2015年09月25日

20150924 稲刈の予定

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 秋の訪れが例年より早かったため稲の登熟が早まり、畑の除草を中断して田の除草を完了させ、さらに周囲の田への影響を考慮して先に土手周りの草刈りをしたため、畑の除草がさらに遅くなった。おまけに誰かさんが船を面舵いっぱいに切ってしまったので転覆するのではないかと気が気でならず、あれこれと気に病んだり調べたりしているうちに体力と精神力をすり減らしてしまった。それもなんとかこのシルバー・ウィークまでには片が付き、今シーズン後半の農作業の最初の山場は越えた。

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 今は彼岸花と赤穂は燃えるように色づき、夏野菜の残りは刈りとった草を枕に星を眺めている。秋の始まりは早かったが、来月は少し暑くなるだろう。周囲の田んぼでは「コシヒカリ」などの中生の品種の稲刈が始まり、酒米の「山田錦」は来月中旬、私の栽培している「豊里」・「サリー・クイーン」・「神丹穂」などは更に遅れて11月初旬の稲刈となるだろう。まあおしなべて例年通りか少し早め、来月の気温がどう作用するかを見極めての作業工程だ。それと同時に麦蒔きもやってしまいますので、ご体験なさりたい方は11月に入ったらやってるとお考えになってください。全体で2週間程度かかると思います。

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2015年06月19日

20150619 田植えのご案内

来週より田植えを始めます。たぶん一週間程度かかりますので、体験ご希望の方はご連絡下さい。なるべくご希望に添うように調整させていただきます。ただし、偉そうなことをいうようですが田植えは命がけです。途中で挫折なさったとしても、特別フォロウはいたしません。救急車くらいは喚びますが・・・お昼に粗食で良ければお出し出来ると思います。汚れても良い服装と着替えを必ずお持ち下さい。長靴は出来ればお持ち下さい。細かいことは、ご希望のあった方に個別にご案内申し上げます。
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2015年05月15日

20150515 田植えまでの予定

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 水稲うるち米「豊里」の発芽を確認したので田植えまでのおおまかな日程を以下のように仮定しました。ご体験なさりたい方は投稿・メッセージ・メールのいずれかの方法でご連絡いただければ対応します。ただし天候や生育状況により、ご希望の作業が当日行えない場合もありますことをご了承下さい。なお一日4名様までとさせていただきます。JR道場駅送迎可。昼食実費のみご負担お願いします。

 6/10より畔の補修
 6/15より県取り
 6/20より畔塗り
 6/25より畔豆の植付け
 7/01より田植え
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2015年02月05日

20150124 薬念醤漬込

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 farminhosより、2015/02/14 (土) or 02/15 (日) 10:00-15:00 の予定で「キムチ用薬念醤作り」やります !! 参加ご希望の方はお早めにご連絡下さい。
 説明します。上の写真は、鰯の塩漬けです。鰯は、同量の塩で一ヶ月漬込み、塩漬けになった鰯を粉砕してペーストにし、モチ米粥の中にアミエビやニンニク、粗びきトウガラシなどの調味料を混ぜ込み、これを粉末トウガラシで硬く練り上げて、一年間寝かせます。一年後に、塩漬白菜その他にこれを挟んで漬込み、最低3ヶ月熟成させるとキムチの出来上がりとなります。来年用の薬念醤漬込み作業と、去年漬込んだ薬念醤を使って白菜キムチを仕込む作業をします。
 参加条件: 見学無料。または、原料持込みで作りたい場合、薬念醤作り用には塩漬鰯を、白菜漬込み用には、白菜を数日塩漬けにして水を上げたものを、浸け汁とともにお持ち下さい。必ずご予約下さい。他の材料はこちらで用意しますが、実費をご負担頂きます。1kg漬込みでも数百円です。限定4名様。JRまたは神鉄道場駅送迎可。人数と日時は、希望者と調整の上、ご連絡申し上げます。

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2014年07月02日

20140628 ムラハラ

 手短に書こう。隣家の息子さんが数年前に帰ってきて専業農家として実家を継ぎ、ハウス栽培で独自ブランドを立ち上げて一定の成果を収めているのだが、今シーズンからはその規模を3倍に拡大すべく、春から施設の造成に取りかかっていること、それについて近隣から苦情が出ていることについては既に書いた。ムラというところは、都会ではおよそ想像も出来ないことが起り、びっくりするような判断がまかり通るものだ。いろいろ勉強になる。

