Ann.: Branle Gay "Que Je Chatouille Ta Fossette" & Branles Gays 28,23,42,7/ Doulce Memoire
(CD, Pierre Attaingnant/ Doulce Mémoire, V.A.: Que Je Chatouille Ta Fossette, Ricercar, RIC 294, 2010, Belgium)
(CD, Pierre Attaingnant/ Doulce Mémoire, V.A.: Que Je Chatouille Ta Fossette, Ricercar, RIC 294, 2010, Belgium)
「引きこもりの美学」・・・楽しい !! Pierre Attaingnant (1494?-1552?)・・・1530年ごろから生涯にわたって1500曲ものシャンソンや舞曲などの楽譜の量産印刷をして音楽の普及に努めた人物。彼の功績のおかげで、現代の我々は500年以上前の庶民の楽しみがどのようなものであったか、詳細に知ることができる。このCDは、Attainganntが発行した7巻の舞曲集からの抜粋で、Pavane・Gailliard・Branle・Basse Dance・Touldion・Allemandeなど、当時の一通りの舞曲の伴奏形式が網羅されていて、しかも様々な楽器による意欲的な演奏の試みに満ちている。多くは作曲者不詳、あるいは不明と思われるか、そんなことは問題にならないような断片であったりもする。また多くはメロディや構成がよく似ており、ごく細かい違いによって呼び方が変わるに過ぎず、その呼び方さえ、ダンスの変遷とともに伴奏も変わったであろうと思われる。ダンス・ミュージックというものは、今も昔も移り変わりの早いものだ。表題のつけられたものには歌詞がある。しかしつけられていないものにも、他の録音で全く別の表題と歌詞を持って演奏されているものもある。作曲者が明記されているものもあるが、全く同じメロディを持つ別の作曲者の曲もあったりする。この時代、何をもとに曲を作るかで、今のような厳格な管理がなされていなかったものと思われる。さてこの「曲」というかトラックも、アルバム・タイトルにもなっている表題のついた曲を含め5曲のメドレイになっていて、それが見事な変奏になっている。特に、リズムを複雑化してダンスの技を競ったと思われる部分や、それに続いてそのまま盛り上がる部分があったり、いろいろな楽器、いろいろな音色で多様に演奏される16世紀ヨーロッパのダンス・ミュージックが、楽しい !! さて、6年分録り貯めた「NHK古楽の楽しみ」の音源から選んだ私のベスト古楽10選これにて終了。
【関連する記事】
- 20200724 Patti Smith: Horses
- 20200723 Talking Heads: Naked
- 20200722 Talking Heads: Stop Making Sens..
- 20200721 Television: Marquee Moon
- 20200720 DNA: DNA On DNA
- 20200719 Astrud Gilberto: Now
- 20200718 Eva Cassidy: Live At Blues Alle..
- 20200628 An American Prayer
- 20200628 Rahsaan Patterson
- 20200628 Message From The Tribe
- 20200628 Was (Not Was)
- 20200628 Gin And Juice
- 20200528 Odhecaton
- 20200527 e-u-e-u-e-a-i-e
- 20200518 Dufay: Gaude Virgo, Mater Chris..
- 20200517 Hocquetus David
- 20200514 Che Pana È Quest'al Cor
- 20200512 Medee fu en amer veritable
- 20200419 Proensa: Paul Hillier
- 20200419 Cantigas de Santa Maria