2020年04月05日

20200405 豆板醤を自分で

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 豆板醤を自分で作ろうと思う。豆板醤は、ソラマメを原料とするが、日本で作り方が紹介されているように、初夏に収穫できる新鮮な緑色のソラマメを使うのではない。「醬」は「味噌」という意味だから発酵食品である。生のソラマメで味噌を作ろうというのは、大豆の元は枝豆だから、枝豆で味噌を作ろうとするようなものである。そんなことをしたらほとんどの場合、生の豆は腐ってしまうだろう。

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 豆板醤の原料は、熟して乾燥したソラマメ、大豆でいうと、枝豆でなくきな粉にする大豆の状態である。ところが、ソラマメの乾燥したものは、日本ではほとんど流通していないので、これを栽培するところから始めなければならない。詳しくは書かないが、ソラマメの種の蒔き時は10月中旬頃である。これを蒔いて、初夏に食べたい欲望をぐっとこらえて、莢が黒くなるまで放置すれば、だいたい正しい原料が収穫できる。

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 そこからの製造方法は、本場中国でも実に多様であるが、一致しているのは、まずは「霉豆瓣」という、乾燥したソラマメ麹を作るところにある。まずこれを作って、それを各種調味料や酒や油で解いて豆板醤になる。中国でも、霉豆瓣の自宅製造は難しいので、市販されているものを使って豆板醤を作るようである。

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 豆板醤の製造方法について、日本語による良い解説をひとつ見つけた。大いに参考になった。

 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/87/9/87_9_629/_pdf/-char/en

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 市販の霉豆瓣を使って豆板醤を作る方法

 https://www.xiachufang.com/recipe/100527130/?fbclid=IwAR1DGoYMugBaK_5j1h0sP5kdmhwrEANQ059CgB6CENzj92inF010l8moLoM

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 さてここでは、今回試した霉豆瓣の試作について書こうと思う。豆板醤の元となる霉豆瓣の作り方の最も伝統的な方法は、ソラマメを何らかの方法で脱皮して、自然環境の常在菌のうち麹菌を付着させて豆麹にすることである。ソラマメは非常に硬い皮を持っているので、これを剥くのは大変な苦労である。水につけてふやかしてそのまま剥こうとしても、1kgも剥けば爪が剥がれるであろう。しかしそれを指南する資料もある。あるいはこれを炒って皮を浮かせて剥く。これは簡単であるが、炒ることの是非が問題になる。あるいは乾いたまま挽き割りにして、風に飛ばして皮を取り除く方法もある。ここでは安直に、炒って脱皮する方法を選んだ。

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 https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&p=霉豆瓣

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 麹付けには、脱皮したソラマメを浸水したものに、そのまま麹を付ける方法と、蒸してから付ける方法がある。また、原料を自然界に放置して常在菌を付ける方法と、あらかじめ用意した麹菌の種を植え付ける方法がある。前者は伝統的な方法だが、環境条件に大きく作用され、時間もかかるし、失敗する可能性が高くなる。場合によっては、有毒な黴を付けてしまうこともある。霉豆瓣の完成品の写真をよく見てみると、これに付いている麹は、私の手持ちの麹と変わりないように見えるので、ここでは、日本の味噌や醤油の仕込みに倣って、原料を蒸して、手持ちの麹菌をつけるやり方をとった。

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 原料は、設備の関係で、先ずは中国産の挽き割り豆と、鳥取産の黒ソラマメの二種類とした。前者は、炒っただけで味付けされていないもの、後者は熟して乾燥したものだが、小さいので皮を剥かずに使ってみた。いずれも一日浸水し、前者は皮を剥いた。これらを指先で潰れる程度に蒸して、手持ちの麹菌を植え付けた。24時間後には全体に繁殖して自己発熱を始めた。これを手入れして、早くも三日目には温度が下がりはじめたのでそこで出麹とした。後者は皮を剥かなかったので豆麹の良い形と良い香りを持っているが、前者は全体が崩れてドロドロになり、納豆臭が少しある。これは行き過ぎかもしれない。

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 指南書によると、出麹を天日に晒して乾燥させよとある。晴れ続きを利用して、とりあえずこれを干してみることにした。

 さて、昨シーズン栽培したソラマメが500gほどあるので、引き続いてこれを炒って皮を剥いて作業を後追いすることにする。さきほどの、剥いたソラマメが崩れてドロドロになったのは、水分が多すぎたからである。米糀を作るときも、浸水した後の水切りが不十分だとこうなる。指南書によると、水分を飛ばす工程は発酵後になっているが、ここでは米糀の製法に倣って、蒸す前に水切りしてみようと思う。その後の工程は、先ほどと同じである。

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 これは、おそらく最も手間のかかる、自然界に浮遊する常在菌をつけようとしたリポートである。

 https://www.xiachufang.com/recipe/103835718/?fbclid=IwAR1uhrVMmrx7l4euayPH8s5jDxnyJdJhyVkJleXa80HaM7TJuAOR0Dx2Vu4

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 一方、この動画は、同じく自然発酵によるものだが、実に驚くべき方法で作っている。季節はおそらく初夏であろう。自然環境も日本とは異なるし、使われている材料もよくわからないので、見た通りにやるわけにはいかない。しかし、脱皮の方法、納豆作りに似た発酵のさせ方など、大変面白い。

 https://v.youku.com/v_show/id_XNDQxNjk0NzU1Ng==.html

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 いずれにせよ、豆板醤は、乾燥したソラマメを運んでいる最中に雨に濡れ、それが発酵しはじめたのを保存しようとしたのがそもそもの始まりという。中国の先人のご苦労と勇気に心からの敬意を表します。

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posted by jakiswede at 00:00| Comment(0) | 農作業食品加工日誌2020 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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