 さてこの施設の建設計画について、3月ごろに本人より説明があった。私は隣で田畑を作っているので、年明けには「なにかやるんだな」と気付いていた。説明のあった時には私の地主もいた。その後集落の人とすれ違うたびにそのことが話題になったので、近隣関係者で知らない人はいなかったはずだ。

 工事に取りかかるために既設のハウスを撤去しはじめたのは4月に入ってから、造成が始まったのは5月のことである。ところが先日、急遽この計画についての「説明会」なるものが行われたのだが、私はそれに参加して驚かされ、あきれ返り、止むを得ずある提案をしたがために現在のところ孤立した状態になっている。

 全く驚かされたことに、参加者のほとんどは、この計画について「正式には説明を受けていない」と言うのである。私のところの地主もそうだ。建設計画について、3月ごろに本人より説明があったことは事実だが、地主は「正式には説明を受けていない」と言う。何を以て「正式」とするのか私は問いたい。関係者全員は、少なくとも計画を知りうる立場にいたし、充分な時間があった。その時点で苦情は出ていなかった。しかし、基礎工事もあらかた終り、もはや計画を撤回出来ないところまで来てから、集落の誰もが一斉に苦情を訴えはじめたのである。苦情を言うほど不安であるならば、私なら計画を知った段階で、正しい知識を得るために努力したであろう。誰もそれをせず、今になって急遽「会合」という形で苦情を言い募るのは、その苦情の内容以外の別の目的があるように思われてならない。

 会合では、初めに本人から動機について説明があった。先祖から受け継いだ農地を専業農家として経営するには、ある程度規模の大きな施設園芸しか道はないと判断し、この集落でも実質的な農業後継者がいないなかで農業の火を絶やすまいとの気持から事業に取り組む決断をしたとのこと。施設の概要については、規模は農地5反、環境負荷の低減にも充分配慮された最新型の施設で、老人でも腰を屈めずに作業出来、地元に10人の雇用を生むことで、地域に貢献したいとのこと。計画については充分説明したつもりではあったが、行き届かぬことがあったかもしれないが、地域の農業を守るためにも、是非ともご了承を頂きたいとのことであった。ところが残念なことに、彼の情熱や地域に対する配慮は、参加者には一顧だにされなかった。話がボイラーの件になった途端、参加者から次々と苦情が出されたのである。

 数年前から稼働している既存の施設には、冬場の暖房用のボイラーがある。その稼働音は、数百メートル先の国道を走るトラックの音より小さく、耳を澄まさなければわからないほどだ。今回計画されている施設は面積にしてその3倍程度あり、当初の計画段階では、それを3基のボイラーで暖房するはずだった。会合では、それによる騒音の心配が訴えられて、ボイラーを1基に集約し、しかも集落から最も離れた角に設置するようにとの要求がなされた。会合では、その提案が暗黙のうちに了承され、更なる騒音の不安が並べられた。最も驚かされたものをひとつだけ紹介すると、既存の施設内で作業している家族の腰に付けた携帯ラジオの音がうるさいと、数十メートルも離れた家の人から苦情が出たことである。それより近いところにいる私には、耳を澄ましても聞こえないほどの音だ。それをもって騒音というなら、集落の住人は身動きすら許されないであろう。誰もが呆れるはずのその発言は、しかし、会合ではもっともらしく受け容れられたのである。

 さらに「意見はないか」と問われたので、私はだいたい次のようになことを述べた。騒音について話し合われているが、いずれも怖れや憶測の域を出ず、一体新しい施設からどの程度の音が出るのか明確な根拠がない。そのなかで、3基のボイラーを1基に集約するという根本的な設計変更について、専門知識のない我々が議論するには無理がある。そもそも施設というものは、当初の設計通りに運用されて初めて最適なパフォーマンスが得られ、それを基準に販売計画や経営戦略が検討されるものであるので、それを変更すると必ずロスが出る。設計変更や設備工事費の増加の他に、ランニング・コストが上昇する。3基でまんべんなく暖房する設計の施設を、1基で暖房しようとすれば、3倍以上の出力の設備を要するであろうし、そうなれば燃料コストが計画より上がり、暖房のムラは製品ムラを生じて製品ロスが増える。例えば30年後の原油価格は今よりかなり上昇しているはずだから、燃料コストのロスが同率であっても金額が膨らんでしまう。これらは必ず将来の経営を圧迫するであろう。私には、この要求は次の世代にツケを回すものに見える。そこで、現在の施設から出ている騒音と、初期計画の施設から出るであろう騒音と、ボイラーを1基に集約した場合に出るであろう騒音とを数値化して比較し、たとえば各戸への防音窓の設置などによって、次の世代にツケを回さない方法がないかどうか検討してはどうかと提案したのである。

