2019年12月12日

20191212 Poison

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イヌホオズキ(犬酸漿、学名: Solanum nigrum)・・・美しいものには毒がある。美味なるものもしかり。ナス科に属し、ジャガイモの芽などに含まれる毒を全草に持つ。神経系に作用し、中毒するとかなりヤバい。死に至ることもある。しかし、これをジャムにすると他に例えるものかないくらい美味である。どのような味かというと、少年時代に初恋をする。ただの女友達だったのが、ある時を境に、ふっと何かが変わるのである。子供だからそれが何かなどわからない。しかし互いにそれを感じ取る瞬間がある。二人は黙って見つめ合うのだが、少年にはどうして良いかわからない。しかし多分、少女にはもう少しどうしてほしいかがわかっている。何日か過ぎて、やがて少年にはその感覚が少女と共有できなくなったことに気づく・・・そして、女が別の男と気を通じ合っているのを偶々目撃してしまうのである。少年の鳩尾から気管にかけて、氷の刃を刺し通されたような、冷たくて鋭い痛みが突き抜ける。夏の終わり、クマゼミがけたたましく、生き急ぐように、虚しく泣きまくる。汗の乾いた皮膚を、少し乾いた秋風が冷やす。少年はその場にくずおれて涙を必死にこらえるのである。初めての失恋・・・イヌホオズキのジャムはそんな味がする。ティー・スプーンに少しだけにしておくのが良い。良い子は決して真似してはいけません。

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posted by jakiswede at 00:00| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2019 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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