今年の春はコバエや蚊が早い。竹やぶに入って筍を掘り、湯がいて天ぷらにしていただく。夏野菜の苗ができつつある。ソラマメとエンドウに実がついた。若いエンドウで早速豆ご飯にした。ほったらかしていた大根に花が咲いた。初夏である。
2020年05月06日
2020年05月05日
2020年04月30日
20200430 畑の観察
2020年04月28日
20200428 我试制作霉豆瓣
私の中国の友人の皆様にお尋ねしたい。この哀れな日本人は中国の本物の豆板醤を作ろうとしている。そこでまず霉豆瓣を作ってみたのだが、この写真のような状態で正しいのだろうか ? 親愛なる中国の友よ、できれば教えて欲しい。
我想问一下我所有的中国朋友。 这个可怜的日本人正试图制作真正的中国「豆板醤」。 因此,我首先尝试制作「霉豆瓣」,但是在此图片所示的状态下正确吗?亲爱的中国朋友,请告诉我是否可以。
前に仕込んだソラマメ麹の乾燥が仕上がった。結論から言うと、あまり自分のイメージしていたものと異なる。まず上の段左のものは中国産ソラマメを煎っただけの市販品「はじき豆」である。これは水に浸して皮をむいて蒸して菌づけして養生したものを乾燥するまで干したものである。吐き気をもよおしそうな悪臭がするので多分失敗だ。原因は、おそらく蒸し時間が長すぎてやわらかくなり、麹菌の養生中の水分が多すぎて雑菌が繁殖したものと思われる。その右は鳥取産アカソラマメの皮をむかずに蒸して以下同左である。蒸し以降の工程は同じだが、皮をむかなかったので内容物が保持され腐敗を免れたと思われる。その右は先日絞り終えた醤油の醪の搾りかすである。原料は大豆なので、出来上がったものは豆板醤とは言えないのだが、試しに同じ工程でやってみようと思う。その下は自家製ソラマメを煎って皮をむいて蒸したものに菌づけをし、先日出麹としたものである。上二つの反省から蒸し時間を短縮してやや硬めで切り上げ、発酵促進剤として小麦粉を薄くまぶして菌づけしたものである。もう少し緑色が強く粉まみれになるかと期待したが、やや硬すぎたものと思われる。ちょうど両者の中間くらいの蒸し加減が適当か・・・これは醪とともにカラカラになるまで乾燥させる。醪は粉末にして調味料に、ソラマメは、試作「霉豆瓣(Méi dòubàn)」第一号として慎重に仕上げる。上の三品は作業を先に進める。この先の工程については全く諸説紛々である。いずれも一貫して最初から最後まで説明されていないか矛盾や不明点が含まれる。仕方がないので写真付きで最も親しみやすい複数の資料から矛盾のない程度のレシピを割り出して仮説としてみる。「霉豆瓣」500gを水洗いして、塩150g・高度白酒250cc・ごま油125gに一ヶ月漬ける。「はじき豆」のものは崩壊流失の恐れがあるので水洗はやめておく。醪の分はすでに塩分を十分含んでいるので加塩しない。とりあえずここまでやってみて様子を見る。
2020年04月27日
2020年04月12日
20200412 また潰されるぞ
自宅で中国語を勉強していたら、さきほど村の「仲介者」が来て、一昨日の日曜日に村の主だった顔役が集まったという。文書回覧で決済した自治会総会の議題以外の村の課題を話し合ったようだ。かねてから顔役たちを悩ませているのが、ご多聞に漏れず移住促進と空家空農地解消の問題である。昨年度も集落で1世帯、自治会全体では8世帯もの欠落が出て、それだけの空家と耕作放棄地が増えることになる。市では、特にA町が移住者の受け入れに積極的で、若い人と地域を巻き込んだ盛り上がりを見せている。B町も、緩やかな地形を利用して里山風情を押し出したキャンペーンを始めている。C町は大型商業施設に隣接する敷地に新しく「道の駅」をオープンさせて繁盛している。そしてわが町は、他の町にない鉄道や高速道があって、都心との交通アクセスが最も便利な本格的農村なのだから、いくらでも活性化できるはずだが、第一種農地の大半を抱える地主の多くが互いに反目していて方向性が出せない。市や周囲の町や連合自治会からの圧力は年々強まるばかり、町民としても周囲の賑わいが羨ましくもあり、村が活性化することには賛成だが・・・と、その先が出ないのだ。私を含めて、ここ10年ほどで新規就農目的地区へ移住してきたのは10世帯をくだらないが、残ったのは結局私だけ。しかし、その唯一の存在をすら排除しようとする姿勢は変わらない。「だれかもっといい人が来てくれたら・・・」というのが本音らしいのだが、仲介者も呆れて「そんな自分らの都合のええようにばっかり行くかいや・・・」とは心の中で思ったらしい。