 しかし、直後に示された参加者の反応に私は耳を疑った。曰く、「100年後のことなんか訊いてない (私は30年後と言ったのだが) 」曰く、「燃料費の上昇くらい経営者なら折り込んでいるはず (私は燃料費のロスのことを言ったのだが) 」・・・揚句の果てには「そんなことを言う人にはこの村にいて欲しくない」「夜は蛙の声しか聞こえないほどの良い環境なのに、それが解らない人が近くに住んでいるなんて」・・・私はそれ以上何を申し上げても参加者の態度を硬化させるだけだと悟って口をつぐんだ。

 会合はうやむやのうちに閉会した。私は、田植えの段取りその他作業が山積していたので、先に出て昼食の準備をしていた。そこへ、ボイラー集約を提案した老人が来て、「私は君の言うことを聞いて驚いた。ここで暮らしたいのなら発言に気をつけた方が良い」という意味のことを言われ、出来るだけ冷静に対応したのだが、余りにも非礼な言動が続いたので逆上した。以後、集落の人とは道で会っても挨拶を返してもらえず、回覧板も回ってこなくなった。バイト先にも探りが入れられた。

 もちろんこれは、独り勝ちを許さないムラの共在感覚がなせる陰湿な嫌がらせであり、会合は自治会という隠れ蓑によって誰も責任をとらずに済まそうとする方策であり、それを白日の下に晒して解決しようとする者は消そうとするのである。いいよ、その方がさっぱりする。しかし私は三年越しで獲得した新規就農者としての経過観察中の身、自治会というものは単なる任意団体であり、なんの法的根拠もないものであるはずなのだが、農地法の仕組みとして、農地の利用権の更新には自治会の了承を要することになっている。これが実際にどのように運用されるのか、田植えが終ったら調べてみなければなるまい。だからといって主張を曲げることはないけどね。

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2014年06月19日

20140623 田植え事始め

farminhos連絡です。


来週より田植えを始めて参ります。ご参加ご希望の方は、なるべく事前にご連絡下さい。見学のみでも結構です。ただし、一度にご参加いただけるのは、現在の対応状況から5人程度とさせていただきたく思います。ご相談下さい。場所は以下の通りです。最寄り駅JR道場駅または神鉄道場南口駅まで送迎させていただきます。なるべく調整しますが、ご希望の日時に、必ずしもご希望の作業が出来るとは限りませんので、ご了承下さい。だいたい毎日何らかの仕事をしてますので、それに合流という形になります。作物の生育状況や天候の推移などで、作業内容や予定は大きく変わる可能性があります。

 2014/06/23より 田んぼの準備・畔の補修・苗とり・田植え・小麦の脱穀

 2014/06末より 晩稲の田んぼの準備・畔豆の植え付け・晩稲の田植え

  畑の方は、順次適時適切な細かい作業があります。


 http://www.mapion.co.jp/m/34.85999231_135.23807175_10/


 farminhosのブログ

 http://jakiswede.seesaa.net/category/10139103-1.html

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2014年06月06日

20140523 yamsai/ ortiz

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 今日は久しぶりに阪急電車に乗ってお出かけ・・・


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 夙川駅に特急が停まるってことを知らんかったほど時が過ぎてしまってるんやなあと感じられたのは、駅長室がコンビニになってて、脇にあった池は残ってはいるもののこんな感じ・・・


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 でもまあ夙川公園は昔のままで、初夏の一日ゆっくりお散歩・・・


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 というか、神戸の自然農グループのゆるやかなつながりに乗って、今シーズンから「farminhos」ブランドで野菜を出荷して行きます。そのための、いわば商談・・・

 http://www.yamsai.net/


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 で、夙川を南下・・・JR高架下からこんな飛び石が・・・これは便利・・・て、地元、いや、もと地元の人にしか分からんよね・・・


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 阪神電車に乗って奈良へ・・・


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 夕刻の高畑界隈を散策した後、Ortiz Consort定期演奏会に参ったのでありました・・・心豊かな一日。

 http://www4.kcn.ne.jp/~ortiz/


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2014年05月02日

20140501 farminhos活動再開

farminhosの活動を再開いたします !!

