2019年01月17日

20190117 Albert Ayler

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Albert Ayler Trio: Spiritual Unity (LP, ESP-DISK, ESP-1002, 1965, US)


Ghosts: First Variation

The Wizard


Spirits

Ghosts: Second Variation


Albert Ayler: Saxophone

Gary Peacock: Bass

Sunny Murray: Drums, Percussions

Recorded in New York City on July 10, 1964.


 ずいぶん悩みましたがAlbert Ayler (1936-1970) といえば ≫Ghosts ≫、同名をタイトルにしたアルバムもあるが、そちらはクァルテットでソロ回しがあり、出番を待っているスキがある。立ち返るべき彼の演奏は、このアルバムに収められた ≫Ghosts ≫であろう。こちらはソロイスト一人なのでぶっちぎりの集中力で最後まで飛ばしてくれる。モノラル録音であることも今となっては効果絶大。音像のど真ん中から全ての音が固まったままほとばしり出てくる。フリージャズの最重要人物には違いない。しかし私は彼を、0rnette Colemanと同様に、むしろオーソドックスなジャズの・・・といって不適当なら、アメリカ黒人の持つスピリチュアルなメロディ典型の、自由奔放なヴァリエイションの体現者と感じるのである。Ornette Colemanのそれが、深く黒人霊歌に依拠していてるのと同じように、彼の場合、それは軍楽隊が常に持つクルーヴの一種であり、ファンファーレであり起床ラッパであり、その陰から立ち上る隠された「なにか」であるように思われる。マーチング・バンドの持つジャズの基礎としての賑わい、そこから撹乱されて広がるイメージ、それらが錯綜して感情を圧倒する夢幻性・・・意識の中に深々と入り込む静寂・・・そんなものが、目の前にどかっと置かれるのである。彼の活動的絶頂期は非常に短く、1964年から1966年の三年間といって良い。数多くのセッションものが出ているが、彼の場合、「このフレーズはこう吹くしかない」というところまで研ぎ澄まされており、その熱量が他を圧倒し過ぎていて、それに集中したければ他にソロイストのいないトリオ編成、なかでもこのアルバムに尽きる。吹き出されるメロディ・・・といって良いかわからないが、とにかくその音は哀切を通り越して繊細を沈め尽くして却って攻撃的である。あまりにも刹那的で命知らずな疾走そのままに、彼は僅か34歳でこの世を去ってしまった。

posted by jakiswede at 00:00| Comment(0) | 変態的音楽遍歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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