さて、いよいよ食品流通の現場崩壊が現実味を増してきた。以前から仲介者に、昨今の状況から村の禁を犯して今シーズン田畑の作付けをやろうかと打診していたのだが、とりあえず総会の様子を見極めてから、ということにしてあった。今日はその結果、というか雲行きを受けて、互いの意思の確認をしに来たというわけだ。田畑の準備は今ならまだ間に合う。村の雲行きとやらが、この非常事態を感知して幾分かでも寛容な雰囲気に向かっているのであれば、仲介者に取り繕ってもらって今シーズン再開に持ち込みたいところだが、温度差は絶望的だ。彼らは非常事態を都市部だけのものと考えていて、我々には関係ない、我々は大丈夫、という根拠のない安心感を持っている。総会がこういう形になったのも、要するに「集まっちゃいかんと言われたからやむなく従った」だけのことで、むしろそれは彼らにとって都合が良かったのだ。そんなわけで、幾つかの懸案も全て既定路線、とりあえず現状維持で確認されたとのこと。「やめとけ。今ヤッたらまた潰されるぞ」・・・やれやれ、終わっとるね。なにしろ「売らない、貸さない、使わせない」の三原則がモットーやった村やからね。私もこの村で生きていかんならんから、二転三転したけどやっぱり今年は耕作放棄。
さて、なぜ私がこの村にこだわるかというと、ただカネがないから動けんだけのことなんやが、このような構図は日本全国共通だと思うからである。自分だけ特別扱いされてどこかの山奥などに引っ込み、そこで何不自由のない自給自足をして暮らすなど、問題の解決にならん。そんな生活は、いつかはもろくも破綻する。今の日本社会がそうなってはいないからである。だからこの場で問題を解決できない限り、持続可能な生活を提言することはできない。バイトについても同じである。自給経済と日本経済をつなぐ細いロープが、時給899円、一日4時間のバイトである。私は首の皮一枚でこのロープにぶら下がって行き来しているようなものである。この距離が短くなればなるほど、日本は人間的な国になる。それができないようであれば、この問題の解決にはならない。私は自ら好き好んで退路を遮断してしまった。私の生きる道と目的地ははっきり見えている。あとは、どこまで近づけるか、首の皮がいつまで持つか、だ。
2020年04月05日
20200405 豆板醤を自分で
豆板醤を自分で作ろうと思う。豆板醤は、ソラマメを原料とするが、日本で作り方が紹介されているように、初夏に収穫できる新鮮な緑色のソラマメを使うのではない。「醬」は「味噌」という意味だから発酵食品である。生のソラマメで味噌を作ろうというのは、大豆の元は枝豆だから、枝豆で味噌を作ろうとするようなものである。そんなことをしたらほとんどの場合、生の豆は腐ってしまうだろう。
豆板醤の原料は、熟して乾燥したソラマメ、大豆でいうと、枝豆でなくきな粉にする大豆の状態である。ところが、ソラマメの乾燥したものは、日本ではほとんど流通していないので、これを栽培するところから始めなければならない。詳しくは書かないが、ソラマメの種の蒔き時は10月中旬頃である。これを蒔いて、初夏に食べたい欲望をぐっとこらえて、莢が黒くなるまで放置すれば、だいたい正しい原料が収穫できる。
そこからの製造方法は、本場中国でも実に多様であるが、一致しているのは、まずは「霉豆瓣」という、乾燥したソラマメ麹を作るところにある。まずこれを作って、それを各種調味料や酒や油で解いて豆板醤になる。中国でも、霉豆瓣の自宅製造は難しいので、市販されているものを使って豆板醤を作るようである。