 ブログの読者の皆様はご存知のように、私の新規就農の申請は受理され、農家登録への道が開かれることになりました。農地の利用権の設定手続も完了し、私は借りている農地で、自由に農産物を栽培して利用出来ることになりました。また、この農地を使って皆様と「農」や「食」についての集まりを開くことも出来るようになりましたので、ここに再びfarminhosとしての活動を再開いたします。現在田んぼの準備を進めておりますが、以前とは少し様子が異なっておりますので、ご無沙汰いたしておりました皆様のために、少しご説明をさせていただきます。「謹慎期間」の間に、私は栽培方法を、無農薬・無肥料・不耕起栽培に変えました。畑は既に3年ほど同様の考えでやっておりましたが、田んぼの不耕起栽培は2年目になります。そのため、田植えの方法がいつもと異なります。詳細はご参加いただける方に直接ご説明申し上げます。田んぼの一部で、裏作にパン用の小麦を栽培しております。晩稲の田植えの前、すなわち6月下旬までにはこれを収穫して、急いで田んぼに変える作業をしなければなりません。ここは、いわば「見もの」です。野菜の栽培は今まで通りの畝回しです。連絡方法は、個別にメールでご案内することは差し控え、このブログをご覧になった方の自発的なご参加を想定しております。なるべく事前にご連絡下さい。ただし、一度にご参加いただけるのは、現在の対応状況から5人程度とさせていただきたく思います。ご相談下さい。場所は以下の通りです。最寄り駅JR道場駅または神鉄道場南口駅まで送迎させていただきます。だいたい毎日何らかの仕事をしてますので、それに合流という形になります。以下に、これからの主な作業予定を書いておきます。作物の生育状況や天候の推移などで、作業内容や予定は大きく変わる可能性がありますので、ご了承下さい。参加表明頂いた方との個別のやり取りになります。どうかこれからも、よろしくお願い申し上げます。


 2014/06前半 田んぼの準備・畔の補修・苗とり・夏野菜の定植

 2014/06中旬 田植え・小麦の刈り取り・晩稲の田んぼの準備・畔豆の植え付け

 2014/06下旬 晩稲の田植え

 2014/07上旬 小麦の脱穀・選別

  畑の方は、順次適時適切な細かい作業があります。


 http://www.mapion.co.jp/m/34.85999231_135.23807175_10/


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2014年05月01日

20140413 農家への道、開かれる

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 農家への道が開けた。ここへ来るまでに3年も苦しんだ。しかしこれで私の違法状態は解消され、大手を振って農産物を栽培したり利用したり出来る。農家でない都市生活者が自分のやりたいように農業をやるには、いくつか気をつけなければならないことがあるが、職業選択の自由は完全に保証されている。所定の手続さえ踏めば、不当な扱いは受けない。しかし、正しい知識を得ることが、現状非常に難しいことも事実である。そこで、私の体験をもとに、農家でない都市生活者が自分のやりたいように農業をやるには、具体的にどんなことに気をつければ良いかについて総括してみた。あくまで2014年時点でのことである。

 この記事は、食の安全を求めて自分の好きなように自分の農業を実現する意思を持つ人のために書いている。農業を事業化する、過疎地の活性化に貢献する、日本の農業に将来に貢献する、とにかく田舎暮らしをしたい、補助金や支援制度を利用したいなど、別の目的を初めから持っている人には向かない。あくまで自給を基本とし、自分のために安全の食材を得たい、そのために農業が必要で、何をどのように作るかを判断するのはあくまで自分でなければならない、そして最後までやり切る覚悟が出来ている人のために書いている。

