去る9月3日、富山の八尾へ「風の盆」を見に行ってきた。このような風流な祭りは女連れで行くに限るので、古くからの気遣いのいらない頑丈な女友達を伴って「青春18きっぷ」を使って行ってきた。ちなみにこの切符、JR在来線の優等列車には乗れないのだが、私は北陸本線というものが、金沢以遠が民営化されていることを知らなかった。JRは北陸新幹線のみになっていて、金沢から富山の間は、それぞれ民営化された2社の乗車券を買わなければならないルールである。しかし、実際行ってみるとJR時代と同じく、金沢駅で同じホームで乗り継ぎができ、しかもその列車は富山県内まで乗り入れるので、全く素知らぬ顔で富山駅からJR高山本線に乗り換えた。
越中八尾へ到着する終電を狙った。「風の盆」という祭りは、地元八尾町の観光協会が23時まで仕切っていて、それまでは11町それぞれが、それぞれの中で町流しや輪踊りをしなければならないルールになっているが、23時を過ぎれば無礼講で、町の垣根を越えて仲の良い弾き手や歌い手と組んで好きな路地を自由に流すのである。たいがい上手い人は観光協会の言いなりにならないから、「お仕事」は若いのに任せておいて、自分は呑んだくれている。で、日付が変わる頃になるとぼちぼち仲間を語らって街に出る。それが見どころ聞きどころというわけである。だから深夜に到着したわけである。鉄道にしたのは、楽で安いのと、車で行くと遠方の公営駐車場に止めてシャトル・バスで街へ出るしかなく、しかもそれが23時には終わってしまうからである。夜通し歩き疲れた翌朝に街から駐車場へ歩いて行くのは全くの興ざめなので、鉄道利用をお勧めする。
今回は、幸い福島 (ふくじま) から始まって天満町 (てんまんちょう) ・鏡町・上新町・諏訪町・東新町と歩いた先々でこれから始まる流しに遭遇し、ランドマークである曳山記念館前の広場でかつての師匠にも会うことができ、無駄な時間の全くない鑑賞であった。しかし2時過ぎに旧な雷雨が襲い、今年の「風の盆」はあっけない幕切れとなった。
内容であるが、私が足繁く稽古に通った20年前に活躍していた名人達はほとんど見えなかった。未明からの無礼講でも、町外の民謡歌手や演奏家が入り乱れてのにわか流しも見られず、著名人が私のお師匠様の流しに加わって花を添えるという艶やかな場面もなかった。そのかわり、街にコントロールされた総踊り的な流しや輪踊りが未明以降も続けられ、眠気をこらえ苦痛に顔を歪めながら踊らされている子供達の姿が痛々しく映った。街をあげての一大観光イベントに成り果てていたのが残念だった。
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