John Coltrane: Ascension (CD, Impulse!, Impulse! 314 543 413-2, 2000, USA)
Ascension (Edition II) 40’23
Ascension (Edition I) 38’31
Tenor Saxophone – Archie Shepp, John Coltrane, Pharoah SandersAlto Saxophone – John Tchicai, Marion Brown
Trumpet – Dewey Johnson, Freddie Hubbard
Piano – McCoy Tyner
Bass – Art Davis, Jimmy Garrison
Drums – Elvin Jones
Recorded June 28, 1965.
やっぱりJohn Coltraneについては書いときましょか。あまりにも偉大なアーティストであり評価も定まっているので、あえて私ごときがものを申し上げることさえおこがましいし、いくらでも論評されているので、そこに拙い文言を並べてみても全く意味のないことは重々承知の上、しかしながらジャズのアルバムは、一人のアーティストあるいはユニットごとの作品数が桁違いに多すぎて、現実的にそれらを追うことなど経済的に無理だ。インターネットで試聴できるようになる以前は、アルバムを購入するか借りるかしか手がなかったわけで、これらに初めて触れて感動すべき年代には、とても小遣いが足りなさすぎて関心を封印してしまわざるを得なかった。だから疎遠になる。遠い存在なので、手っ取り早く近づいてわかった気になろうとする。そこへ物事を断言する専門家が現れて、その評価をもとにアーティストを評価してしまう。タダで聞けるのはラジオくらいのもので、リアル・タイムに聞けた時代の日本には、ジャズを紹介する番組は一つか二つしかなかったし、評論家も数名程度だった。そして彼らの論評は、今から読み返すと極めて偏っていて、そもそもこのような混沌としたジャズが話題に上ることはほとんどなかった。その「偏り」が、日本のジャズ・リスナーなりプレイヤーの中に、今も厳然としてあって、それが日本のジャズをつまらなくしていると私は思う。極言すれば、異様に混沌としていることこそが、ジャズの真骨頂であると私は思う。
さて、正直いうてJohn Coltrane、重厚で複雑で深遠なのはよくわかる。もちろんアルバムの一部しか持っていないし聞いてもいない。でも、持ってる作品の多くは、やっぱりある程度「食っていく」ための手段としての演奏が録音されたものと思わざるを得ない。食っていくためには茶番を演じるしかない。事実、かなり多くの音でそういう傾向がみられる。ファンはそれを大目に見る。そして飼いならされてアルバムを買い、経済を潤す。そんなことに付き合っていられなかった私は関心を封印し、ほかの世界を探索する。で、John Coltraneについて、よく聞いたし記録にとどめたいと思うものの一つはこのセッションである。まあ正直いってOrnette Colemanの ≫Free Jazz ≫の二番煎じ、と行って語弊があれば、それに触発されて同じコンセプトでやったという感じが否めないのだが、 ≫Free Jazz ≫から4年も経っていて、そのダブル・カルテット以上の何かを提示し得たかというとそうでもない。しかし、これこそMcCoy Tyner・Jimmy Garrison・Elvin Jonesという黄金メンバーによる骨組みの上に構築されたJohn Coltrane唯一のフリー・ジャズであることだけは記録にとどめておきたいと思う。 ≫Ascension ≫は同じテーマによる二つのセッションがそれぞれ別のLPレコードとして発売され、ステレオにリマスターされた後も別々にCD化された。それをカップリングしたものがこのCDであり、付録の資料や紙ジャケットともに、所有物として美しい。もとの愛聴盤は、阪神淡路大震災のときの瓦礫とともに甲子園浜の埋立地に消えてしまった。これは後で買い直したものである。
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