 まず農地についての基本的な認識について説明する。農業に関心があるからといって、勝手に農地の所有者から農地を借りて耕作して良いというわけではない。農地は国の食糧生産手段として国が管理している。農地の所有者は、農地を認可された営農計画に従って食糧生産手段として利用する代わりに、固定資産税が低く抑えられるなど様々な優遇措置を受けている。だから農地の所有者といえども、勝手に農地を人に使わせることはできない。その実態を管理しているのは、農林水産省 (国) ・農林水産部 (県) ・農業委員会 (市区町村) であり、その根拠となっている法律は農地法である。農地法は、事実上、国民を農家と非農家に分類しており、非農家が農業をするためには、農業委員会で「新規就農」の手続をする必要がある。これとは別に、農家であれ非農家であれ、農地を利用するには農業委員会で「農地の利用権設定」という届出をする必要がある。これらの手続に際しては審査があるが、不当な差別を受けることはない。農地を利用するに当たり、農地法以外の法律に拘束されることもない。制度としては、非農家は新規就農して農家になり、その上で農地を利用する届けを農業委員会に出す。ただそれだけのことである。これを知らない農家・非農家が非常に多いことが、農業を都市生活者から縁遠いものにしている。しかし本来、所定の手続さえ踏めば、なんの問題もなく誰でも農地を利用出来る。この基本原則をしっかり理解していれば、あらゆる無理解と非協力的態度を乗り越える事が出来るはずだ。

 新規就農と農地利用の手続の具体例については割愛する。なぜなら、これらは地方自治体によって制度が異なるし、訊けばわかることだからである。問い合わせる先は、各市町村に存在する農業委員会の事務局で、「新規就農と農地の利用権設定の件」と言えば通じる。ここでいろいろと難問が浴びせられるであろうが、上の基本認識をしっかり持って、強い意志と淀みない情熱を以て対処すれば、必ず道は開けるはずだ。

 なぜこのように念を押すのかというと、「農地を使う」・「農家になる」ということに関して、世間では実に様々な誤解やデマゴーグが蔓延しているからである。一見、農業への道は閉ざされているように見える。法律を調べても、何が書いてあるのかさっぱり分からない。仕方がないので誰かに相談する。

 一般に農業をしたことのない都市生活者が、農業をしてみたいと思って相談に訪れる窓口は、農協ではないかと思う。では農協が正しい情報を与えてくれるかというと、ほとんどの場合そうではない。なぜなら、農協は既存農家の既得権益を守ることが仕事であって、それを脅かす恐れのある者を事前に排除しようとする意識が働くからである。あるいは自分たちの権益に沿う形で取り込もうとするかもしれない。すなわち予め農協がセットした営農計画に乗れば、安心して農業に取り組み、生活も安定し、地域にも貢献出来るいう筋書きである。食の不安のもとになっている農薬や化学肥料については、国が示したガイドラインに沿って正しく使えば、安全性に「ただちに問題はない」と諭される。しかしこれには、莫大な施設・機械・農薬・肥料の購入と、その使用を前提とした栽培方法を強いられ、それ以外の方法では買い取ってくれないという条件がついている。つまり農協ビジネスの客となって商品を買わされていることになるのである。もちろんこういうことは表に出ない。使えとは言ってない。しかし、使わなければ達成出来ないような高いハードルが設定されてあるので、言いなりにならざるを得ないのである。農業をしたことのない人たちにとっては、聞いただけではそれがどれほどのことか分からない。しかし始めてしまった後では、莫大な借金を背負ってしまって、やめることが出来ない。

 市町村などがやっている「田舎暮らしキャンペーン」も、よくよく話を聞いてみると大同小異である。キャンペーンを行っている自治体は、決まって過疎の集落を抱えている。過疎に困っている集落は、その集落から産出すべき農産物の確保が深刻な問題であるので、そこへ入るということは、離農した農家が担ってきた農産物の物量を穴埋めするということである。過疎であればあるほどその割合は大きく、助け合いのために農事組合が設けられていることが多い。そういうところへ移住するとなると、組合への加入が新規就農の条件とされていることもあり、作る品目や作り方など、恐らく自分では決められない事態になる。要するに、行政が行う支援制度に乗れば、それに見合うかそれ以上の代償を払わされると思った方が良い。そのかわり、煩わしい手続や近隣との利害関係も、全て行政が代行してくれるので、確実に田舎暮らしが出来るし農家にもなれる。ただし自由はない。

