小麦というものは吸水が恐ろしく早いので、水濡れが禁物。収穫期に梅雨を迎える日本の気候は、根本的に小麦には向かない。しかもこの時期、小鳥の大好きな穀物はほとんどなく、鳥害を防ぐためにネットをかけても彼らの足場をわざわざ作ってやってるようなものだし、雨を避けるためにシートをかぶせても、彼らに屋根を提供してやってるようなものだ。しかし小麦を濡らすわけにはいかない。いつ雨がやってくるとも限らない。だからシートはすぐにかけられなければならない。シートをかけたところで湿気は免れない。いつ晴れてくるかもわからない。晴れると温度がすぐに上がって中が蒸れる。藁というものは、多くのカビを持っているものなので、これが活動を始めると始末が悪い。だからシートは迅速に外さなくてはならない。シートの着脱を素早くやるには、畳み方に工夫がいる。これは学生時代に音響屋のバイトをしていた頃習い覚えた畳み方だが、音響屋も屋外イベントでは常に雨に悩まされる。突然の雨で高価な機材一式をパーにしたやつを何人も知っている。死活問題だ。大抵このようなことは一人でやらなければならない。コツは、畳むにしても広げるにしても、自分が風上に立つことである。普通のたたみ方では、シートの両端を持って半分ずつ折っていくのだが、そうではなく、両端を中央に、そしてまたたたんだ折り目を中央に畳むのである。この畳み方でいけば、とにかく雨が来たら、守りたいものの一番てっぺんにシートを置く。で、長手から両側に広げれば良いのである。普通に端から半分ずつにたたんでいたのでは、シートの端を持って山を越えなければならず、雨にあたり風に煽られて、大抵はうまくいかない。風上からやれ。これは音響屋の師匠からのありがたいお言葉である。人生、何が役にたつかわからん。
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