2019年01月17日

20190117 Billy Harper: Black Saint

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Billy Harper: Black Saint (LP, Black Saint, ‎BSR 0001, 1975, Italy)


Dance, Eternal Spirits, Dance!

Croquet Ballet

Call Of The Wild And Peaceful Heart


Tenor Saxophone, Cowbell – Billy Harper

Trumpet – Virgil Jones

Piano – Joe Bonner

Bass – David Friesen

Drums – Malcolm Pinson


 コルトレーンを引き継ぐとして注目された人だが、コルトレーンとは根本的に違う。おそらく人間が素朴なのであろう。演奏も極めて素朴である。情熱的で複雑なフレーズを奏でるが、多くの場合、曲は8乃至16小節区切りで循環するコード展開で枠組みされていて、それが良くも悪しくも即興演奏を支える結果となっている。そのコード展開は情緒的であり、日本人の琴線に触れ、哀愁に満ちていて、ある程度退廃的であり、美しく、印象に残る。彼はおそらく感動家であり情熱家なのであろう、そして律儀で真面目だ。この次作で、彼は日本の民謡「ソーラン節」をとりあげる。いかにも、アメリカ黒人が、オリエンタル情緒に憧れて日本の民謡にはまってしまい、それをテーマに即興してしまった感まんまんの熱い演奏を披露する。しかし譜割が日本人から見て明らかに不自然、せっかくオリジナルのアルバム・タイトルが ≫Soran-Bushi B.H. ≫なのに、日本盤のタイトルが別の曲名に差し替えられている。まあそのくらい日本人にとっては失笑を禁じ得ない仕上がりなのだが、そんなことを気にする風もない。さらに別の曲ではせっかく周りがアレンジしたエンディングを自ら吹っ飛ばして脱線する体たらく・・・これではコルトレーンを引き継ぐとは言えないが、そんなことさえどうでもよくて、その情熱家、感動家、素朴さゆえのお茶目さまでが可愛らしく、発売された頃の、ジャズについて何も知らなかった私にとっては、まったく親しみを覚えるアーティストであった。初っ端の意表をつくフレーズに驚かされるが、それを倍加するようなはちゃめちゃな展開にはならず、真面目なコード展開の中に渋く収まった演奏は、この渋いジャケット写真によく現れている。思わず苦笑する、忘れて欲しくないアーティストである。

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posted by jakiswede at 00:00| Comment(0) | 変態的音楽遍歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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