 リベラルな新規就農希望者が陥りがちな強硬策は「モグリ営農」である。つまり、農業委員会には届けずに、地主との口約束だけで農地を好きなように使う。しかしこれには危険がつきまとう。まず農地法違反で3年以下の懲役又は300万円以下の罰金の対象(農地法第64条)になる可能性がある。次に、突然の約束反故・・・地主は自分の手の回らない農地を貸してくれるのであって、そこが手入れされて土が甦れば再び自分で栽培しようとする。似た事例としては、代替わりして地主の息子から口約束を反故にされることもある。あるいは、近隣農家から農業委員会への匿名の通報・・・「ムラ」にはどんなことでも新しいことが始まれば潰してやろうとする人が必ず1人はいる。これが最もタチが悪く、そういう人に限って農地法などに精通していて、あらゆる条文を「モグリ営農」者の排除のために曲解して総動員する。そのうえ絶対に表に出ないから根回しも出来ない。通報を受けた農業委員会は、ストーカー犯罪に対処するように、あくまで通報者の側に立って「事件」を処理しようとするので、法律の適用が厳密になる。私の被った状態がこれであったのだが、最も滑稽な適用例をひとつだけ紹介して次に進む。曰く、「非農家である貴方が農家である地主の不在のときに、友人たちが圃場に来てともに農作業することは、農地のまた貸しであり、不適切な農地の利用にあたる」・・・「ムラ」の全ての人と完全に仲良くなる事は不可能であるので、「モグリ営農」という手段は長期的に見た場合、非常に危険である。

 純粋に安全な食を求めて農家でない都市生活者が自分のやりたいように農業をやるにはどうすれば良いか。正面突破しかない。非農家は新規就農して農家になり、その上で農地を利用する届けを農業委員会に出す。初めから機械を使うことを想定している人はないと思うので、鍬や鎌など、人力で扱える農具で取り組むとすれば、広さは1反までと思った方が良い。農地法によると、「農地の利用権設定」ができる要件として、「一定の面積を経営すること(農地法第3条第2項第5号)」という規定があって、これを「下限面積」という。たいていは「5反」など機械がなければ一人では出来ない広さであるのだが、条例などによってこれが「1反」に設定されている地域がある。これは調べれば分かる。そのうえで、その地域内の農地の所有者を農協や農業委員会などで紹介してもらって、地主と使用貸借に合意出来たら、申請手続を進めれば良い。まずは相談に行くべきである。相談にだけは行って、必要な情報さえ得たら、先方の持ちかける「甘い話」は聞き流して退出する。「甘い話」には絶対にウラがある。自由が確保されていなければ、自分の好きなように自分の農業を実現するという意思の切先が鈍るだけである。

 では、その農業委員会が正しい情報を与えてくれるかというと、これも残念なことにほとんどの場合そうではない。だいいち農業委員会という組織自体が非農家には殆ど知られていない。農協は組合だからいざ知らず、農業委員会は行政機関であるにも関わらず、正しい法律の守り方を教えないのである。そればかりか、間違った法律の運用さえやっている。私が3年間苦しんだのは、まさにこのためであった。「農家でなければ農地を利用出来ず、農地を利用出来る者でなければ農家ではない」・「非農家が農家になるためには認定された機関の研修を終了する必要がある」・「農家になるには年齢制限がある」・「農家登録は世襲され、登録済みの空家では新規に登録出来ない」・・・などなど枚挙に暇がない。これらは全て出鱈目である。

 事実、私は「新規就農」の申請書を提出したが、一度は上の理由で書類は不受理となり、各方面調べを尽してこれらが全く事実無根であることを確認した後、一年後に再提出した。そのときも他の理由をつけていろいろ言われたが、私には「正しい知識」に基づく確信があったのでこれらを論破した。書類は一旦受理されたが、地区の農業委員に諮るということになり、その会合に呼び出された。農業委員会という組織は、事務局は公務員であるが、委員そのものは一般の農家である。つまり公務員試験を通過した知識人ではなく、市町村が有力農家にお願いして就いてもらっている「特別職公務員」である。したがってその立場が「公」であるかどうかについて、私ははなはだ疑問を感じている。その場での主なやり取りは、以下のようなものであった。

 曰く、「食糧自給率を上げるには集約的な農地利用が不可欠であるが、機械も使わず手作りするということはこれに反するのではないか ?? 」・・・「食糧自給率が下がったのは、集約的な農地利用を名目に資材を投入して人力を排除したこと、つまり、一人一人が自給しなくても農産物が確保出来る環境を作ったのが最も大きな原因であって、真に自給率を上げたければ、まずは就農を希望する一人一人が自給出来る体制作りから始められなければならない。機械化がどうしても必要ならば、そのとき考える。」・・・提出書類のひとつに「営農計画書」というものがあって、その「農業用施設・機械の保有状況及び導入計画」という欄に「導入予定なし」と書いたことをめぐっての質問。質疑の後、「導入予定なし」の文言を「必要に応じて導入」と書き換えることを求められ、渋々承諾した。

