしとどめようもなくあらゆる物を潰して進んでいく。私にできることは、いっとき立ち止まってそれらを写真に収めることくらいか・・・「神戸セミナーハウス」の北数百メートルの位置に、名もない山の頂上から新名神を遠望できる場所がある。もちろんここはそんなものを遠望すべき場所だったのではなく、道場から生野にかけての山並みと谷筋、百丈岩などを眺める静かな絶景の場所であったのだが、もはやその風情はない。造成の始まった頃2013年、道路の敷設が始まった頃2016年、そして現在の様子を定点観測して見よう。また、道場町平田の集落の新名神高架下には、かつて小さな茅葺の民家があり、これは文化財的価値から同じ道場長内の旧街道筋に移築された。また、それに隣接して弥生時代の遺跡も発掘され、この一帯が古くから人の住むに適した場所であったこともうかがわれた。まあそんなことはどうでも良い。今日の主眼は、新名神を遠望した後、かねてより気になっていた国鉄福知山線の廃線跡地、といっても武田尾から生瀬にかけてのハイキング・コースではない。道場から武田尾にかけての、良い子は絶対に真似してはいけない禁断の区間である。道場側の入り口は工事現場、武田尾側の入り口は武庫川の激流に孤立している。従って到達するには水量の減った時に適当な場所を見極めて川を渡るしかない。「春に三日の晴れなし」というクセに、今年は晴れ続きである。打ち捨てられた本当の廃線跡を散策するには絶好の日和であった。蒸気機関車に石炭を補給したのであろうか、錆びた施設がそのまま放置されている。対岸の新線を電車が通過している。その上を新名神が飛んでいる。トンネルは当然真っ暗で足元も悪い。しかも水が落ちてくる。そのかわり枯れた荒廃の絵が姿を見せる。いつまでもここにとどまっていたい、非常に心の和む原風景である。
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