豆板醤の製造方法について、日本語による良い解説をひとつ見つけた。大いに参考になった。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/87/9/87_9_629/_pdf/-char/en
市販の霉豆瓣を使って豆板醤を作る方法
さてここでは、今回試した霉豆瓣の試作について書こうと思う。豆板醤の元となる霉豆瓣の作り方の最も伝統的な方法は、ソラマメを何らかの方法で脱皮して、自然環境の常在菌のうち麹菌を付着させて豆麹にすることである。ソラマメは非常に硬い皮を持っているので、これを剥くのは大変な苦労である。水につけてふやかしてそのまま剥こうとしても、1kgも剥けば爪が剥がれるであろう。しかしそれを指南する資料もある。あるいはこれを炒って皮を浮かせて剥く。これは簡単であるが、炒ることの是非が問題になる。あるいは乾いたまま挽き割りにして、風に飛ばして皮を取り除く方法もある。ここでは安直に、炒って脱皮する方法を選んだ。
https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&p=霉豆瓣
麹付けには、脱皮したソラマメを浸水したものに、そのまま麹を付ける方法と、蒸してから付ける方法がある。また、原料を自然界に放置して常在菌を付ける方法と、あらかじめ用意した麹菌の種を植え付ける方法がある。前者は伝統的な方法だが、環境条件に大きく作用され、時間もかかるし、失敗する可能性が高くなる。場合によっては、有毒な黴を付けてしまうこともある。霉豆瓣の完成品の写真をよく見てみると、これに付いている麹は、私の手持ちの麹と変わりないように見えるので、ここでは、日本の味噌や醤油の仕込みに倣って、原料を蒸して、手持ちの麹菌をつけるやり方をとった。
原料は、設備の関係で、先ずは中国産の挽き割り豆と、鳥取産の黒ソラマメの二種類とした。前者は、炒っただけで味付けされていないもの、後者は熟して乾燥したものだが、小さいので皮を剥かずに使ってみた。いずれも一日浸水し、前者は皮を剥いた。これらを指先で潰れる程度に蒸して、手持ちの麹菌を植え付けた。24時間後には全体に繁殖して自己発熱を始めた。これを手入れして、早くも三日目には温度が下がりはじめたのでそこで出麹とした。後者は皮を剥かなかったので豆麹の良い形と良い香りを持っているが、前者は全体が崩れてドロドロになり、納豆臭が少しある。これは行き過ぎかもしれない。
指南書によると、出麹を天日に晒して乾燥させよとある。晴れ続きを利用して、とりあえずこれを干してみることにした。
さて、昨シーズン栽培したソラマメが500gほどあるので、引き続いてこれを炒って皮を剥いて作業を後追いすることにする。さきほどの、剥いたソラマメが崩れてドロドロになったのは、水分が多すぎたからである。米糀を作るときも、浸水した後の水切りが不十分だとこうなる。指南書によると、水分を飛ばす工程は発酵後になっているが、ここでは米糀の製法に倣って、蒸す前に水切りしてみようと思う。その後の工程は、先ほどと同じである。
これは、おそらく最も手間のかかる、自然界に浮遊する常在菌をつけようとしたリポートである。
一方、この動画は、同じく自然発酵によるものだが、実に驚くべき方法で作っている。季節はおそらく初夏であろう。自然環境も日本とは異なるし、使われている材料もよくわからないので、見た通りにやるわけにはいかない。しかし、脱皮の方法、納豆作りに似た発酵のさせ方など、大変面白い。
https://v.youku.com/v_show/id_XNDQxNjk0NzU1Ng==.html
いずれにせよ、豆板醤は、乾燥したソラマメを運んでいる最中に雨に濡れ、それが発酵しはじめたのを保存しようとしたのがそもそもの始まりという。中国の先人のご苦労と勇気に心からの敬意を表します。