 曰く、「無農薬・無肥料・不耕起栽培とあるが、病気が出たり土地が痩せて農地として利用出来なくなった場合どうするつもりか ?? 」・・・「その心配には根拠がない。収穫することは地力を衰えさせるという前提に立った考えだと思うが、むしろ、自然界とは異なるバランスの肥料を人為的に土に混ぜ、特定の植物の生育を促進を期待した結果、害虫が発生して農薬を使わざるを得なくなる悪循環のことを心配すべきである。耕さずに栽培を続ければ、次第に堆積した有機物が分解して地力が回復していく。私の圃場では年々収穫量が増えているし、歴史的にも農薬・肥料・耕起を基本としたのはここ数十年のことであって、それ以前は一般的ではなかった。にも関わらず農業は一万年も続けられてきた事実にもう一度目を向けるべきである。」・・・同書の「将来的な農業経営の構想」欄に「無農薬・無肥料・不耕起栽培による持続可能な生活の在り方の模索」と書いたことに関連した質問。

 曰く、「農家としては農産物の流通への出荷が求められている。しかしこれらを調理・加工して収益を上げることは農地の私物化に当たると考えられるがどう思うか ?? 」(こいつか)・・・「野菜や穀物を作る本当の目的は食べるためであって売るためではない。食べるということを中心に据えて営農計画を立てず、売ることを主目的とするから単一品目の栽培に傾倒する。農地も自然の一部であって、その多様性が失われると回復が困難になることは、旧ソ連の農業政策を見ても明らかである。新規就農者に最初から出荷量を問うのは無理があって、まずは多様な品目の生態を知り、その圃場の植生に合ったものを見極めていかなければ、持続可能な栽培には繋がらないと考える。」・・・同書同欄に「食品の保存と加工を通じて食の在り方を考える」という表現を使ったことに関連した質問。質疑の後、「土壌に適した品目の生産を目指す」という文言の追加を求められ、渋々承諾した。

 曰く、「1反5畝の営農計画であるが、拡張の予定はあるか ?? 」・・・「私は農産物やその加工品などを、付加価値をつけて高く売りつけたり、増産して規模拡大を目指したりする考えはない。そのかわり、一人でも多くの自給農家が増えてくれることを願っており、そのための一助となればと考えている。」「申請された地区の平均的な農家1戸あたりの農地所有面積は約3町である。そのうちの20分の1しかやらないというのはいかがなものか。残る広大な農地についてはどう思うか ?? 」「地主との話し合いで1反5畝ということになっている。その地主には現在遊ばせている農地はない。私は都市部から移住してきたので、それを見て同じように就農したがっている友達が多い。地主との話し合いがつけば、今後返還されてくる農地を友達と分け合っていくことで農地管理の一助となればと思う。将来的には彼等は独立して住居を確保することが望ましく、市街化調整区域に新しい住居を建てることが出来ない現行の都市計画法の規定が緩和されることを望む。例えば1反の農地ごとに、農業を続けることを確約の上で1軒の住居の新築を認めるという運用がなされれば、農業の後継者や農村の過疎化の問題は解決に向かうであろう。一人で3町もの農地を管理させようとすることに無理があるのであって、日本中の広大な農地を数少ない後継者に押し付けている現在の農業政策の方が間違っていると考える。」

 もっと当たり障りのない答え方はあったであろう。しかし私は敢えて「正面突破」にこだわった。場の空気は険悪を極めた。アタマの硬い理屈屋にねじ込まれて憤懣やる方ないという感じだった。玉砕すれば事実を広く公表して徹底的に糾弾し、農地を放り出してとっとと都会へ戻る覚悟であった。なぜなら特例で認めてもらったり、本音を隠して手続だけを進めたのでは、問題の解決にならないからである。数週間の審議の後、冒頭の写真の通り私を新規就農者として公式に認める書類が届いた。「正面突破」を試みる希望者が続けば、この分厚い壁もいずれ崩壊するであろう。


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2014年03月15日

20140305 利用権設定書類受理

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 道は長かった。ようやく書類が揃った。「営農計画書」・(自治会による)「同意書」・(農会長による)「新規就農にかかる確認書」・「農用地等貸付申出書」・「農用地等借受申出書」・「利用権設定各筆明細書」という6通の書類である。ただ安全な食を得たいがために、額に汗して土と作物と向き合おうとするだけなのに、なぜこのような物々しい書類を要し、反対されたり弾圧されたり、さらには面接や審査が必要なのであろうか。集落全体から見れば、ほんの芥子粒のような小さな圃場に、何故行政がそこまで関与してくるのか・・・まあ良い。とりあえず市役所本庁の農業委員会へ提出して参った・・・いやあ、あのねえ、全然ウェルカムって雰囲気じゃないんよね、胡散臭いモノでも見るような目ェしてさあ、ねちねちねちねちと誘導尋問にかけよんの、でもね、農水省から得た知識を許に、答えるべきは答え、黙るべきは黙って、しかも書類の不備が一ヶ所もなかったから、むこうとしてはホンマに渋々受理した、受理したった、というのんがアリアリやったわ。アリアリ・・・で、やっぱり彼らの認識と農水省の姿勢が違うところがあってね、そこんとこを再質問するメールを農水省に送ったから、あわせて掲載しときます。せやけどムカツク奴らやで、あんなことばっかりしとったら、ほんまにここで新規就農したいやつおらんようになるわ。


ご担当者様


 先だっては親切にご対応頂き、誠にありがとうございました。ご教示頂いた内容を胸に、「利用権の設定」に要する各書類を取りそろえ、地主・自治会長・農会長とも話し合いが完了し、書類をそろえて市役所本庁の農業委員会へ提出して参りました。そこでも様々なことを問い質されましたが、最終的に書類は受理されました。今後、支部の農業委員会の会議にかけられ、そこで面接選考を受け、問題がなければ「利用権」が「設定」されるということです。

 さて、市役所本庁の農業委員会で話題に上ったことの中で、やはり疑問が残ることがございましたので、お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご回答いただければ幸いに思います。


 私には「農家資格」というものがありませんが、この状態で友達が遊びに来てともに農作業することは、農地のまた貸しに当たる、と言われました。私は、数十年後の農業を考えるには、化石燃料や化学物質の使用から如何に脱するかを考えて実践しなければならないと思っています。しかし人力には限界があるので、増産するには、私自身が規模拡大するのではなく、作れる人間を増やす以外にありません。そのためには、作物の生長に合わせた適時適切な作業を判断出来る「目」を養わなければなりません。そういう思いで、親しく情熱のある数人のグループで、適時適切な作業の共有を図っておりますが、これが農地のまた貸しに当たりますか ??


 昨年、市役所本庁の農業委員会に問い合わせたとき、私の借りている家には既に農家登録があり (名義人は故人) 、家主がその登録を抹消しない限り、私は農地の「利用権の設定」が出来ないとされました。これが私が違法状態で農地を使用せざるを得なかった直接の原因です。今回の話し合いで、私はそれが間違っているのではないかと指摘したところ、支部の農業委員会の会議で検討するということになりました。農地は農家台帳により管理されているので、一軒の農家に複数の農家登録は出来ないということなのですが、それが本当かどうかをお教え頂きたく思います。もし本当ならば、家主が他界して名義だけが残った空き農家が増え、新規就農希望者がいくら努力しても、農家になれないという事態になりはしませんか ?? 農業委員会でいくら訊ねても、「農家登録」という制度のことがわからないので、ご説明願えれば幸いです。


 話は変わりますが、風景に魅せられてある農村の古民家を購入した友人の写真家が、物件を引き渡された後、上下水道の配管を外されたというのです。彼は住居兼アトリエとしてその家を使い、就農する意図はありませんでしたが、そこは「農振法」適用地域内にあるから、農業に携わらないのであれば上下水道は使わせない、必要なら適用地域外から引き込めと求められました。彼は、上下水道は居住自治体の行政サービスであって、転入手続をし市民税を負担するのであれば、職業の分け隔てなく受けることが出来るはずだと言って抗議しましたが、受け容れられませんでした。私も彼と同じ見解なのですが、「農振法」適用地域内では、他の法律より農振法が優先されることがあるのでしょうか ??


 お忙しいところ誠に恐縮です。以上3点につき、ご回答願えれば幸いです。

 

 

 

 

posted by jakiswede at 14:04| Comment(0) | farminhos | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする